遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

TPPはアベノミクスの第三の矢の柱の一つだが

2017-03-21 23:02:13 | 日本を復活させる

 トランプ政権が誕生し、選挙戦での公約通り、TPPからの米国の離脱が宣言され実現されました。
 この現実の中、トランプ政権発足後、初めてのTPP閣僚会議が、チリの呼びかけでひらかれました。
 振り返れば、TPPへの日本の参加は、民主党政権下、12ヵ国の内で最後の参加国となりましたが、GDP世界第一位の米国と、第三位の日本がリードする形で、最終合意にたどり着けることが出来ました。
 民主党政権で、製造業の六重苦などが言われ、日本経済が沈没寸前に陥るなか、野田政権のTPP参加の決断は、唯一の民主党政権の成果だったと評価します。そして、安倍政権に政権交代し、アベノミクスの採用で、日本経済は復興を始めました。
 しかし、アベノミクスの三本の矢の、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」までは順調に進められたのですが、主役の第三の矢の「民間投資を喚起する成長戦略」は、薬のネット販売だとか、カジノの誘致だとか、経済基盤の構造改革を産むものが見られず、柱となるものがなく、鳴かず飛ばずで、日銀・黒田総裁の金融政策におんぶのままのアベノミクスとなっている現状です。
 その第三の矢で、TPPによる海外市場と国内市場の連結は、縮小するばかりの日本国内市場を広く関係国と繋げることになる、経済基盤改革となるもので、柱のひとつと目されるものです。
 国内市場の成長が頭打ちの中国が、「一帯一路」政策で、広く海外の市場を取り込もうとする方向と、同じ方向を向き、競合するものでもあります。
 つまり、TPPは、アベノミクスの第三の矢の重要な柱であり、その成否は、第三の矢の成否を左右するといっても過言ではないでしょう。
 しかし、安倍政権の、TPPに対する姿勢は、戦略が見えません。第三の矢の柱も見えず、黒田総裁の任期終了も迫る中、このままでは、アベノミクスも未完のまま消滅してしまいそうです。

 チリでの、米国離脱後の閣僚会合は、世界第三位のGDPの日本が、引き続き主導権を発揮し、国内的にも、アベノミクス・第三の矢の成否にかかわる安倍政権の、積極的な姿勢が求められましたが、日本からは閣僚を派遣せず、副大臣の参加といった、消極姿勢でした。
 これでは、参加11ヵ国からの信頼が得られるはずがありませんし、会合もまとまるはずがありませんね。
  

TPPの将来戦略が見えぬ 論説副委員長・長谷川秀行 (3/21 産経 【風を読む】)

 トランプ米大統領の離脱通告で漂流する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の成果を無にせぬためには何が必要か。それは、日本が主導して各国の意見を集約すべき課題
である。
 だが、
肝心の日本の意欲や覚悟が感じられないのはどうしたことか。トランプ政権発足後、初めて開かれたTPP閣僚会合
から、そんな印象を受けた。
 
会合を呼びかけたのはチリだが、本来、これは日本が提起してもおかしくなかった。それがないばかりか、日本からは閣僚を派遣せず、副大臣の参加だったのも拍子抜け
である。

 無論、会合を開けば早々に成果が得られるわけではない。各国の意見は隔たりが大きく、今回、TPPの将来について方向性を示せなかったのも、無理からぬことだった。
 それでも、
域内で米国に次ぐ経済大国の日本がどう動くかは各国が注視している。内閣府の越智隆雄副大臣が「あらゆる選択肢を排除しない」と述べたのは、明確な戦略を描き切れていないことの裏返しである。これで議論をリードできるのか。

 米国にTPPの意義を説き続け、合流を促すのは当然だ。そうだとしても、次善の策を講じないわけにはいかない

 例えば
米国抜きの11カ国で発効させ、米国の合流を待つというのも選択肢
だ。対米輸出に期待する国には慎重な意見もあるが、オーストラリアなどが前向きだ。日本もその是非について明確に判断を示すべきだ。
 チリなどは中国を加えた新たな協定を志向している。今回の会合後、中国や韓国などを加えた「ハイレベル対話」を開いたのも、その布石といえる。
 ただ、中国の影響力が強まれば、その覇権主義的傾向を後押しする恐れがある。高水準の自由化を後戻りさせるわけにもいかない。その認識を共有するよう働きかけることが必要だ。

 米国が目指す2国間協定への対処でも各国の足並みをそろえたい。
安倍晋三政権に求めたいのは、こうした点について日本の立場を固めて発信し、各国の結束を促すことだ。首相の指導力が問われる局面である。

 安倍首相は、あくまでも米国の参加による12ヵ国でのスタートへの説得に拘っています。しかし、TPP離脱は、トランプ氏が選挙で掲げた目玉公約のひとつであり、その公約を果たすのは、トランプ氏の義務でもあります。
 説得を続けるのは、誠意を示す為に止めはしませんが、その説得が、当選直後の今、受け入れられない現実を前にして、受け入れられないのならどうするのか、戦略が必要です。
 甘利大臣が、健康にダメージを負うほどに尽力してまとめたTPP。アベノミクスの本命の第三の矢の柱のひとつであるTPP。去る者は追わず、米国抜きの11カ国で発効させ、米国の合流を待つというのも選択肢です。
 11ヵ国で発効させ動き始めれば、EUが破綻をはたしている今、世界の自由経済圏のスタンダードとなります。
 となれば、米国との二国間交渉にしろ、RCEPのとりまとめにしろ、その指標ともなります。

 中国も、ペルーの呼びかけもあり、TPPの参加に興味を示している様ですね。勿論、主導権が得られればの条件付。
 
TPP参加か不参加か…機見る中国 選択肢残す戦略か 狙いは指導的位置 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

 アベノミクスの第三の矢が未着手(正確には不発)で、アベノミクスの評価が減低傾向の今、米国抜きのTPPについて、真剣な戦略構築と、参加国へのリーダーシップが待たれます。


 # 冒頭の画像は、チリ中部ビニャデルマルでのTPP閣僚会合や太平洋同盟の会合に出席した閣僚ら




  この花の名前は、マルバハギ


↓よろしかったら、お願いします。



写真素材のピクスタ


Fotolia








コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 3月20日(月)のつぶやき | トップ | 3月21日(火)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本を復活させる」カテゴリの最新記事