遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

露と欧米の「冷たい平和」の関係

2007-02-18 01:15:02 | my notice
 ロシアと欧米の関係は、あらゆる局面で気まずくなっているとの、英ガーディアン紙の論調を、読売が紹介していました。
 プーチン政権の動きは、ますますエスカレートしてきている様相で、目が離せませんね。
 
世界の論調 英がーディアン紙 「冷たい平和」露も欧米も不幸に (2/16 読売朝刊)

<前略>
 イワノフ露国防相は、弾道ミサイルや原潜、空母を大幅に増やす計画を発表した。新型ミサイル「トーポリ-M」の毎年の配備数を 4倍に増やすとの発表は、チェコが、米国のミサイル防衛システムのために広大な軍用地を提供する、と表明した直後におこなわれた。
 ロシアは、チェコのレーダー施設とポーランドで計画中の迎撃ミサイル基地は「対イラン用だ」とする米国の説明を受け入れていない。ロシアは、4,500キロ・メートルの範囲を探知できるレーダー施設は、自軍への脅威だと主張している。

 こうしたにらみ合いは、ミサイル問題にとどまらない。
 ロシアと欧米との戦略的関係は、あらゆる局面で気まずくなっている。高まる相互不信を押しとどめるには、欧州が、ロシア連邦ほどの大国が弱体化することは欧州の利益には明らかに沿わないと唱える以外にない。
 同時に、パイプラインの終点であるドイツに 1本の電話連絡すらせずに、(途中の)ヘラルーシへのパイプラインの栓をしめたことも、ロシアの利益にならない。
 (露天然ガス独占企業)ガスプロムは利益の3分の2以上を欧州市場で上げている。供給国と消費国が相互に依存している以上、供給国が(ガスの)安定供給について無責任な行動をとるのは経済的に理不尽だ。

 世界は"冷たい平和"という方向に進んでいるようだが、これは双方に不幸を呼ぶ。
 ミサイルやレーダーをそっと別方向に向け、相互信頼を回復する方策はある。ロシアは、西側から干渉を受けることなく、世界の中で自国の居場所を見つけなければならない。
 しかし同時に、他の各国と同様に振る舞い始める必用もある。

 欧米とロシアの気まずくなってきている関係に、欧州がロシアの弱体化は欧州の利益に沿わないと唱えるべきと言うのですが、"ロシアの弱体化"とは英国流の皮肉なのでしょうね。資源の値上がりで、貧乏から復活して目がくらんで、迷走するプーチンにより、改革努力や、顧客との共存を忘れてしまっている状況を差しているのでしょう。
 勿論、莫大な核ミサイルを抱え、連邦の盟主であるロシアが経済的にピンチを招いていた頃には、核の流出や維持管理の安全性に世界が危惧感を抱きましたし、盟主の沈下に伴い、連邦各国の政情不安が起きました。このことは、欧州のみならず、世界レベルでの不安事項でした。
 しかし、今のプーチン政権は、資源と武器輸出による冨の蓄積で、帝国シンドロームの状況に陥り、レームダック政権を生み出し決断と行動が出来なくなっている米国の弱体化を好機ととらえ、覇権拡大に余念がありません。

 反プーチンの連邦国への締め付けを強めていますが、チェチェンも、独立派の容赦ない掃討で知られ、治安維持に名を借りた多数の民間人誘拐と身代金要求、虐殺を国際人権団体から疑われている私兵組織「カディロフツィ」を有する、カデロフをプーチン大統領が、新大統領に任命しました。
 
プーチン大統領、チェチェンも力による統治へ (2/17 産経朝刊)

 【モスクワ=遠藤良介】プーチン大統領は15日、独立派掃討戦が続く南部チェチェン共和国のアルハノフ大統領を解任、カディロフ首相(30)を大統領代行に任命した。傘下の私兵組織で恐れられるカディロフ氏に事実上、同共和国の「力による統治」を委任した形だ。同氏は議会の承認を経て大統領に就任する見通し。

 カディロフ氏は2004年5月に爆殺された父親のアフマド・カディロフ元大統領とともに、独立派ゲリラから寝返った親露派。ゲリラ時代からの約1万人の私兵組織「カディロフツィ」によって共和国内で実権を増し、アルハノフ大統領との間に対立が生じていた。

 カディロフツィは独立派の容赦ない掃討で知られ、治安維持に名を借りた多数の民間人誘拐と身代金要求、虐殺を国際人権団体から疑われている。

 また、プーチン大統領は、来年の大統領選挙で退陣後に院政を敷くために、第1副首相を同郷のメドベージェフ第1副首相に加え、イワノフ国防相を第1副首相に昇格させました。不祥事が次々と発覚、腐敗体質が明らかになっている軍から信頼する腹心のイワノフ国防相を解放し、シロビキ(武闘派)中心の政権固めを行っています。
 
 「冷たい平和」の関係が、「冷戦」時代へ戻らない事を願っていますが、それにはロシアから資源や武器を買わないことが最も有効で、各国が実行することが必用です。




  竹島は日韓どちらのものか
 
2007

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6 コメント

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Unknown (やおよろず)
2007-02-18 02:06:35
 >>ロシアから資源や武器を買わないことが最も有効で、各国が実行することが必用です。

 こういう流れにはありません。


 インド・中国への原子力技術とガス・石油権益の供出は、どんどん深まってきています。
 ロ・中関係に比べ良好かつ歴史のあるロ・印関係を考えれば、インドの経済発展に伴い、ロシア資源の市場は拡大の一途でしょう。
 プーチンのインド訪問で、サハリン3へのインド企業の参加も正式に決まりました。
 
 次期政権の形がどんなものになるのかわかりませんが、ブッシュ政権型になれば、ロシアとバックボーンの石油複合体企業との利害は一致するので、流れが変わることもないでしょう。

 他の皆さんとの論調が違うようなので、目障りであれは消してください。
 
返信する
露と欧米の冷たい関係 (憲坊法師)
2007-02-18 21:05:35
TBありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします
返信する
危機感の薄い日本・・・ (容子)
2007-02-24 12:04:39
遊爺雑記帳さま

プーチン政権以来、ソ連時代に逆戻りしたようなスパイ活動も盛んなようですし、欧州との関係もギクシャクしているようですね。
きっと次の大統領もプーチンの息のかかった人がなるでしょうし・・石油資源と武器輸出を梃子に盛んな活動が目に付きます。

日本は中国・ロシア・北朝鮮とキナ臭い国に囲まれ、のんきに国会で争っている暇がないはずなのに?野党は勿論、与党の中にも平和主義者が多く、危機感がないのが残念です・・
返信する
Re: こういう流れにはありません。 (遊爺)
2007-02-24 22:23:48
やおよろずさん、コメントをありがとうございます。

>こういう流れにはありません。

  仰るとおりですね。
  http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/36499/
 
  また、プーチン大統領は2月11日から3日間、サウジアラビア、カタール、
ヨルダンの3カ国を歴訪し、米ソ冷戦終結後、著しく低下していた中東地域へ
の影響力強化に向けて動き出したこともご存じの通りですね。
今朝(2/24)の朝刊では、朝貢外交家の甘利経済産業相がガスプロムと日本企業の技術提携
を、安定供給を見返りにすすめる方針を、ロシアのフリステンコ産業エネルギー相に伝えるのだとか...。

 私が言っているのは、そうしたロシアの甘言に載せられて一旦資源の輸入を依存
してしまうと、自国のエネルギー調達安全保障が、約束を平気で破る国に握られ
危うくなる。しかもそれは、各国が購入し、ロシアの経済力が高まり、軍事力
も拡張されることで、一段とロシアの支配力が強まると言うことを、申し上げ
ているつもりです。警鐘を鳴らしているつもり。

 石油資源は有限です。ロシアの資源に限らず、石油依存の緩和策は、今から
始めて行かねばならないのです。先ず、ロシアの資源に頼らない処から始めて
はいかがでしょう。

http://nationalgeographic.jp/nng/sp/earth/200406/_02.shtml

返信する
Re: 危機感の薄い日本・・・ (遊爺)
2007-02-24 22:30:48
容子さん、こんにちは。

>野党は勿論、与党の中にも平和主義者が多く、危機感がないのが残念です・・

 同感です。
 安倍内閣の閣僚にも防衛相、経産相他何人か散見されるのは、内閣と、日本の危機とも言えますね。
返信する
Re: 露と欧米の冷たい関係 (遊爺)
2007-02-25 00:03:03
憲坊法師さん、コメントをありがとうございます。

>国防を第一に、アメリカとの同盟をどう守って行くかを考えて、国際戦略を強力なリーダーシップで引っ張って行く政府が求められている。

 八方美人ではなく、日本の国と国民を護るリーダーが期待されます。
 安倍さんは、まさにその期待を一身に浴びて登場したはずなのですが...。

 切れの良い口調の貴頁は、これからも拝見させて頂きます。よろしくお願いします。
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