【イッツ・オンリー・トーク】
【第七障害】 絲山秋子
【イッツ~】は、映画【やわらかい生活】の原作。
観てから時間が経っていたので、映画の配役とは
また違う登場人物で楽しめた。
絲山さんのエッセイを拝読したせいもあり
どの小説の主人公にも彼女の面影を見つけてしまう。
彼女自身の心の奥の方のモノが
見えてしまう気がする。
それは、いいのかよくない(?)のか分からないけど、
私としては、全く存じない方が良かったなと
思ったりしている。
登場人物それぞれの抱える色々が
興味深く面白いものとして描かれている。
実は、どれもサラッとしたものなのかも知れないとも感じる程に。
点と点での関わりは、
相手を敬う関わり方な気がする。
人は誰も多面的で
複雑な感情の糸で形成されている。
ある点だけを知り、その人に【レッテル】を貼るのは
点で面を見たような気になると言う
世界を縮めるとてもつまらない事だと思う。
私も無意識で貼っているかもしれない。
自分に貼られるのがとても嫌なので
人にもしないようにしなくては。
なので、引き続き絲山作品を
白いキモチで数冊読んでみようと思う。
【第七障害】は、爽やかなお話。
きれいな終わり方だった。