直木賞作家唯川恵さんが女性登山家で昨年亡くなった田部井淳子さんをモデルに書かれた小説です
田部井淳子さんというと日本人女性で初めてエベレストに登頂成功された方です
400ページ強ありましたが一気に読めました
私が山に登ってるっていうこともありますが、
40年前くらいに女性だけで海外に遠征登山することがいかに大変だったことが伝わりました
昔に比べたら今の方が男女平等なのでしょうが、
当時まだ封建的な考え方、女性は結婚して家を守るという考え方が多い中で
夫や子供を置いて数カ月も海外に登山とかとても大変だったかと思います
またそのための資金集めも「女がそんなことできるのか?」と困難を極めたことでしょう
小説の中で、最初の海外遠征は女性だけの登山隊でアンナプルナ
資金繰り、準備、女性隊員同士の嫉妬、分裂と登頂は成功しましたが読んでいて女の嫉妬って怖いなと・・
そしてその苦い経験のあと再度その時の隊長だった明子と女性だけでエベレストを目指すこととなる
そこでも資金繰りや女性隊員同士の嫉妬や軋轢が生まれますが8848メートルの登頂に成功
女性同士の軋轢や嫉妬、当時は男性会員ばかりでの山岳会での女性蔑視
本当に大変だったんだろうなと思いました 詳しくかかれててリアルでした
また、夫の政伸(小説では正之)とさんとの関係はお互いを本当にリスペクトしあっていて感動しました
好きなことをしたりやりたいことを貫くことはとても大変なことでもあります
互いに協力し合って夢を実現していく姿って素敵だし
当時としてはなかなか周りからは理解しがたかったんだろうと思いますが
周りに気遣いつつ自分たちの考えで認め合って生きてて理想的だなって思いました
淳子さんの優しさや情熱が多くの人の心を動かしていて改めてすごい人だったんだろうなって思いました
題名にもなってるてっぺんって山のてっぺんかと思いましたがそうではなかったのが最後のオチです
そして夫政伸さんが富士山登山で(東日本大震災後、被災地の高校生の富士山登山を企画されてました)高校生に
なぜ山に登るか?と質問されたことに
なぜ生きるのかっていうことと同じだよ
なぜ生きるのかを知るために人は生きる なぜ山に登るかを知るために山に登る
と答えたと言いますが なるほど・・・
実話によって書かれた小説でかなり長編でしたが途中何度も泣けました
やっぱり人生のパートナーって大事かも・・それは家族とかに限らず自分と関わってる人 大事にしないと・・です
オススメの一冊です