シニア花井の韓国余話

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金正恩氏、軍幹部を突然解任

2015年08月31日 12時11分46秒 | Weblog
 朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は同党中央軍事委員会拡大会議で、軍事委員の一部を解任、あるいは新たに任命するなど、組織の問題を取り扱っていたことが分かった。朝鮮中央通信が8月28日に報じた。北朝鮮で「組織」の問題と言えば、それはすなわち人事を意味する。
 今月初めに非武装地帯(DMZ)で木箱地雷(木製の箱型対人地雷)を爆発させ、さらに砲撃による挑発を行うなどし、韓国側が拡声器による(北朝鮮向けの)宣伝放送を再開するなど突然の緊張状態を引き起こした問題に加え、準戦時状態宣布を受けた命令の実行が不十分と指摘された一部の軍幹部に対し、責任を追及する形で今回の人事が行われたようだ。
 北朝鮮の複数のメディアは通常、金正恩氏の動静を1日遅れで報じている。このことから推測すると、この会議は27日に招集されたものとみられる。金正恩氏は今月20日にも朝鮮労働党中央軍事委員会非常拡大会議を開催し、その場で「準戦時状態」を宣言したが、それからわずか1週間後、公の席に再び姿を現して軍幹部らを突然解任した。
 党中央軍事委員会は朝鮮人民軍の最高指導機関であり、金正恩氏が委員長を務めている。総参謀長や陸海空各軍の司令官など、軍を実際に動かす幹部に加え、公安機関のトップなどもこの委員会に名を連ねている。
 北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋は「今のところ誰かが更迭あるいは粛正されたという情報は正確に把握できていないが、対象となっているのが軍のトップに近い人物なのは確かだ」とした上で「該当する軍団の指揮に責任を持つ李永吉(リ・ヨンギル)総参謀長や、対南工作の総責任者である金英哲(キム・ヨンチョル)偵察総局長などの責任が追及されるのではないかと注目している」と予想した。北朝鮮の指導層の間では「李永吉や金英哲らが中心になって行った軍事挑発が失敗し、最高尊厳(金正恩氏)に迷惑をかけた」という雰囲気が高まっているという。
 とりわけ今回の軍関係者に対する人事の影響で、北朝鮮で朝鮮人民軍の立場が弱まった場合、対南事業の主導権確保に向けて軍と争ってきた朝鮮労働党統一戦線部の立場が強まることが予想される。統一戦線部の部長は金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党書記が務めている。韓国統一部(省に相当)の元官僚は「金正恩氏が今後、対話推進派として知られる統一戦線部を後押しするようになれば、韓国統一部と北朝鮮の統一戦線部とのラインが本格稼働し、先日の高官協議での合意(8・25合意)を実際に履行するに当たっても大きな力になるだろう」との見方を示した。
 一方、上記の拡大会議で金正恩氏は8・25合意について「民族の運命について懸念し、平和を大切に思う崇高な理念の勝利」「禍転じて福となしたこの合意を、大切に考えて豊かな結実を実らせなければならない」と述べたという。
李竜洙(イ・ヨンス)記者
韓国大手新聞 朝鮮日報15年8月29日記事抜粋



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