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弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

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法内残業の残業代不払についての意見

2011-06-07 | 日記
Q57  所定労働時間が7時間の事業場において,1日8時間までの時間帯(1時間分)の法内残業について,残業代を支払わない扱いにすることについて,どう思いますか?

 理屈では法内残業については残業代を支給しない扱いにすることができるとしても,所定労働時間を超えて働いたのに上乗せ賃金が支給されないというのはトラブルの元ですから,やめた方がいいと思います。
 1日の所定労働時間が7時間の会社において,1時間残業させようとしたところ,どうせ残業代が出ないなら残業はしないと言って帰ってしまった社員がいた場合,残業命令違反を理由に懲戒処分を検討することになるのでしょうか?
 業務命令違反の問題と法内残業に関する賃金支払の問題は直接にはリンクしませんので,理屈では懲戒処分することができる場合もあるのかもしれませんが,私には無用のトラブルを招いているだけのように思えます。
 社員の納得を得るためにも,法内残業については,通常の時間単価に基づき計算された金額以上の賃金を支給する扱いとすべきと考えます。

 なお,1日7時間の労働時間では仕事が終わらないのが通常の会社であれば,1日の所定労働時間を8時間に変更することを検討してもいいかもしれませんが,その場合は,就業規則の不利益変更等の問題となります。

弁護士 藤田 進太郎

法内残業と残業代

2011-06-07 | 日記
Q56  所定労働時間が7時間の事業場において,1日8時間までの時間帯(1時間分)の法内残業について,残業代を支払わない扱いにすることはできますか?

 所定労働時間が7時間の事業場において,1日8時間までの時間帯(1時間分)の法内残業については,労基法37条の規制外ですので,労基法37条に基づく割増賃金の請求は認められず,法内残業分の残業代を支給する義務が使用者にあるかどうかは,労働契約の解釈の問題となります。
 例えば,1日の所定労働時間が7時間の会社において,最初の1時間残業した部分(法内残業)については労基法37条に基づく割増賃金の請求は認められず,就業規則や個別合意に基づく残業代請求が認められるかどうかが検討されることになります。
 したがって,理屈では法内残業については残業代を支給しない扱いにすることもできることになります。

弁護士 藤田 進太郎

常時10人未満の労働者を使用する使用者と時間外割増賃金

2011-06-07 | 日記
Q55 常時10人未満の労働者を使用する使用者については,労基法上の時間外割増賃金の支払に関し,例外が定められていると聞いたのですが,それはどのようなものですか?

① 物品の販売,配給,保管若しくは賃貸又は理容の事業
② 映画の映写,演劇その他興行の事業
③ 病者又は虚弱者の治療,看護その他保健衛生の事業
④ 旅館,料理店,飲食店,接客業又は娯楽場の事業
のうち,常時10人未満の労働者を使用する使用者
については,労基法施行規則25条の2第1項により,労基法32条の規定にかかわらず,1週間につき44時間,1日につき8時間まで労働させることができるとされていますので,1週間については44時間を超えて労働させて初めて,労基法に基づく時間外割増賃金の支払が必要となります。

弁護士 藤田 進太郎

労基法上,使用者が割増賃金(残業代等)の支払義務を負うのはどのような場合ですか?

2011-06-07 | 日記
Q54 労基法上,使用者が割増賃金(残業代等)の支払義務を負うのはどのような場合ですか?

 使用者が労働者に対し,1週間につき40時間,1日につき8時間を超えて労働をさせた場合,法定休日に労働をさせた場合,午後10時から午前5時までの間(深夜)に労働をさせた場合には,労基法37条に基づき,原則として,割増賃金(及び通常の賃金,昭和23年3月17日付け基発461号)の支払義務を負うことになります。

弁護士 藤田 進太郎

退職勧奨を行う上で重要なポイント

2011-06-07 | 日記
Q53  退職勧奨を行う上で重要なポイントは何だと思いますか?

 退職勧奨を行うにあたっては,担当者の選定が極めて重要となります。
 退職勧奨が紛争の契機となることが多いので,相手の気持ちを理解する能力を持っている,コミュニケーション能力の高い社員が退職勧奨を担当する必要があります。
 最悪なのは,退職勧奨を受ける社員と仲の悪い上司が退職勧奨を行うようなケースで,非常にトラブルが多くなっていますので,そうならないよう配慮することが必要です。
 同じようなケースであっても,退職勧奨の担当者が誰かにより,紛争が全く起きなかったり,紛争が多発したりします。
 退職勧奨を検討する際,通常は,「どのように退職勧奨すべきか?」という発想で考えることが多いですが,現実の紛争予防のためには,「誰が退職勧奨を担当するのか?」という点が極めて重要であるということを覚えておいて下さい。

弁護士 藤田 進太郎