本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「64-ロクヨン-前編」

2016-06-04 23:55:00 | なるほど・備忘・お気に入り&その他雑感
6月3日金曜日、夫は仕事で遅い、娘は飲み会、なので仕事が終わって映画を見に行きました。
見たい映画があったわけではなかったので、まずは上映中のものから、候補探し。

仕事が終わった後に見られる時間帯で見てもいいと思う「エンド・オブ・キングダム」、「ボーダーライン」、「64-ロクヨン-前編」を候補に選択。

できれば洋画を見たいと思っていましたし、「64」は前編なので、中途半端に終わってしまうのではないかととても迷って、でも「64」を見ました。

結果、終わって現実に戻るまでしばらく時間が必要なくらい、映画に入ってしまいました。

昭和64年に起こった誘拐事件に関わった警察と被害者とその家族など周りの人、それぞれの人物がしっかり描かれていました。

ハリウッド映画でこんなふうに丁寧に人を描いている映画を見た記憶がなくて、心の動きが感じられる映画・ドラマは日本映画でしか描けないんかなと感じました。

自分が日本人だから、単に日本人の方が理解しやすいせいかもしれませんが。

この映画の原作者の横山秀夫氏は、元上毛新聞の記者をされていて、自分が読んだのは「クライマーズ・ハイ」や「半落ち」など少ないですが、テレビで放送されるドラマも地方の刑事事件に関わる警察や報道記者を描いたものが多いようで、一貫して自分の経験に基づいた作品を書かれているのかなと思います。

自分の経験を小説に広げていく。

新聞記者は取材を通して多くの方に触れる職業で特別なのかもしれませんが、横山氏の映画やドラマを見たり、小説を読んだりすると誰でも小説にできるような人生を持っているんじゃないか、文才の違いがあって、できは雲泥の差でしょうが、自分の過去を小説のように書いてみるのも面白いのではないか、なんて思います。

誰にでも小説が書けるという意味ではなくて、年を取ってぼんやり平凡な人生だった人(=自分)でも、書くために振り返ってみると小説にできるくらいのものを持っている。波瀾万丈とは言えないけれど、自分の人生も捨てたもんじゃなかったと思うことができるんじゃないか・・・

横山氏は、自分が経験したことに誇りを持って、それを小説にされている、そんなふうに感じます。

映画好き、ミステリーに詳しい方には、“なんだこれは”かもしれませんが・・・以上、「64」鑑賞後、感想でした。
コメント
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