柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

飼う人vol.3 イエアメガエル

2016年03月21日 18時43分33秒 | 日記
近頃、わたしは図書館の学習コーナーで仕事をしています。

事件は、3月10日の夕方に起こりました。

わたしは、いつものように図書館で小説を書いていました。
『文學界』編集長の武藤旬さんに、3月10日に渡すと約束していた「飼う人vol.3 イエアメガエル」です。
書きはじめたら、(400字詰原稿用紙)200枚弱ぐらいになりそうなので、とりあえず、書けた分80枚を送ろうと(期日だし)画面から全文を切り取ったんです。
わたしは最近、筆記具をパソコンからiPadに換えていました。
iライターズというアプリです。
武藤さんへのメールに小説を添付しようとしたら、出ない。
どうやっても、出ない――。
誤操作で全文削除してしまったのです。

急いで珍念さんに駆け付けてもらい、あらゆる操作をやってもらいましたが、駄目でした。
10日は寝るまで、「やばいぃ」「困ったぁ」「つらいぃ」と呻き、涙ぐんでいました。

しかし、いくら泣いても消えた小説は戻ってきません。
別のアプリに残っていた執筆前のメモを元に書き直しはじめた矢先、息子が40℃近い熱を出し、緊急入院――。

19日までに、病院の廊下や待合室や病室などで書き直した小説が50枚。
20日は仙台でシンポジウム。
今夜から「イエアメガエル」執筆を再開します。
明日22日も一日「イエアメガエル」を書きます。
23日は、連載エッセイを書きます。
24日、25日は、6月に河出書房新社より出版予定の『ねこのおうち』初校ゲラに手を入れなければなりません。
26日に「イエアメガエル」に戻ります。
プロット通りに行けば、全体で170枚の小説なので、あと120枚です。

『文學界』6月号(5月7日発)掲載には、間に合うと思います。
間に合うように、書き進めます。

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本日退院!

2016年03月21日 16時51分51秒 | 日記
16歳息子、一昨日(19日)から流動食を口にすることができるようになりました。

気が気ではなかったのですが、20日は、仙台の「メディアテーク」で、「東北文学フェスティバル―東日本大震災から5年 東北から文学を考える」というイベントがあり、作家の熊谷達也さん、詩人の和合亮一さん、評論家の若松英輔さんと共にシンポジウムに出席しなければならなかったのです。

仙台のホテルに一泊して、いくつかの用事を済ませ、1時15分あおば通り駅発の東北アクセスの高速バスに乗りました。
南相馬市役所前に到着したのは、2時45分。
息子は、2時に退院していました。

なんだか痩せたような気がする。

一週間以上風呂に入っていないので、まず風呂に入りたいそうです。

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南相馬市立病院に入院

2016年03月21日 16時33分58秒 | 日記
16歳息子、13日の日曜日に40度近い熱を出て、南相馬市立病院の救急窓口に電話したところ、インフルエンザかもしれない、ということで、近所の内科クリニックを紹介されました。
すぐにクリニックに連れて行き、インフルエンザ検査をしましたが、陰性。発熱直後は陰性になる場合があるとのことで、翌日再度検査するも、陰性。この間風邪薬を処方していただいていたのですが、高熱は一向に下がらりませんでした。
40℃近い熱が出ている間、意識混濁に加えて幻覚や錯覚に囚われる譫妄状態が続き、窓から飛び降りたらどうしよう、階段から転げ落ちたらどうしよう(我が家の階段は梯子のように狭く急です。しかも息子は身長186cm……)と、わたしは寝ずの番をしていました。
15日水曜日の朝、遂に下血がありました。クリニックに連れて行くと、ただちに市立病院に入院したほうがいい、と紹介状を書いていただきました。

市立病院に入院し、点滴、血液検査、造映剤CT、検便で細菌培養などを行い、サルモネラ菌感染による出血性腸炎だということが判明しました。

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