本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「生物と無生物のあいだ」福岡伸一著

2009-05-10 00:44:00 | 本・雑誌、読書

ちょっと前にベストセラーになった本です。なんで分子生物学研究者の本がベストセラーになるんだろう?しかも文章を褒めた書評が多いし・・あんまり関心ないなあと思いながら、なぜか東京に行った帰りに羽田空港の本屋さんで買いました。

家に帰ったら読む気が失せて本棚に置いたままでしたが、普段読んでない系統の本を読みたくなって数日前に本棚から持ち出しました。

おもしろかったですね~ 
但し装丁は自分的にはイマイチ。本の帯には「読み始めたら止まらない 極上の科学ミステリー 生命とは何か?」などと書いてあり、これはいただけません・・著者が生命とは何かについて疑問を持っている話はあるのですが、その解を導く内容にはなっていません。また、有名人のコメントも残念ながら月並み。これなら帯がない方が・・

さて、中身については分子生物学の研究にまつわる話で組み立てられておりますが、

例えば研究者として成功するための要因は会社組織の論理とぴったり重なって、やはりどこでも要領のいい奴が勝ちよねとか、才能の多寡ではないのかと変に納得してしまいます。

ひとつの発見のために倦むほどの単純作業を繰り返す話やその努力がタッチの差で別のグループに抜かれる話は、優れたものを生み出すためには裾野の広さと無駄に終わるかもしれないけれど情熱を持って取り組むことが国の強さにつながるのではないかと気づかせてくれたりします。

・・・本筋とともに行間から発見があります。

読み終わってAmazonのカスタマーレビューを見たら、賛否両論。

分子生物学的議論を求める方や理系の方は理論的ではない部分や修飾の多い文章に嫌悪感を示されている場合もあります。

それに対し、分子生物学を端から知らない人、学問的議論をこの本に求めていない人は絶賛に近い。
また、古き良き時代を彷彿とさせる内容もあり、私なんかは遠いところを見る目になってしまいますが、若い人には受けていないだろうなと思っていたら、やっぱり若者のレビューも受けが悪い。

本の良しあしは個人の感性によることを思い知らされます。

やばい、レビューを読む前に人に勧めた・・それも理系の人たち

・・それにしても理系脳、文系脳ってあるのかなあ??

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