柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

ネットのデマって、スゴいね。

2014年11月06日 10時37分47秒 | 日記

わたしに関する様々なデマが流れています。

経済的に余裕ができたら、法的な措置を講じようと思っています。

ここ数日、もっともらしく流れているのは、

「柳美里の貧乏話は脚色」

「波瀾万丈を演出して、話題作りをしている」

「柳美里はギャンブル狂でギャンブルで大金を擦っている」

「豪華な生活をアップしていたブログがあったのに消えている」

というようなものですね。

 

★「柳美里の貧乏話は脚色」「波瀾万丈を演出して、話題作りをしている」

脚色はしていません。

ブログなどで余りあからさまに書くと、各方面にご迷惑をかけるので、かなり抑えています。

書けないことが、たくさんあるのです。

来年3月に、双葉社から「貧乏」に関するエッセイ集を出す予定なので、それを読んでください、としか今は言えませんね。

 

★「柳美里はギャンブル狂でギャンブルで大金を擦っている」

ギャンブルは、高校を1年で放校処分になり、役者として東京キッドブラザースの舞台に立っていた10代のころに、競馬やチンチロリンやポーカーをやりましたね。

20歳過ぎてからは、一切やっていません。依存しやすい性格なので、ギャンブルに手を出したら、わたしは破滅します。

 

★「豪華な生活をアップしていたブログがあったのに消えている」

これは、なんなんでしょう?

わたしが、ブログをはじめたのは、2002年11月4日に自殺をしたらばるすさんの29回目の誕生日である、2004年1月7日からです。

ホームページをリニューアルしたりして古いブログはHPには残っていませんが、

日経BP社から出版した『名づけえぬものに触れて』にまとめてあるので、読んでください。

そして、『新潮45』に2002年1月号~2007年7月号まで「交換日記」を連載し、生活のあれこれは事細かに書いてあります。

この連載は、新潮社から出版した『柳美里不幸全記録』(←わたしが付けたタイトルではありません)に全部掲載されているので、読んでみてください。

日記は、『新潮45』の連載が終了した翌月の2007年8月号~2014年9・10合併号まで、『創』で「今日のできごと」というタイトルで連載していました。

この10年間は子どもも小さかったし、精神科に通院し投薬治療も受けていたし、2011年からは福島県の南相馬、南会津郡の只見町、群馬県吾妻郡の八ツ場ダム予定地に通いつづけているので――、「豪華な生活」をブログで読んだひとって、いったい、どの記述のことを言っているのでしょうか?

疑問に思ったら、デマを流す前に、図書館に行って、本を探して、読んでみればいいんだよね。

デマを流すひとのなにが嫌かって、調べればわかることなのに、その手間ヒマを惜しむこと。

怠惰なところが、嫌だ。

「『命』などの印税は1億近くあったはずで、それはサラリーマンの平均生涯賃金の半分」という藤田直哉氏のツイート@naoya_fujitaも141回公式RT(非公式RTを含めるともっと)されています。

確かに、『命』『魂』『生』『声』の4部作は映画化もされて、累計100万部のベストセラーとなりました。

印税は累計で1億近くありましたね。

日本の場合、累進課税で4割は税金で持って行かれるので、約6000万円ということになります。

それこそ、お金の話も『命』4部作に書いてあるので読んでほしいんですが、

15年間付き合い、14年前に54歳で亡くなった東由多加の癌闘病に大変お金がかかったのです。

東にあるのは借金だけでした。貯金はゼロだったのです。医療保険にも加入していませんでした。

最初は国立がんセンター中央病院に入院して抗癌剤と放射線治療を受けました。

本人の希望で、入院は1泊43200円の個室にしました。

これも本人の強い希望で、アメリカ・ニューヨークの「「メモリアル・スローン・ケタリング癌センター」で、日本では未承認の抗癌剤治療を受けました。

アメリカの医療保険には加入していなかったので、毎週治療費が500万円かかった、と記憶しています。

通夜・告別式は、東京新宿の千日谷会堂で行いました。

お墓は、東の郷里である長崎県の大浦天主堂の隣にある妙行寺に建てました。

これらの費用を出したのは、わたしです。

わたし、ひとりです。

お金がなかったので、借金をしまくりました。

『命』4部作が売れて、借金を返済できました。

それだけのことです。

『命』4部作が売れなかったら、生まれたばかりの息子をかかえて、わたしは路頭に迷っていたでしょうね。

売れてよかった、と思います。

しかし、『命』4部作が売れたことで鬱になったのも事実です。

そのあたりのことは、『文藝』2007年夏季号(柳美里特集号)で、リリー・フランキーさんとの対談で語っているので、読んでください。

なぜ、東由多加に、そこまでしたのかについては、『命』4部作を読んでください、としか言えません。

わたしの場合、全部書いてあります。

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