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弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログです。

残業代込みの月給や日当

2011-06-27 | 日記
Q86  割増賃金に関し,使用者と社員が合意することにより,割増部分を特定せずに,残業代込みで月給30万円とか,日当1万6000円などとすることはできますか?

 割増部分を特定せずに,残業代込みで月給30万円とか,日当1万6000円などなどと約束して,社員を雇っている事例が散見されますが,このような賃金の定め方は,トラブルが多く,訴訟になったら負ける可能性が極めて高いやり方です。
 労働契約書,労働条件通知書,給与明細書などで残業代相当額が明示されていないと,通常の賃金にあたる部分と残業代にあたる部分を判別することができないため,残業代が全く支払われておらず,月給30万円,日当1万6000円全額が残業代算定の基礎となる賃金額であると認定されるのが通常です。

弁護士 藤田 進太郎

高額の基本給・手当・賞与,昇給と残業代

2011-06-27 | 日記
Q85  当社は,同業他社よりも高額の基本給・手当・賞与を社員に支給し,毎年,昇給もさせていますので,社員の残業に対しては,十分に報いているはずです。それでも残業代を別途支払う必要はあるのですか?

 それなりに高額の基本給・手当・賞与を社員に支給し,昇給までさせているにもかかわらず,残業代は全く支給しない会社が散見されます。
 社員の努力に対しては,基本給・手当・賞与の金額で応えているのだから,それで十分と,経営者が考えているからだと思われます。
 しかし,高額の基本給・手当・賞与の支給は割増賃金の支払の代わりにはなりませんし,毎月の基本給等の金額が上がれば割増賃金の単価が上がることになり,かえって,高額の割増賃金の請求を受けるリスクが高くなります。
 高額の基本給・手当・賞与は,社員にとって望ましいことなのかもしれませんが,使用者としては,まずは法律を守る必要があります。
 労基法37条の定める以上の割合による割増賃金の支払をした上で,さらに高額の賞与の支給を行うのであればいいのですが,法律を守らずに,残業代の支払を怠った状態で,高額の賞与等を支給するのは本末転倒です。
 支払う順番を間違えたばかりに,高額の割増賃金請求を受けることのないよう,十分に注意して下さい。

弁護士 藤田 進太郎

年俸制と残業代

2011-06-27 | 日記
Q84  年俸制社員については,残業代を支払わなくてもいいのですよね?

 労基法上,年俸制社員について,割増賃金の支払義務を免除する規定はありません。
 使用者が,社員との間で,週40時間,1日8時間を超えて労働した場合であっても残業代を支払わない旨の合意をしていたとしても,労基法の強行的直律的効力(労基法13条)により当該合意は無効となり,法定時間外労働時間に対応した労基法37条所定の割増賃金(及び通常の賃金)の支払義務を負うことになることになりますので,労働契約又は就業規則で,年俸制社員については残業代を支払わない旨規定していたとしても,その支払義務を免れることはできません。
 したがって,年俸額を定めるに当たっては,年俸額のうち何円が割増賃金(残業代)で,何円が通常の賃金なのかを明確に分けて定めるべきと考えます。

弁護士 藤田 進太郎

週40時間,1日8時間を超えて労働した場合でも残業代を支給しない合意の有効性

2011-06-25 | 日記
Q83  週40時間,1日8時間を超えて労働した場合でも残業代を支給しない合意は有効ですか?

 使用者が,社員との間で,週40時間,1日8時間を超えて労働した場合であっても残業代を支払わない旨の合意をしていたとしても,労基法の強行的直律的効力(労基法13条)により当該合意は無効となり,法定時間外労働時間に対応した労基法37条所定の割増賃金(及び通常の賃金)の支払義務を負うことになります。
 したがって,週40時間,1日8時間を超えて労働した場合でも残業代を支給しないとすることはできず(口約束はもちろん,労働者本人のハンコを取っていてもダメです。),残業代を支払わない合意があるから支払わなくても大丈夫だと思って残業代を支払わないでいると,残業代を支払わないことにいったんは納得していた社員が,解雇されたことなどを契機に気が変わって残業代を請求してきたような場合には,使用者は未払となっていた残業代を支払わなければならないことになります。

弁護士 藤田 進太郎

付加金

2011-06-25 | 日記
Q82  付加金とは,どういうものですか?

 使用者が,
① 解雇予告手当(労基法20条)
② 休業手当(労基法26条)
③ 割増賃金(労基法37条)
④ 年次有給休暇取得時の賃金(労基法39条7項)
のいずれかの支払を怠り,労働者から訴訟を提起された場合に,裁判所はこれらの未払金に加え,これと同一額以下の付加金の支払を命じることができるとされています(労基法114条)。
 割増賃金(残業代)請求訴訟においても,付加金の請求もなされるのが通常で,例えば,未払の割増賃金の額が300万円の場合,さらに最大300万円の付加金の支払(合計600万円の支払)が判決で命じられる可能性があるということになります。
 使用者が割増賃金の支払を怠っている場合は,たいていは同額の付加金の支払も命じられることになりますが,付加金の支払を命じるかどうかは裁判所の裁量に委ねられており,全く付加金の支払が命じられないこともないわけではありませんし,未払割増賃金の50%相当額の付加金の支払が命じられるといったこともあります。
 したがって,使用者としては,付加金の支払を命じるのが相当でない事情があるのであれば,その事情を主張立証しておくべきことになります。
 なお,付加金の請求は,違反のあったときから2年以内にしなければならないとされていますが(労基法114条),この期間はいわゆる除斥期間であって時効期間ではないと考えられており,労働者が付加金の支払を受けるためには,2年以内に請求の「訴え」を提起する必要があります。

弁護士 藤田 進太郎

割増賃金の遅延利息の利率

2011-06-24 | 日記
Q81  割増賃金の遅延利息の利率は,退職後は年14.6%という高い利率になるというのは本当ですか?

 割増賃金(残業代)の請求は退職後になされることが多いのですが,退職後の期間の遅延利息は,原則として年14.6%という高い利率になります(賃金の支払の確保等に関する法律6条1項・同施行令1条)。
 厚生労働省令で定める事由に該当する場合には,その事由の存する期間については上記規定の適用はありませんが(賃金の支払の確保等に関する法律6条2項),従来は当該事由に該当するかどうかについて裁判で争点になることはそれほど多くなかったようです。
 しかし,会社側としては,厚生労働省令で定める事由に該当する可能性があるような事案であれば,しっかり主張すべきではないでしょうか。
 特に,「支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し,合理的な理由により,裁判所又は労働委員会で争っていること。」(賃金の支払の確保等に関する法律施行規則6条4号)に該当する場合は,それなりにあるように思えます。

弁護士 藤田 進太郎

大晦日を舞台にした落語『芝浜』に見る江戸庶民の労働観

2011-06-23 | 日記
当事務所のウェイブサイトが,iコラムに掲載されました。

弁護士 藤田 進太郎


江戸時代の職人の勤務時間は日の出から日の入りまでだが、商家の勤め人は夜中まで働いて、これじゃ労働問題?

大晦日を舞台にした落語『芝浜』に見る江戸庶民の労働観
落語に『芝浜』という人気の演目があります。年の暮れが近くなると聞く事が多いのは、この演目が大晦日を舞台にしているからです。怠け者の魚屋が珍しく早起きして、市場の近くの浜辺で大金の入った財布を拾いますが、賢い女房はそれを大家に預けて知らんぷりします。亭主は酔っ払った挙げ句に悪い夢を見たのかと、心を入れ替えて一生懸命に働き、さて迎えた3年目の大晦日。女房は財布を取り出して事の真相を明かして、改心した亭主共々涙にくれるという話。『芝浜』は、江戸時代の働くひとたちの様子を上手に描いてくれます。

商売人や職人より厳しかった勤め人の労働条件
この時代、人々はどんな働き方をしていたのでしょうか。商売人や、左官、大工、とび職といった職人の労働時間は基本的に日の出から日の入りまでおよそ8時間。残業があれば手間賃が割増になったり、天気が悪ければ休みという、わりと余裕のある働きぶりでした。しかし、商家の番頭や手代、小僧など、いまのサラリーマンに当たる勤め人はそうはいきません。大体朝7時から夜7時まで、その日の都合で深夜まで働く事も珍しくなかったようです。労働問題の一つや二つはあったかもしれませんね。

せっかく育てた会社なのに経営者の危機感が希薄、無防備
労働問題といえば、問題社員による身勝手な振る舞い、解雇・退職に関する紛争、賃金の請求トラブル、うつ病やアスベスト死に至るまで、問題はかなり複雑です。会社側のリスク管理の不十分さ、無防備さ、経営者の危機感が希薄なため、問題をこじらせている事態も少なくありません。四谷麹町法律事務所(東京)は、使用者・経営者側専門の弁護士事務所として、問題社員労働審判、団体交渉の対応など、労働問題の予防・解決に取り組んでいます。せっかく育てた会社を大きなリスクにさらしてはなりません。是非一度相談してみては?

割増賃金(残業代)の時効

2011-06-23 | 日記
Q80  割増賃金(残業代)の時効は,何年ですか?

 割増賃金(残業代)の消滅時効は,2年です(労基法115条)。
 したがって,会社を辞めた社員であっても,給料日から2年間は割増賃金(残業代)の請求を受けるリスクがありますし,2年以上勤務していた労働者からの割増賃金(残業代)請求においては,通常は,直近2年分の割増賃金について請求がなされることになります。
 ただ,実際の割増賃金請求は,会社を辞めた後間もない時期になされることが多く,辞めてから1年以上経過してから割増賃金請求がなされることは,それほど多くはありません。

弁護士 藤田 進太郎

除外賃金の種類

2011-06-23 | 日記
Q79  除外賃金にはどのようなものがありますか?

 除外賃金とされているのは,①家族手当,②通勤手当,③別居手当,④子女教育手当,⑤住宅手当,⑥臨時に支払われた賃金,⑦一か月を超える期間ごとに支払われる賃金です(労基法37条5項,労基則21条)。
 除外賃金に該当するかどうかは,名称にかかわらず実質によって判断されますので(昭和22年9月13日発基17号),名称が「家族手当」や「住宅手当」であったとしても,除外賃金ではないと判断されることも珍しくありません。
 「家族手当」は,扶養家族数又はこれを基礎とする家族手当額を基準として算出した手当のことをいいますので,独身社員についてまで支払われていたり,扶養家族数に関係なく一律に支給されていたりする場合は,「家族手当」とは認められず,割増賃金の基礎に入れるべきこととなります(昭和22年11月5日基発231号)。
 また,「住宅手当」は,住宅に要する費用に応じて算定される手当をいいますので,全社員に一律に定額で支給することとされているようなものは「住宅手当」には該当せず,割増賃金の基礎に入れるべきこととなります(平成11年3月31日基発170号)。

弁護士 藤田 進太郎

残業代の計算と諸手当

2011-06-23 | 日記
Q78  当社では,基本給のほか様々な手当を支給していますが,残業代の計算に当たっては,基本給のみを残業代計算の基礎賃金としています。これで大丈夫でしょうか?

 基本給のほか,家族手当,通勤手当,住宅手当等,様々な名目で月給が支給されている場合,割増賃金の算定に当たって,諸手当を除外することはできるのでしょうか?
 労基法は,原則として全ての賃金を割増賃金算定の基礎となる賃金とした上で,労基法37条5項及び労基則21条において,割増賃金の基礎に算入しない賃金(除外賃金)を制限列挙するという態度を取っており,「(月給額-除外賃金)」が割増賃金算定の基礎となる賃金となります。
 したがって,諸手当全てが除外賃金に該当すればいいのですが,除外賃金に該当しないものがある場合には,割増賃金額を計算し直し,不足額を支払わなければならなくなってしまいます。

弁護士 藤田 進太郎

月給制の正社員に関する割増賃金の金額

2011-06-22 | 日記
Q77  労基法上,月給制の正社員に関する割増賃金の金額は,どのように計算することになるのですか?

 労基法上,月給制の正社員の通常の労働時間の賃金は,「(月給額-除外賃金)÷一年間における一月平均所定労働時間数」で算定されることになるのが通常です(労基則19条1項4号)。
 例えば,月給24万円で除外賃金がなく,一年間における一月平均所定労働時間数が160時間であれば,24万円÷160時間=1500円/時が通常の労働時間の賃金となります。
 労基法上の割増率は,法定時間外労働については通常の労働時間の賃金の25%増し(中小企業を除き60時間超の場合は50%増し),法定休日労働については通常の労働時間の賃金の35%増し,深夜労働については通常の労働時間の賃金の25%増しですので,上記の例では,原則として,
法定時間外労働については1500円/時×1.25=1875円/時
法定休日労働については1500円/時×1.35=2025円/時
法定時間外の深夜労働については1500円/時×1.5=2250円/時
法定休日の深夜労働については1500円/時×1.6=2400円/時
で計算した割増賃金を支払わなければならないことになります。

弁護士 藤田 進太郎

平成23年夏期における節電対策のための休日の変更|フレックスタイム制

2011-06-21 | 日記
今年の7月~9月に関し,「平成23年夏期における節電対策のための休日の変更に伴うフレックスタイム制における時間外労働となる時間の計算方法の取扱いについて」が出ています。

弁護士 藤田 進太郎

基監発0621第1号
平成23年6月21日
都道府県労働局労働基準部
監 督 課 長 殿
労 働 時 間 課 長 殿
厚生労働省労働基準局監督課長
(契印省略)


平成23年夏期における節電対策のための休日の変更に伴うフレックスタイム制における時間外労働となる時間の計算方法の取扱いについて


労働基準法(昭和22年法律第49号)第32条の3に規定するフレックスタイム制について、清算期間を1箇月とし、清算期間を通じて完全週休二日制を実施している等の要件を満たす事業場における時間外労働となる時間の計算方法については、平成9年3月31日付け基発第228号(以下「平成9年局長通達」という。)により示されているところである。
本年5月、政府の電力需給緊急対策本部において「夏期の電力需給対策について」が取りまとめられるなど、夏期の節電対策が求められていることを受け、フレックスタイム制を採用している事業場で、同年7月から9月までの期間中に平日の電力使用量の削減を図るため、休日について土曜日又は日曜日のいずれか一方又は双方を平日に変更することが考えられる。
このような変更が行われる期間における休日の総数が減少しないときであっても、変更後の休日の曜日の設定如何によっては、清算期間の29日目を起算日とする1週間における休日が減少する場合があるが、変更後の休日の曜日が異なる事業場間での均衡を考慮し、このような場合における平成9年局長通達の記の2の適用は下記のとおり取り扱うこととするので、了知されたい。

1 次のいずれも満たす事業場については、清算期間の29日目を起算日とする1週間における休日が2日を下回る場合であっても、当該1週間を除き、休日の変更が行われる期間において、必ず毎週2日以上の曜日が休日となること、当該休日の変更により休日の総数が減少しないことが確保されることか
ら、平成9年局長通達の記の2の(1)の③の要件を満たすものと取り扱って差し支えないこと。
① 本年7月から9月までの期間において、平日の電力使用量の削減のため、休日について土曜日又は日曜日のいずれか一方又は双方を平日に変更する事業場であること。
② 本年7月から9月までの期間のうち、休日の変更が行われる期間における休日の総数が当該休日の変更により減少しないこと。
2 上記の取扱いは、本年7月から9月までの期間において、休日の変更を行う月の前月又は変更した休日を元に戻す月の前月におけるフレックスタイム制の時間外労働の計算方法にのみ認められるものであること。

全員参加の研修期間中の年次有給休暇取得の請求に対する拒絶の可否

2011-06-21 | 日記
Q76 全員参加の研修期間中の年次有給休暇取得の請求がなされた場合,会社は研修期間中の年休取得を拒絶することができますか?

 社員からの年休申請に対して,「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合」(労基法39条5項ただし書き)に該当する場合には,会社は請求された時季の年休取得を拒絶し,他の時季に年休を与えることができ,これを時季変更権といいます。
 「事業の正常な運営を妨げる」か否かは,当該労働者の所属する事業場を基準として,事業の規模,内容,当該労働者の担当する作業の内容,性質,作業の繁閑,代行者の配置の難易,労働慣行等諸般の事情を考慮して客観的に判断されることになります。

 研修期間中の年休取得については,これを認めると年休取得日の研修が受けられなくなるという意味で,常に研修受講という業務に支障が生じることになりますが,時事通信社事件最高裁平成4年6月23日判決が「同条の趣旨は,使用者に対し,できる限り労働者が指定した時季に休暇を取得することができるように,状況に応じた配慮をすることを要請しているものと解すべきであって,そのような配慮をせずに時季変更権を行使することは,右の趣旨に反するものといわなければならない」と判示していることからも分かるように,それだけで直ちに時季変更権を行使することができるわけではありません。
 研修期間,当該研修を受けさせる必要性の程度等諸般の事情を考慮した上で,時季変更権行使の可否が決せられることになります。
 具体的には,研修期間が比較的短期間で,当該研修により知識,技能等を習得させる必要性が高く,研修期間中の年休取得を認めたのでは研修の目的を達成することができない場合は,研修を欠席しても予定された知識,技能の習得に不足を生じさせないものであるような場合でない限り,年休取得が事業の正常な運営を妨げるものとして時季変更権を行使することができることになります。
 他方,業務に直接関係のない一般教養の研修等については,時季変更権を行使して研修期間中の年休取得を拒絶することは難しいケースが多いと考えられます。

弁護士 藤田 進太郎

合宿研修の時間と労基法上の労働時間

2011-06-20 | 日記
Q75  合宿研修の時間は,労基法上の労働時間に該当しますか?

 合宿研修は,業務命令により参加が命じられたり,合宿研修に参加しないと何らかの不利益を課されたり,合宿研修に参加しないと業務遂行に必要な知識技能が習得できず,業務に具体的な支障が生じるような場合は,特段の事情のない限り,使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるため,合宿研修に要した時間は,食事時間等の休憩時間や睡眠時間を除き,労基法上の労働時間に該当します。
 研修カリキュラムに組み込まれていない討論等の時間は,業務命令により参加が命じられておらず,参加しなくても不利益が課されず,討論等に参加しなくても業務に具体的な支障が生じない等,本当の意味での自由参加であれば労基法上の労働時間ではありません。
 しかし,自由参加と言いながらも,参加しない場合には何らかの不利益が課される場合や,討論等に参加しないと業務遂行に必要な知識技能が習得できず,業務に具体的な支障が生じるような場合には,労基法上の労働時間となります。

弁護士 藤田 進太郎

資格試験の受験時間,受験準備のための勉強時間,講習会参加の時間と労基法上の労働時間

2011-06-20 | 日記
Q74  資格試験の受験時間,受験準備のための勉強時間,講習会参加の時間は,労基法上の労働時間に該当しますか?

 一定の資格保持者が必要となった等の理由から,会社が,社員に対し,業務命令で資格試験の受験,受験勉強,講習会への参加等をさせた場合や,参加しないと何らかの不利益を課されるような場合は,これらに要した時間は,会社の指揮命令下に置かれた時間と評価できますので,労基法上の労働時間に該当します。
 他方,会社が資格取得を奨励しており,何らかの支援措置を採っていたとしても,会社がそれを強制しておらず,資格試験の受験等をしなくても不利益が課されないような場合は,受験等に要した時間は会社の指揮命令下に置かれた時間と評価することができませんので,労働時間には該当しません。
 また,会社が一定の資格を取得した社員を労働条件面で優遇しているような場合も,資格を取得していない社員を不利益に取り扱っているわけではありませんので,資格試験の受験,受験勉強,講習会への参加等に要した時間は,労基法上の労働時間には該当しません。

弁護士 藤田 進太郎