遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

安倍・バイデン会談 進展なし

2013-12-03 23:58:58 | 東シナ海尖閣諸島

 中国の防衛識別圏設定に対し、民間航空機の対応が日米で別れ、中国につけ入られています。
 日米が団結して中国に対応することが望まれる今、バイデン副大統領が日中韓歴訪の為来日して安倍首相と会談しました。
 つけ入る中国に対し、日米の絆の太さと強さを示す会談結果が期待されていましたが、中国側に防空識別圏の撤回を求めることには言及せず、期待に沿う答えは出てきませんでした。NHKの「ニュースウオッチ9」では、米国は日本に一方的に味方をするのではなく、国益を重視し中国との新しい付き合いかたの構築も配慮していると結論づけていました。
 
中国防空圏「黙認せず」…安倍・バイデン会談(読売新聞) - goo ニュース 

中国防空圏、日米が緊密連携 首相と副大統領一致:日本経済新聞

 安倍晋三首相は3日、バイデン米副大統領との会談後の共同記者発表で、中国の防空識別圏設定について、中国の力による一方的な現状変更の試みを黙認せず、日米が緊密に連携して対応することで一致したことを明らかにした。自衛隊と米軍の運用を含む日米の対応を一切変更せず、民間人の安全確保を脅かす行動は一切許容しないことで一致
したとも説明した。
 バイデン氏は「東シナ海における現状を一方的に変えようとする試みを米国は深く懸念している」と表明。訪中の際に中国指導部に懸念を伝える考えを示した。「日本と中国の危機管理メカニズム、コミュニケーションの効果的なチャンネルの必要性が示されている」と述べた。
 首相は環太平洋経済連携協定(TPP)について「日米が協力して懸案を解決し、年内妥結へ道筋を付けたい」との考えをバイデン氏に伝えたことも明らかにした。

首相とバイデン副大統領の会談の主な内容 :日本経済新聞

 ○中国の防空識別圏設定を黙認せず、日米で緊密に連携。自衛隊や米軍の運用を含む両政府の対応は一切変更しないことを確認
 ○バイデン氏は深い懸念を表明、中国に懸念伝達を約束。偶発的な衝突回避へ日中が危機管理の枠組みづくりをするよう提案。
 ○安倍首相は環太平洋経済連携協定(TPP)の年内妥結に道筋をつける考えを表明
 ○安倍首相は沖縄の米軍普天間移設問題を強い決意で進めると説明。バイデン氏は早期実現への関与を約束
 ○東南アジアでの災害救援・復興の訓練などで協力。開発援助で実務者対話の開始

 中国外務省の洪磊副報道局長の発表では、「すでに10カ国と3地域、30社余りの航空会社が中国当局に飛行計画を提出している」と明らかにしたのだそうです。 
 
中国への飛行計画提出、13の国・地域に  :日本経済新聞
 
【北京=島田学】中国外務省の洪磊副報道局長は3日の記者会見で、中国が東シナ海上空に設けた防空識別圏(ADIZ)に関連して「すでに10カ国と3地域、30社余りの航空会社が中国当局に飛行計画を提出している」と明らかにした。飛行計画の提出を拒んでいる日韓両政府には中国当局への通知を改めて要求した。
 一方、
中国の劉振民外務次官は3日、北京市内で講演し、防空識別圏問題を念頭に「日中が対話を深めることで航行の安全を確保し、偶発的な事故の発生を避けるべきだ」と述べ、危機管理メカニズムの確立が必要だと強調した。沖縄県の尖閣諸島を含めた中国の防空識別圏の存在を前提に協議を呼びかけ、既成事実化する狙いがあるとみられる。

 中国は早速民間航空会社が中国の指示に従ったことで、設定した防空識別圏を既成事実化して、尖閣に領有権争いがあることを世界にPRしつつ、次の領土問題交渉の開始、制空海権の実績の積み重ねに向けた段階にレベルアップを推し進めようとしています。
 すべては米国の民間航空の計画書提出での中国の指示に従うことにした政府の姿勢が始まりで、一時は世界世論から総スカンを浴びながらも、大逆転を達成し逆に攻勢をかける、日米は受け身に回る状況が産み出されました。
 中国の防衛識別圏の設定は、日米同盟、更にいえば日韓台の防空識別圏を設定した米国への挑戦で、危機感を感じたはずの米国でしたが、中国のペースに嵌められてしまいました。

 バイデン副大統領はこの後中国を訪問し、習近平、李克強両首脳と会談します。「東シナ海における現状を一方的に変えようとする試みを米国は深く懸念している」ことを伝えると言っておられます。何処まで言い切れるのか、逆に、民間航空機の米国の対応の件で歓迎されて丸め込まれることはないのか注目されます。


 頼り切れないというか、ブレる弱体化したオバマ政権に頼るだけではない日本の政策確立が急務です。
 今回の中国の防空識別圏設定は、中国の狙い通りの様相を呈してきたとはいえ、それが強引で、武力を伴う危険な行為であり、中国の覇権主義が世界に知れ渡ったのも事実です。
 まずは、非難の声を上げた各国との連携も深め、中国の危険性への抑止の連携を、地道に深めて行くチャンスと捉えて、世界世論へのPRを進めていくことですね。



 # 冒頭の画像は、安倍首相とバイデン副大統領






  この花の名前は、ストケシア


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続 中国の海洋戦略
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1 コメント

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米中は通じている (1Q3)
2013-12-04 21:26:28
 転載いただいている日経の記事で、中国の劉振民外務次官が「日中が対話を深めることで航行の安全を確保し、偶発的な事故の発生を避けるべきだ」と述べています。
 バイデン副大統領が安倍首相との会談後の記者会見で同じことを話しています。
 バイデン副大統領の訪中に際しては、事前交渉がなされていて当然ですが、この辺りは合意されているのでしょう。
 関西テレビの「スーパーニュース・アンカー」で、青山繁晴氏が、バイデン副首相がこのことを話している時に、安倍首相が明らかに不機嫌な表情をしたと指摘されていました。
 つまり、中国が防空識別圏の設定をした目的のひとつの、日中の間に尖閣で領土問題があることを前提とした協議開催がありますが、この目的が達成されることに米国が加担しようとしているのです。
 青山氏は、米国のアジア回帰の真の目的は、アジア、なかでも中国への輸出増加(オバマ政権の目玉政策のひとつは、米国内の雇用増大の為の輸出拡大)であり、パンダハガーが増えていることを指摘しておられました。
 明日(12/5)の、ニッポン放送の「ザ・ボイス そこまで言うか」でも、更に詳しい話が出るでしょう。

 かと言って、安全保障では日米の強化は進めていく。
 まさにブレる米国ですね。
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