今回のことは大旦那に「なんとしても女性棋士を誕生させろ」と札束で棋士たちが頬を殴られた様な出来事だったんだと思う。
「もっと多くの女性を取り込んで将棋界を発展させる」というのが大義名分なんだろうけど、特例での誕生はプラスよりマイナスの方が大きいのではないかと私は思っていた。
世間からプロ棋士は「天才の集まり」とか「東大に入るより難しい」とか言って頂けるのは、年に四人しか誕生させないという過酷さが根拠となっている。
その世間からの尊敬や羨望の立場を自ら捨てるような行為になるのではと心配していた。
女性の元奨は、ほとんど全員女流棋士となって将棋界で活躍している。三段までいったお二人はタイトルを分け合い数千万の収入があると思われ、これは棋士の中でもトップ10に入る。
男性の元奨は将棋界を去らねばならないのにだ。
棋士の立場の劣化や、男性元奨・現役奨励会員の気持ちなどを考えると今回の決定は諸手を挙げて喜べない。
女性だけの特例をつくるのではなく、いっそ公式戦6割5分で編入試験なしでフリークラス入りでいいのではないかと思う。
しかしながら、もう棋士たちが決めてしまったのだから、私たちファン(親?)は信じてついていくしかない。
綺麗な和装のお姉さんがあの藤井聡太からタイトルを奪取する姿を見たら、心躍らせる少女たちはたくさんいるはずだ。