ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

変わるわよ~♪(といっても、「トランスフォーマー」ではありません!)

2007-08-16 | 映画
キサラギ


本来すすんでは見そうにない映画なのだが、ひとに勧められて見た。勧めてくれた同僚はこの映画のリピーター。調べてみるとリピーターが多い映画だそうである。

その死因が自殺だといわれるB級アイドル「如月ミキ」。2007年2月4日、彼女の一周忌のこの日にファンサイトの掲示板の馴染み同士、五人の男たちが追悼オフ会を催した。思いの丈を語り合い、あるいは楽しみ、また追悼する、そんな会になるはずだったが――ちょっと頭が足りない感じの、それだからこそ誰よりも純情な、人一倍頑張り屋の「ミキちゃん」が自殺するはずがないという思いが昂じて、その死の真相を追究することに。各自が知る事実を突きつけ合ううちに、意外な「事実」が次々に明るみに!

キサラギ、である。無論、先ずアイドルの芸名「如月ミキ」。

その命日の二月(旧暦で)の月の異名は無論「如月(きさらぎ)」。

「如月(きさらぎ)」は、正しくは「きさらぎづき」で、更衣(きさらぎ)する月の意。

「きさらぎ」とは更衣のことである。衣替え、衣服を変えることである。

(「キューティハニー」の人間体のネーミングの由来も、もちろんそこにある!)

そう考えると、この映画における「キサラギ」という題名の意味は、もしかしたら「次々に明らかになる登場人物の正体」であり、それによって「様相を次々と変えるアイドルの死の真相」のことではないか?

また、こうも思う。

五人が思いを合わせて到達した真相により、「如月ミキ」を愛する思いはそのままに、彼らが「停滞した1年間」の向こう、「新しい季節」に歩み出せるという意味なのではないか。

……もちろん、ラストのラストに、冗談としか言えない「三回忌編」が挿入されるのではあるが。

軽い気持ちで、軽い笑いと、軽い感動を、あなたが味わいたければ!

この笑える「TAPE」とでも言うべき密室ドラマを是非ご覧なさい。