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弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

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強制執行された賃金の源泉所得税納付義務

2011-06-03 | 日記
Q46  解雇が無効と判断され,解雇期間中の賃金の支払を命じる判決を放置していたところ,強制執行されてしまいました。強制執行のため,源泉所得税をを源泉徴収できなかったのですから,源泉所得税を納付しなくても大丈夫ですよね?

 使用者は,強制執行により賃金の回収を受ける場合であっても,源泉所得税の源泉徴収義務を負うとするのが最高裁判例(最高裁判所第三小法廷平成23年3月22日判決)ですので,源泉所得税を納付しなければなりません。
 同最高裁判決は「法28条1項に規定する給与等(以下「給与等」という。)の支払をする者が,その支払を命ずる判決に基づく強制執行によりその回収を受ける場合であっても,上記の者は,法183条1項所定の源泉徴収義務を負うと解するのが相当である。」と判示しています。

 源泉徴収できないのに源泉所得税を納付しなければならないのは不当だと言いたくなるかもしれませんが,上記最高裁判決が「上記の場合に,給与等の支払をする者がこれを支払う際に源泉所得税を徴収することができないことは,所論の指摘するとおりであるが,上記の者は,源泉所得税を納付したときには,法222条に基づき,徴収をしていなかった源泉所得税に相当する金額を,その徴収をされるべき者に対して請求等することができるのであるから,所論の指摘するところは,上記解釈を左右するものではない。」と判示している以上,やむを得ません。
 使用者としては,源泉所得税納付後,徴収をしていなかった源泉所得税に相当する金額を当該労働者に請求するほかないことになります。

弁護士 藤田 進太郎

地方の裁判所の支部の仮差押え

2011-06-03 | 日記
地方の裁判所の支部で仮差押決定が出されたので,保全異議を申し立てたところ,予想どおり,仮差押えを取り消し,仮差押命令申立てを却下する旨の決定書が,昨日,事務所に届きました。
被保全権利の疎明がないというのがその理由です。

地方の支部の仮差押えは,担保さえ積めば,簡単に発令されてしまうという印象なのですが,いかがでしょうか?
裁判官との面接すら行われずに,仮差押えが発令されたりしますし。
裁判官が申立債権者に面接くらいはしてから,仮差押え発令の当否について判断して欲しいものです。
そこまでやってなお,裁判官が仮差押えを認めるべきだと判断したというのであれば,国民としても,(結論の当否はさておき,)適正手続という点ではは納得することでしょう。

弁護士 藤田 進太郎

解雇期間中の中間収入

2011-06-03 | 日記
Q45  解雇が無効と判断されましたが,解雇後,当該労働者が他社で働いて収入を得ていました。解雇期間中の賃金を満額支払ってしまうと二重取りになってしまいます。解雇期間中の賃金支払額を減額してもらうことはできないでしょうか?

 解雇期間中の中間収入(他社で働いて得た収入)がある場合,平均賃金の60%(労基法26条)を超える部分についてのみ,中間収入を控除してもらうことができます。
 単純化して,解雇期間中の賃金が30万円,平均賃金の60%が18万円と仮定して説明すると,他社で毎月10万円を稼いでいたとすると,30万円-10万円=20万円の賃金を毎月支払えば足りることになります。
 ただし,平均賃金の60%の18万円が下限となりますので,他社で月25万円を稼いでいたとしても,30万円-25万円=5万円の賃金を毎月支払えば足りることにはならず,月18万円を支払わなければならないことになります。
 なお,解雇期間中に失業手当を受給していたとしても,失業手当額は控除してもらえません。

弁護士 藤田 進太郎