シニア花井の韓国余話

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世界の水産業の危機…韓国で乱獲問題などを考えるシンポ

2013年08月31日 14時00分23秒 | Weblog
韓国大手新聞 中央日報13年8月29日記事
「魚は人類が誕生して以来、生きるための重要な基盤でした。持続可能な水産業がない世の中は災難にあうでしょう」。
8月28日ソウル蚕室(チャムシル)のロッテホテルで開かれた「第3回KNFC国際水産シンポジウム」参加のために訪韓した米カリフォルニア大学人類学科のブライアン・ペーガン名誉教授(77)は、水産業で最も緊急な当面の課題に“乱獲”を挙げた。彼は「問題は人々が乱獲を深刻だと考えていない点」と付け加えた。
ペーガン教授は先史学の権威者で、著書『金曜日には魚』(2004年)、『青い地平線の向こう側』(2012年)などを通して海と水産業の歴史を紹介してきた。
水産業協同組合中央会(KNFC)と国際協同組合連盟(ICA)水産委員会が共同主催したこのシンポジウムには、ペーガン教授をはじめ中国大連海洋大学のバオ・テリコンバイ教授、ソウル大学人類学科のチョン・ギョンス教授ら各国の知識人が参加して水産業の懸案と未来について議論した。
ペーガン教授は人類が漁業を始めたころを約3万年前、氷河期の後半と推定した。養殖は2000年前に地中海で始まったという。「2000年前のローマ時代に魚の消費量が増える中で養殖が始まりました。当時、晩餐には大きなボラ1匹が必ず出されなければならなかったのです。キリスト教が伝播して以降、魚の消費量はさらに増えました。イエスが十字架で苦難にあったことへの罪悪感のため聖金曜日など各種の聖日には肉類を禁止し、1年の半分は魚を食べなければならなかったのです」。
地球温暖化により魚類資源の分布が変化している状況も憂慮した。「魚類資源は海水温度の変化に敏感です。現在、地球はますます暑くなっていて、いつまでどれほど暑くなるかは確かではありません。人間の活動も温暖化に大きな影響を与えています」。
考古学者である彼が海に関心を持つようになったのは、幼少期の体験からだ。8歳の時、漁夫であった父親の友人から船と航海について学び、それ以後海への関心は尽きることがなかった。1人で衛星航法装置(GPS)なしに英国から大西洋を渡って米国まで航海もした。
「人口増加と都市の発達で魚の消費量が急激に増加している」と話すペーガン教授は、乱獲により漁場が荒廃したケースを歴史の中で簡単に確認できるといった。一時はバケツですくって魚を捕まえられほど魚類資源が豊富だった米国のニューファンドランド地方を例に挙げた。人々がここに集まってきて当時人気だったタラを捕るようになり、この海ではタラ種が滅びた。スペイン近海で簡単に捕ることができたマグロを今では遠洋まで出て行かなければ捕れなくなったのも、乱獲の結果だといった。
「乱獲を防ぐためには教育が必要です。魚はそのままスーパーマーケットで売られている商品ではありません。漁夫が海に出て行って生命の脅威を押し切って手に入れる限られた資源だということを、一般の人たちに知ってもらわなければなりません。このままでは私たちの子孫は魚を食べることができなくなるでしょう」。
彼はこの日、インタビュー後のシンポジウム基調演説で「韓国が、水産業の当面の問題を解決しようと努力しているのを見て深い感銘を受けた」として「水産業危機の解決には、若者たちが乗り出していかなければならない」と強調した。シンポジウムには釜山(プサン)の釜山経済大学や晋州(チンジュ)の慶尚(キョンサン)大の学生約70人が参加した。
この日の行事にはユン・ジンスク海洋水産副長官、インドネシアのウィビソノ・ウィヨノ漁業者協同組合連合会長、カール・クリスティアン・シュミット経済協力開発機構(OECD)水産政策局長ら約300人が参加した。イ・ジョング水産協同組合中央会長は「国家間の境界は存在するが、水産物には国籍がない」として「全世界が共に額を突き合わせて未来を考えれば、水産業の持続的な成長発展の土台をつくることができる」と話した。




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