本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「<私>時代のデモクラシー」宇野重規著

2010-07-12 22:08:35 | 本・雑誌、読書
電車に乗っていたり、ちょっと街を歩いたりした時、日本人(ほぼ日本人しか知らないけど)って自分だけしか愛していないんじゃないかなと感じる場面に出会う頻度が高くなったような気がしています。

もはや「自分さえよければ」なんてレベルではなく、「自分しか」見えていない人たち。混んだ電車で自分の前のちょっとしたスペースを詰めるだけで、後に乗った人が楽になるとか思いつくこともなさそうだったり、人が歩いている横をフルスピードで走っていく自転車とか・・他人が見えていないとしか思えない。

昨日は参院選挙の投票日で、まさしくデモクラシーを考えた日。
ちょうど選挙期間中に読んだこの本は、マスコミの選挙報道といっしょくたになって、私なりのデモクラシーを考える機会を与えてくれました。

今回の与党の敗因は、消費税発言と言われています。敗因が何なのかはわかりませんが、消費税の話が出てきたときに

10%が許せなかった人、唐突にだったこと、収入の話と表裏一体の支出の話、財政再建の話が弱かったこと、根拠がよくわからない年収額による低所得者減税の話がでてきたことなど、

消費税が関心事だったかもしれないけれど、年齢、立場などによって反対ポイントが違ったように思います。

消費税に限らず、子育て施策を充実してもらいたい人、医療や介護の問題を一番に扱って欲しい人、産業を活性化してほしい人など、この本にあるとおり、あまりにも個人がバラバラで、もはや多数派が存在しない。

そんな時代にいかに政治を行っていくのか・・

個が強くなった「私」と「社会」をどうつないでいくか、折り合いをつけるか。

著者の様々な示唆に富む話を読みつつ、頭の中で一人ブレインストーミングをした感じがありました。

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