Q85 当社は,同業他社よりも高額の基本給・手当・賞与を社員に支給し,毎年,昇給もさせていますので,社員の残業に対しては,十分に報いているはずです。それでも残業代を別途支払う必要はあるのですか?
それなりに高額の基本給・手当・賞与を社員に支給し,昇給までさせているにもかかわらず,残業代(割増賃金)は全く支給しない会社が散見されます。
社員の努力に対しては,基本給・手当・賞与の金額で応えているのだから,それで十分と,経営者が考えているからだと思われます。
しかし,高額の基本給・手当・賞与の支給は残業代の支払の代わりにはなりませんし,毎月の基本給等の金額が上がれば残業代の単価が上がることになり,かえって,高額の残業代の請求を受けるリスクが高くなります。
高額の基本給・手当・賞与は,社員にとって望ましいことなのかもしれませんが,使用者としては,まずは法律を守る必要があります。
労基法37条の定める以上の割合による残業代の支払をした上で,さらに高額の賞与の支給を行うのであればいいのですが,法律を守らずに,残業代の支払を怠った状態で,高額の賞与等を支給するのは本末転倒です。
支払う順番を間違えたばかりに,高額の残業代請求を受けることのないよう,十分に注意して下さい。
弁護士 藤田 進太郎
それなりに高額の基本給・手当・賞与を社員に支給し,昇給までさせているにもかかわらず,残業代(割増賃金)は全く支給しない会社が散見されます。
社員の努力に対しては,基本給・手当・賞与の金額で応えているのだから,それで十分と,経営者が考えているからだと思われます。
しかし,高額の基本給・手当・賞与の支給は残業代の支払の代わりにはなりませんし,毎月の基本給等の金額が上がれば残業代の単価が上がることになり,かえって,高額の残業代の請求を受けるリスクが高くなります。
高額の基本給・手当・賞与は,社員にとって望ましいことなのかもしれませんが,使用者としては,まずは法律を守る必要があります。
労基法37条の定める以上の割合による残業代の支払をした上で,さらに高額の賞与の支給を行うのであればいいのですが,法律を守らずに,残業代の支払を怠った状態で,高額の賞与等を支給するのは本末転倒です。
支払う順番を間違えたばかりに,高額の残業代請求を受けることのないよう,十分に注意して下さい。
弁護士 藤田 進太郎