ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

死霊のShall we dance?

2007-08-03 | 映画
恐怖の足跡(CARNIVAL OF SOULS)

「シックス・センス」の元ネタとも、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」に影響を与えたともいわれる作品。淡々とした作品でありながら、なるほど、素材とオチを少年とおっさんに二分して使ってはいるが元ネタといわれればまったくその通りだし、絵的にはなるほど、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」でもある。

地獄へつゞく部屋」同様にデジタル補正とともにデジタルでカラー着色された“デッドリー・カラー”バージョンで鑑賞した。(“デッドリー・カラー”には、レビューはしていないが、とっくに見ている「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」とレビュー済みの「地獄へつゞく部屋」、そして本作のほかには「リトルショップオブホラーズ」が残っている!)思った以上に面白かった。

冒頭、軽薄男子が軟派気分で女子三人連れの自動車に「公道レース」を仕掛ける。女子の車は橋から転落。川底に沈んだまま、引き上げることが出来ない自動車に、乗車の三人は絶望視されたが、三時間後、ひとりメアリーだけが自力で岸を上がって来たのだった。

カレッジで音楽を学んだメアリーは、パイプオルガンの設計・設置者の紹介を受けて、遠い街の教会のパイプオルガン奏者として赴任していく。

その街外れの湖畔には、遊園地(カーニバル)の廃墟があったが、そこを通りかかった時から、メアリーは不気味な男の幻視を見るようになる。

幻視に捕らわれる時、現実の音は聞こえなくなり、また、彼女の存在も人々からは見えなくなってしまう。そして、そのことを周囲の者に訴えても誰にも信じてもらえないのだ。

教会のパイプオルガンの練習中に幻視に捕らわれた彼女は、操られるように不気味な調べを奏でる。幻視の中では遊園地(カーニバル)の舞踏場で、死霊の男女がその調べにあわせて踊るのだったが、その曲を聞きとがめた司祭によって、彼女はくびを申し渡される。

*この、なんだか適当感あふれるオルガン音楽と、死霊達の社交ダンス、また、湖の中から立ち上がってくる彼らの不気味な姿が味わい深い。*

それからメアリーは街を逃れようと足掻くが、果たせずついに遊園地(カーニバル)の廃墟で無数の死霊に囲まれ追われることとなる。

*まあ、このあたりが「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」ばりといえば、いえるわけだ。*

そして驚愕の(そう、しかし、「シックス・センス」でもはやお馴染みの)真実が最後に明かされる。

*“デッドリー・カラー”バージョンは高いですが、某廉価ホラー・SFシリーズ(もちろんモノクロバージョン!)ならば500円で手に入りますので、興味を抱かれた方は是非ご覧なさい!*