シニア花井の韓国余話

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韓国の禁煙法、逆切れ喫煙者のせいで有名無実化

2013年07月30日 23時20分02秒 | Weblog
韓国大手新聞 朝鮮日報13年7月28日記事抜
 「ただでさえ頭に来るのに、何でお前まで。腹が立って、気分転換にたばこ吸ったのに、何で捕まえるんだ」
 6月末、ある義務警察官(兵役の代わりに警察に勤務する)は、ソウル恵化警察署(鍾路区)の前でたばこを吸っていた男性に「ここは禁煙区域だ」と告げたところ、罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせられた。被疑者として事情聴取を受けた男性が、義務警察官に対しうっ憤晴らしをしたのだ。一方、この義務警察官はその後、喫煙者を注意したことはないという。「警察署の職員たちも喫煙者に対し何もしないし、区役所や保健所による取り締まりも見たことがない」とこの義務警察官は話した。
 保健福祉部(省)は昨年12月8日、いわゆる「禁煙法」により、全国のすべての公共機関や医療機関の建物、広場、駐車場などの施設全体を禁煙区域に指定したが、警察署や検察庁、裁判所など司法手続きに関連する機関や大規模な病院など、何らかの事情がある人たちが集まる場所は、事実上の「喫煙区域」になってしまった。
 本紙が7月22日、ソウル北部地裁や同北部地検、城北警察署を取材した際にも、建物の周辺のあらゆるスペースで、人々が堂々とたばこを吸っていた。灰皿や吸い殻入れもあちこちに置かれていた。たばこを吸うのを制止する職員は一人もいなかった。ソウル大学病院(ソウル市鍾路区蓮建洞)の患者向けの散歩道は禁煙区域に指定されているが、患者だけでなく家族も、ベンチに腰掛け当たり前のようにたばこを吸っていた。
 問題は、公共機関の職員には原則として、喫煙者を制止する権限がないということだ。喫煙の取り締まりは保健所の担当者だけが行えるようになっている。かつては警察が喫煙を取り締まることができたが、今年3月の軽犯罪処罰法の改正に伴い、その権限は地方自治体(保健所)に移管された。病院や裁判所、検察庁などの職員たちは、管轄する保健所に苦情を申し立てるという方法でしか、喫煙者を制止することができない。だが、保健所の職員が現場に出動するまで、喫煙者が待っているはずはない。
公共機関の職員たちは「取り締まりの権限がないことも問題だが、感情的な問題がより大きい」と口を揃えた。下手に注意したところで汚い言葉で言い返されるのは目に見えているため、喫煙を制止できないというわけだ。ソウル南部地裁のある職員は「すぐに身柄を拘束されるかもしれない人に『たばこはあちらで吸ってください』と言ったところで、頬を引っ叩かれるのがおちだ」と語った。また、ソウル大学病院広報班の職員は「精神的な苦痛のため、たばこで気を紛らそうとする患者や家族を制止することは現実的に難しい」と話した。
 保健福祉部や管轄する区役所、保健所が積極的な取り締まりを行わないため、公共機関での禁煙が有名無実化している、と指摘する声も出ている。
 政府は周知期間を経て、7月1日から、面積150平方メートル以上の公共機関などでの喫煙に対する取り締まりに本格的に着手した。だが、禁煙法施行から8カ月、本格的な取り締まりが始まって20日ほどたった現時点で、ソウル市内の警察署や検察庁、裁判所などで取り締まりが行われたことはほとんどない。
 地方裁判所や地方検察庁があるソウル市広津区、麻浦区、道峰区で、喫煙に対し過料を徴収した件数は全体で1-2件にすぎず、公共機関での喫煙に対する取り締まりは全くなかった。また、今年に入り喫煙に対し過料を徴収した件数が1万637件に上る瑞草区は、公共機関での摘発件数は23件だったが、これは全て同区役所内で摘発したケースだ。
鍾路保健所のある職員は「喫煙に対する取り締まりを担当する職員が2人しかいないため、飲食店を摘発するだけで精一杯だ。それでも、公共機関や病院はほかの建物に比べ禁煙が守られているため、取り締まりをそれほど行っていない」と釈明した。一方、保健福祉部の関係者は「これまでは室内での喫煙の取り締まりに集中してきたが、今後は屋外での喫煙の取り締まりにも積極的に取り組み、さらなるPRも行っていく方針だ」と語った。

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