シニア花井の韓国余話

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公共機関の債務、初めて政府債務上回る

2012年05月02日 21時42分25秒 | Weblog
  韓国大手紙・朝鮮日報12年5月1日記事抜粋
韓国では昨年の貯蓄銀行破綻や大規模な国策事業推進により、公共部門の負債が急増し、2007年に統計を取り始めて以来初めて、公共機関の債務が政府債務を上回ったことが分かった。
 企画財政部(省)は4月30日、昨年の公共機関経営情報公示を行い、286の公共機関の負債が463兆5000億ウォン(約32兆7000億円)に達し、中央政府と地方自治体を合わせた政府債務の420兆7000億ウォン(約29兆7000億円)を上回ったと発表した。公共機関の負債は国際会計基準(IFRS)が適用されており、政府債務に関しては、IFRS適用による数字が今年末からまとめられるが、企画財政部は数値に大きな変動はないとみている。
 公共機関の債務が急増したのは、政府が負うべき支出を公共機関が肩代わりした影響が大きい。破綻した貯蓄銀行を支援した預金保険公社の負債は13兆3000億ウォン(約9400億円)増加。マイホーム取得支援「ポグムジャリ住宅」の事業推進、行政都市・世宗市の建設、四大河川事業などの費用を負担した韓国土地住宅公社、韓国水資源公社の負債は、それぞれ9兆ウォン(約6400億円)、4兆5000億ウォン(約3200億円)増えた。庶民生活の安定を図るため、公共料金を引き上げられなかった韓国電力公社、韓国ガス公社の負債もそれぞれ10兆4000億ウォン(約7300億円)、5兆7000億ウォン(約4000億円)増加した。公共機関全体で昨年は負債が前年比20%も増加した。
 企画財政部は、公共機関の資産は698兆9000億ウォン(約49兆4000億円)で、負債をはるかに上回っており、負債には未来の発展に向けた海外資源開発や社会間接資本の整備に充てた投資もかなり含まれていると説明した。
 しかし、公共機関が債務を返済できなければ、負担は国民の血税で埋めざるを得なくなる。その意味では、膨らむ債務はいつ爆発するか分からない時限爆弾のようなものだ。格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは4月2日、「韓国は07年以降、非金融部門の公共機関の債務が増加しており、懸念される。公共機関の債務の相当部分が社会基盤施設や社会福祉、特に庶民向け住宅供給に使われた」と指摘した。
 財政の専門家は、公共機関の負債増加ペースが資産の伸びを上回っている点に注目している。07年に472兆3000億ウォン(約33兆4000億円)だった公共機関の資産は、昨年には1.5倍となった。一方、負債は07年に比べ、1.8倍増えた。政府債務が国民総生産(GDP)に占める割合が30%台にとどまっているとはいえ、公共機関の負債を考えると、韓国の財政健全性は悪化していることになる。
 それにもかかわらず、公共機関の放漫経営は旧態依然だ。韓国農漁村公社の役員は、カラ出張で横領した公金でゴルフをしていたほか、経費を寄付金として会計処理し、税額控除を受けるなどの不正を繰り返し、首相室に昨年、摘発された。政府系企業のグループ会社は昨年の42社から今年は91社に増えた。
延世大の金正(キム・ジョンシク)教授(経営学)は「公共機関で労組が結成され、高賃金の職員が増え、赤字が生じると、巨額の外貨を借り、海外投資で穴埋めしようという悪循環に陥る。公共機関の余剰職員を減らすとともに、無分別な海外投資を禁止すべきだ」と指摘した。




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