斎藤先輩が東京オリンピック候補選手として活躍されていた頃、斎藤先輩より2年下で早稲田に平井さんというボクサーがいらしたという。
その平井さんは現在長崎市在住で、田中先輩を通して斎藤先輩の来崎をお知りになり、是非お会いしたいということで、その夜、一席設けておられるとのことだった。
「こころ夢未来高等学校」の開校祝賀会終了後、斎藤先輩、田中先輩にお誘いいただき、私と学生3人も一緒に平井さんの待っておられる居酒屋へと向かった。
両先輩もそうだが、平井さんも実に穏やかなお顔をなさっておられる。かつてリングの上で闘志むき出しに戦っておられたなんて、にわかには信じられないほど柔和な表情で平井さんは私たちを迎えてくださった。
斎藤先輩と平井さんは50年ぶりの再会ということであった。しかも、リングで1度だけグローブを交えただけの仲だという。それなのに、お2人がにこやかにお話されるお姿には微塵の違和感もなかった。
当時のライバルや仲間のこと、彼らにまつわるエピソード等、そして、その後のそれぞれの人生などなど、興味深い話は延々と続いた。