前回の報告に引き続き、文教常任委員会の視察報告Part2をさせて頂きます。
視察2日目は、和歌山県田辺市における図書館の視察でありました。
花巻市は平成18年1月1日に1市3町が合併し、現在市内に4つの図書館を有しておりますが、
中央図書館の位置づけとなる花巻図書館は昭和48年に建てられ、築39年を経過し、老朽化、狭隘化、
立地場所等さまざまな課題を抱えており、花巻図書館整備市民懇話会を通じ、新しい花巻中央図書館の整備について
意見交換を行っているところです。
また、花巻市においても中心市街地の空洞化が進み、新たな活性化策が模索されている現状です。
そこで今回、田辺市の中心市街地活性化計画に基づき建設された図書館を始めとする
複合的な文化施設建設の成功事例を視察した次第であります。
田辺市は世界遺産でも知られる熊野古道を有する紀伊山地の霊場と言われた
古の風を感じながら神話と出会える美しい町です。
そんな町の中心部にある紀南病院の移転に伴い、市に払い下げになったことをきっかけに
平成14年に跡地利用計画の策定に着手した。そして構想より10年、平成24年2月4日に
文化複合施設としてオープンしたのが、文化交流センター「たなべる」である。
誰もが学び、憩い、情報を活用出来る暮らしの中の文化施設をコンセプトに
世代を超えた多くの市民が集い、憩い、交流出来る場として、
田辺で学べる「たなべる」を図書館と歴史民族資料館を併設した施設として建設された
館内はとても明るく清潔感があり、周りの環境と一体化したゆとりある空間を形成していた。
特にも、この施設では子どもたちの読書活動の推進や子育て支援に重点を置いた取り組みをしており、絵本コーナーや
お話の部屋、子育て広場などを設置し、親子連れでも気軽に利用出来るよう、工夫されていた。
もちろん、大人にとっても一般開架コーナーや学習コーナー、読書・調査相談カウンター、視聴覚コーナー等
充実しており、軽読書コーナーでは、ゆったり寛ぎながら、読書が楽しめる空間が用意されていて
実に快適な読書ライフが楽しめる施設になっていました。
もちろん、歴史民族資料館との併設と言うkともあり、相互の利用者の相互乗り入れにも期待がかかる。
先日私が私的行政視察で訪れた函館中央図書館や、県内に於ける最先端の図書施設、オガールプラザでも言えることだが、
これからの公共施設は、複合的な文化施設が基本的な方向性と言えそうです。
今後花巻市に於いても、中心市街地の活性化を図りつつ、文化交流の拠点施設としての使命を持った中央図書館の建設を
急ぎたいものであります。今後、構想締結までのプロセスにこのような先進的な施設の成功例を是非参考にしていきたいものです。
視察3日目の午前中は、兵庫県明石市に於ける「いじめ問題」や「不登校対策」についての研修でした。
先の大津市の中学生のいじめによる自殺問題は、大きな社会問題に発展しましたが、これは単に対岸の火ではなく
全国どこでも起こりうる痛ましい事件です。そんな中、教育委員会を中心に官民一体となった明石市の取り組みは
非常に踏み込んだ内容となっており、実に見事な成果をあげていました。
まず、いじめ問題への取り組みであるが、いじめは、重大な人権侵害であり、絶対に許されない行為であるとの
認識のもとに、「するを許さず、されるを責めず、第三者(観衆・傍観者)なし」をスローガンに、
早期発見、早期対応によりその解決を図っていました。
いじめの本質とは何かを見極め、いじめに対する事細かな対応が目を見張る。
学校や家庭、地域が密接に情報の共有化を図り、いじめを未然に防ぎ、発見後の対応の速さと具体性には驚かされた。
まずは、学校の対応組織に始まり、いじめ発見のための実態調査や情報収集と現状認識の共有化、具体的な対策の検討と
個別の対応、周囲の児童生徒・保護者等への対応、事後の指導、その後の体制の強化など、取り組みは多岐にわたり
その徹底ぶりは、凄まじいものがある。
学校においては、生徒指導委員会の充実を図り、日常的にいじめを未然に防ぐ体制と事後の対応は、実に早い。
保護者や地域とも会報やストップザ不登校ニュース等を通じ、情報の共有化を積極的に図る。
また、大人だけでなく、子ども自身もいじめ対策に参加させるシステムとして、「いじめストップ明石子ども会議」を設立し
日頃から、子ども自身もいじめ撲滅に取り組んでいる。
いじめ発見のアンケート調査も徹底されており、町全体でいじめを起こさせない、許さない体制づくりが進められており、
いじめを未然に防ぎ、もし起こっても早期に対応出来るシステムが完成されていた。
どこかの町のように、いじめとは本来、これこれと定義されており・・・云々などと
寝ぼけたことを言っているのとはまったく訳が違う・・・・。
今、花巻市に足りないものは何か。判った気がする。
それは、物事に蓋をすることではなく、いかに丁寧に対応出来るかと言う
日頃の心構えとシステムの問題である。
特に当市では問題はないと自慢する前に、埋もれている真実に迫るしたたかさを持つべきだろう。
今この瞬間も誰にも言えず苦しんでいる子どもたちに手を差し伸べることが出来るのは私たちしかいないのだから・・・。
最後に、最終日訪問したのが、兵庫県淡路市。
17年前の阪神淡路大震災の記録を後世に伝えようと設置された淡路記念公園には、当時の被災の状況を
克明に記録した資料や震災でズレた断層の跡、また震災の被害状況などが現物や復元資料によって再現されている。
震度7を体験出来る建物もあり、当時の状況を想像するに余りある施設となっていた。
昨年の東日本大震災も同様に、風化させてはならない出来事です。
あの悲惨な事実を忘れることなく、後世に伝える義務が幸いにも残された我々に与えられた使命に違いありません。
震災の復旧・復興には、まだ年月を要するものの、あの記憶を、そしてあの記録をしっかり胸に刻み
二度とこのような被災に合わないような強固なまちづくりを進めたいものです。
震災はいつどこで起こるか判りません。
自分自身、これから出来ることは何か・・・。問いかけながら、
世界に誇れる強くて明るい住みよい花巻を作って参りたいと存じます。
これからも、先進地視察を通じ、豊かな郷土づくりに邁進して参ります。
皆様の尚一層のご支持、ご支援を心よりお願い申し上げ、行政報告に代えさせて頂きます。
有難うございました。
照井
視察2日目は、和歌山県田辺市における図書館の視察でありました。
花巻市は平成18年1月1日に1市3町が合併し、現在市内に4つの図書館を有しておりますが、
中央図書館の位置づけとなる花巻図書館は昭和48年に建てられ、築39年を経過し、老朽化、狭隘化、
立地場所等さまざまな課題を抱えており、花巻図書館整備市民懇話会を通じ、新しい花巻中央図書館の整備について
意見交換を行っているところです。
また、花巻市においても中心市街地の空洞化が進み、新たな活性化策が模索されている現状です。
そこで今回、田辺市の中心市街地活性化計画に基づき建設された図書館を始めとする
複合的な文化施設建設の成功事例を視察した次第であります。
田辺市は世界遺産でも知られる熊野古道を有する紀伊山地の霊場と言われた
古の風を感じながら神話と出会える美しい町です。
そんな町の中心部にある紀南病院の移転に伴い、市に払い下げになったことをきっかけに
平成14年に跡地利用計画の策定に着手した。そして構想より10年、平成24年2月4日に
文化複合施設としてオープンしたのが、文化交流センター「たなべる」である。
誰もが学び、憩い、情報を活用出来る暮らしの中の文化施設をコンセプトに
世代を超えた多くの市民が集い、憩い、交流出来る場として、
田辺で学べる「たなべる」を図書館と歴史民族資料館を併設した施設として建設された
館内はとても明るく清潔感があり、周りの環境と一体化したゆとりある空間を形成していた。
特にも、この施設では子どもたちの読書活動の推進や子育て支援に重点を置いた取り組みをしており、絵本コーナーや
お話の部屋、子育て広場などを設置し、親子連れでも気軽に利用出来るよう、工夫されていた。
もちろん、大人にとっても一般開架コーナーや学習コーナー、読書・調査相談カウンター、視聴覚コーナー等
充実しており、軽読書コーナーでは、ゆったり寛ぎながら、読書が楽しめる空間が用意されていて
実に快適な読書ライフが楽しめる施設になっていました。
もちろん、歴史民族資料館との併設と言うkともあり、相互の利用者の相互乗り入れにも期待がかかる。
先日私が私的行政視察で訪れた函館中央図書館や、県内に於ける最先端の図書施設、オガールプラザでも言えることだが、
これからの公共施設は、複合的な文化施設が基本的な方向性と言えそうです。
今後花巻市に於いても、中心市街地の活性化を図りつつ、文化交流の拠点施設としての使命を持った中央図書館の建設を
急ぎたいものであります。今後、構想締結までのプロセスにこのような先進的な施設の成功例を是非参考にしていきたいものです。
視察3日目の午前中は、兵庫県明石市に於ける「いじめ問題」や「不登校対策」についての研修でした。
先の大津市の中学生のいじめによる自殺問題は、大きな社会問題に発展しましたが、これは単に対岸の火ではなく
全国どこでも起こりうる痛ましい事件です。そんな中、教育委員会を中心に官民一体となった明石市の取り組みは
非常に踏み込んだ内容となっており、実に見事な成果をあげていました。
まず、いじめ問題への取り組みであるが、いじめは、重大な人権侵害であり、絶対に許されない行為であるとの
認識のもとに、「するを許さず、されるを責めず、第三者(観衆・傍観者)なし」をスローガンに、
早期発見、早期対応によりその解決を図っていました。
いじめの本質とは何かを見極め、いじめに対する事細かな対応が目を見張る。
学校や家庭、地域が密接に情報の共有化を図り、いじめを未然に防ぎ、発見後の対応の速さと具体性には驚かされた。
まずは、学校の対応組織に始まり、いじめ発見のための実態調査や情報収集と現状認識の共有化、具体的な対策の検討と
個別の対応、周囲の児童生徒・保護者等への対応、事後の指導、その後の体制の強化など、取り組みは多岐にわたり
その徹底ぶりは、凄まじいものがある。
学校においては、生徒指導委員会の充実を図り、日常的にいじめを未然に防ぐ体制と事後の対応は、実に早い。
保護者や地域とも会報やストップザ不登校ニュース等を通じ、情報の共有化を積極的に図る。
また、大人だけでなく、子ども自身もいじめ対策に参加させるシステムとして、「いじめストップ明石子ども会議」を設立し
日頃から、子ども自身もいじめ撲滅に取り組んでいる。
いじめ発見のアンケート調査も徹底されており、町全体でいじめを起こさせない、許さない体制づくりが進められており、
いじめを未然に防ぎ、もし起こっても早期に対応出来るシステムが完成されていた。
どこかの町のように、いじめとは本来、これこれと定義されており・・・云々などと
寝ぼけたことを言っているのとはまったく訳が違う・・・・。
今、花巻市に足りないものは何か。判った気がする。
それは、物事に蓋をすることではなく、いかに丁寧に対応出来るかと言う
日頃の心構えとシステムの問題である。
特に当市では問題はないと自慢する前に、埋もれている真実に迫るしたたかさを持つべきだろう。
今この瞬間も誰にも言えず苦しんでいる子どもたちに手を差し伸べることが出来るのは私たちしかいないのだから・・・。
最後に、最終日訪問したのが、兵庫県淡路市。
17年前の阪神淡路大震災の記録を後世に伝えようと設置された淡路記念公園には、当時の被災の状況を
克明に記録した資料や震災でズレた断層の跡、また震災の被害状況などが現物や復元資料によって再現されている。
震度7を体験出来る建物もあり、当時の状況を想像するに余りある施設となっていた。
昨年の東日本大震災も同様に、風化させてはならない出来事です。
あの悲惨な事実を忘れることなく、後世に伝える義務が幸いにも残された我々に与えられた使命に違いありません。
震災の復旧・復興には、まだ年月を要するものの、あの記憶を、そしてあの記録をしっかり胸に刻み
二度とこのような被災に合わないような強固なまちづくりを進めたいものです。
震災はいつどこで起こるか判りません。
自分自身、これから出来ることは何か・・・。問いかけながら、
世界に誇れる強くて明るい住みよい花巻を作って参りたいと存じます。
これからも、先進地視察を通じ、豊かな郷土づくりに邁進して参ります。
皆様の尚一層のご支持、ご支援を心よりお願い申し上げ、行政報告に代えさせて頂きます。
有難うございました。
照井