吉川英治の原作「新・平家物語」を映画化したものという。
それはその通りなのだが、映画の内容は「Young Kiromori」=「若き日の清盛」といったもので、吉川の作品を通して映画化したものではない。
しかし一般に「平清盛」といえば、奢る平家を象徴する悪者で歴史上の役割も正当ではない中、この映画は平安末期、武家の台頭という歴史背景をも取り入れつつ「若き日の清盛」を見せてくれる貴重な映画だ。
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日本初の総天然色映画「地獄門」がデジタルリメイクされて、NHKに登場。
本邦初の「色つき映画」ということで気合いが入ったようだ。衣笠監督の色の演出が入念で、結果的にそれが日本人の色彩感覚、美的センスを海外に知らせることになり、
本作はアカデミー賞にて衣裳デザイン賞(和田三造)と名誉賞(外国語映画賞)を受賞し、
カンヌ国際映画祭でもグランプリを受賞した。
但しそれだけではない。
原作が菊地寛の . . . 本文を読む
「英国王のスピーチ」という映画、
アカデミー作品賞を獲るにふさわしい物語(脚本)に仕上げるには許される範囲内なのだろうか、内容面でジョージ6世をやや美談化し過ぎた感じがする。
しかしそれよりも一番に思うこと。
イギリス人は大英帝国時代に築いた伝統なのか、シェクスピアを生んだ誇りなのか、言語問題に関心が強い。というか、英語を喋ることに優越感を持っている。
今回の映画でジョージ6世の吃音を治す . . . 本文を読む