湯原修一の歓喜悦慶と聊かの慷慨憂愁, etc.

いつとはなしに眠りにおち微風を禿頭に感じて目が覚める。
このような生活に変わったらブログが更新されないかもしれません。

♥ 予防にも応報にもならない(?)情状酌量判決

2016年06月24日 11時17分58秒 | 紫苑色の重い思い[慷慨憂愁]
昨年11月に埼玉県で起きた親子無理心中事件で
一人生き残った被告○○○○さんへの
地裁判決が下りました。

 懲役4年(求刑:懲役8年)の実刑判決でした。

  殺人の法定刑下限は5年なので、
  酌量減軽が適用されたことになっています。
  弁護側は執行猶予付を求めていましたが、
  懲役3年を超えているので
  執行猶予がついていません。

   あり得ないことかもしれませんが、
    被告人が精神的に立ち直って
    再出発できるようにするため、
    規則正しく落ち着いた生活環境の中に
    しばらくおいてあげたほうがよいという、
    裁判長(裁判員)の深謀があったのかも ・・・


介護が必要な母親と体調が悪化した父親と、
助け合って倹しく生きてこられた家族だったようです。
心が痛む事件でした。


2000年から施行された介護保険制度ですが、
ある統計によれば、2000年~2013年における
親族による介護に関わる殺人は
年間20件(死者20人)以上で推移しており
減っていないそうです。

  刑罰の主目的は予防のため(本質としては応報(?))
  ということだと思いますが、今回の実刑判決は
  その目的に適ったものだったのでしょうか?  
  なおすべきは被告人の心なのでしょうか?


・・・・・・・・・・・ ギャラリー 051 (深遠な絵) ・・・・・・・・・・・

                  ライセンス(5点とも): (パブリック・ドメイン)

  何れも
  「カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ」さんの絵です。
     (Caspar David Friedrich)

            "※" の文は私がイイカゲンに加えたもので、
              絵の感想・説明などではありません。


 ■タイトル:氷の海(The Sea of Ice(The Wreck of Hope))

 ・制作年:1823年 - 1824年
 ・収蔵:ハンブルク美術館<ドイツ ハンブルグ>


 ■タイトル:雪の中の巨人塚(Cairn in Snow)

 ・制作年:1807年
 ・収蔵:ノイエ・マイスター絵画館<ドイツ ドレスデン>

   ※人里離れた山の中で
     誰の目にも触れることなく支え合ってきた3本の木


 ■タイトル:教会のある冬の風景(Winter Landscape with Church)

 ・制作年:1811年
 ・収蔵:ナショナル・ギャラリー<ロンドン>

   ※暖かい施しのスープがある教会までは
     辿り着けなかったようです。


 ■タイトル:ユーノー神殿、アグリジェント(Temple of Juno, Agrigento)

 ・制作年:1828年 - 1830年
 ・収蔵:オストバル美術館<ドイツ ドルトムント>

   ※ユーノー神殿は、家庭と結婚の守り神に捧げられた神殿で、
     結婚の儀式が執り行われていた場所だそうです。
     華やかなりし頃は遠い昔かもしれませんが、
     遺跡として残っているようなので、まだ結婚式に使えそうです。


 ■タイトル:窓辺の婦人(Woman at a Window)

 ・制作年:1822年
 ・収蔵:旧国立美術館<ベルリン>

   ※模範囚としてすごし、
     早く扉の外での新しい生活が
     始められますように ・・・

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