登竜門という言葉があります。実際にある門ではありませんが、龍門は、中国、黄河の上流の激流をいいます。そこを登り切った鯉は龍になる、という伝説から生まれた言葉です。
紫禁城にも龍門があったそうです。科挙(かきょ)という官吏登用試験の難関に合格すれば、この門を通れたのだとか・・・。そこから立身出世の関門に例えられるようになりました。
大きな屏風に鯉のぼりの絵を依頼されました。こどもの日の鯉幟もこの故事にちなんだものだそうです。江戸時代、武家が武者人形を飾ったのに対し、庶民は子どもが健やかに育つように願いをこめて鯉幟を立てました。
大空を悠々と泳ぐ鯉。龍にならなくてもいいけれど、激流に負けない鯉に育って欲しいと願います。