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タイムカードに打刻された出社時刻・退社時刻と労働時間の開始時刻・終了時刻との関係

2012-01-20 | 日記
Q65 タイムカードに打刻された出社時刻・退社時刻と労働時間の開始時刻・終了時刻との関係を教えて下さい。

 タイムカードに出社時刻,退社時刻を打刻させている場合であっても,必ずしも出社時刻=労働時間の開始時刻,退社時刻=労働時間の終了時刻とは限りませんので,タイムカードに打刻された時刻が直ちに労働時間の開始時刻や終了時刻になるわけではありません。
 しかし,実際には,出社時刻≒労働時間の開始時刻,退社時刻≒労働時間の終了時刻と事実上推定され,使用者が,出社時刻≠労働時間の開始時刻,退社時刻≠労働時間の終了時刻であること,休憩時間以外にも労働していない時間があることなどを具体的に主張立証できない限り,
労働時間=タイムカードに打刻された出社時刻から退社時刻までの時間-休憩時間
と認定されるリスクが高くなっています。
 したがって,タイムカードに打刻された出社時刻・退社時刻と異なる労働時間の開始時刻・終了時刻を使用者が主張したいのであれば,その立証のための客観的な証拠を残しておく必要がありますが,通常は困難を伴います。
 タイムカードどおりの労働時間(労働時間の開始時刻・終了時刻)を認めることを前提として賃金額を設定し,タイムカードの管理,ダラダラ残業の防止・指導に力を入れた方が現実的なのかもしれません。

弁護士 藤田 進太郎

所長ご挨拶ページ改訂 平成24年1月20日(金)

2012-01-20 | 日記
所長ご挨拶ページを改訂しました。

弁護士 藤田 進太郎


所長ご挨拶

 あなたは労使紛争の当事者になったことがありますか?
 労使紛争の当事者になったことがあるとすれば,それがいかに大きな苦痛となり得るかが実感を持って理解できることと思います。

 会社の売上が低迷する中,社長が一生懸命頑張って社員の給料を支払うためのお金を確保しても,その大変さを理解できる社員は多くありません。
 会社はお金を持っていて,働きさえしていれば,給料日には給料が自分の預金口座に振り込まれて預金が増えるのが当然という感覚の社員が多いのではないでしょうか。
 私自身,勤務弁護士の時は給料日には必ず給料が私の預金口座に振り込まれて預金残高が増えていたものが,自分で事務所を開業してみると,給料日には社員に給料を支払わなければならず,私の事業用預金口座の残高が減るのを見て,経営者にとって給料日はお金が減る日なのだということを,初めて実感を持って理解することができました。
 また,個人事業主や中小企業のオーナー社長は,事業にかかる経費と比較して売上が不足すれば,何百時間働いても,事実上,1円の収入にもならないということになりかねず,それどころか,経営者の個人財産からお金を出して,不足する金額を穴埋めしなければならないこともあるのですから,会社の業績が悪化した結果,収入が減ることはあっても,個人資産を事業継続のために持ち出すことのない一般社員とでは,随分,負担の重さが違うのだということも,よく理解できました。
 このような話は,理屈は簡単で,当たり前のことなのですが,誰でも実感を持って理解できるかというと,なかなか難しいものがあります。
 会社勤めをしている友達に,給料日には会社の預金残高が減るという話をしてみたところ,「そのとおりかもしれないけど,その分,会社はお客さんからお金が入ってきて儲かっているんだから。」という答えが返ってきたことがあります。
 確かに,彼の言うとおり「お金が入ってきて儲かっている」のであればいいのですが,経営者にとっては,実際にお金が入ってくるかどうかが問題なわけです。
 今,売上が上がっていても,将来,どうなるかは誰にも分かりませんし,下手をすると個人資産を事業につぎ込まなければならなくなることもあるのですから,経営者はいつまで経っても気を緩めることはできません。
 実は,私も,勤務弁護士のときは,理屈では雇う側の大変さを理解していても,その理解には共感が伴っていませんでした。
 所長は実際に仕事をこなしている自分よりたくさんの収入があってうらやましいというくらいの感覚だったというのが正直なところで,雇われている人たちのために頑張ってくれてありがとうございます,などと本気で思ったことがあるかというと,一度もありませんでした。
 自分が経営者の立場になってみて初めて,経営者の大変さを,実感を持って理解することができるようになったのです。

 立場が違えば,感じ方・考え方も違ってきます。
 労使紛争でお互いが感情的になりがちなのは,自分の大変さを相手が理解してくれないことに対する苛立ちのようなものが根底にあるからではないでしょうか。
 労使とも,自分ばかりが不当に我慢させられている,譲歩させられていると感じているわけです。
 このような苛立ちを緩和し,冷静に話し合うことができるようにするためには,労使双方,相手のことを思いやる想像力が必要だと思います。
 社員の置かれた状況を鮮明に想像することができ,社員を思いやることのできる優れた会社であれば,会社を思いやる想像力を持った優れた社員との間で労使紛争が生じるリスクは極めて低くなることでしょう。
 仮に,一部の問題社員との間で労使紛争が生じたとしても,大部分の優れた社員は会社の味方になってくれるでしょうし,裁判に勝てる可能性も高くなります。

 私は,あなたの会社に,労使双方が相手の立場に対して思いやりの気持ちを持ち,強い信頼関係で結ばれている会社になって欲しいと考えています。
 そのためのお手伝いをさせていただけるのであれば,あなたの会社のために全力を尽くすことをお約束します。

四谷麹町法律事務所
所長弁護士 藤田 進太郎

経歴・所属等
•東京大学法学部卒業
•日本弁護士連合会労働法制委員会委員・事務局員・労働審判PTメンバー
•第一東京弁護士会労働法制委員会委員・労働契約法制部会副部会長
•東京三会労働訴訟等協議会委員
•経営法曹会議会員
•全国倒産処理弁護士ネットワーク会員


主な講師担当セミナー講演著作
問題社員に対する法的対応の実務』(新社会システム総合研究所,名古屋会場,平成24年1月20日)
問題社員に対する法的対応の実務』(新社会システム総合研究所,大阪会場,平成23年10月31日)
日韓弁護士交流会・国際シンポジウム『日本と韓国における非正規雇用の実態と法的問題』日本側パネリスト(韓国外国語大学法学専門大学院・ソウル弁護士協会コミュニティ主催,平成23年9月23日)
問題社員対応の実務』(企業研究会,大阪会場,平成23年9月16日)
『マクドの失敗を活かせ!新聞販売店,労使トラブル新時代の対策』(京都新聞販売連合会京都府滋賀県支部主催,パートナーシステム,平成23年9月13日)
『問題社員対応の実務』(企業研究会,東京会場,平成23年9月6日)
『問題社員に対する法的対応の実務』(新社会システム総合研究所,東京会場,平成23年8月30日)
『社員教育の労働時間管理Q&A』(みずほ総合研究所『BUSINESS TOPICS』2011/5)
『問題社員対応の実務』(企業研究会,平成23年4月14日)
『改訂版 最新実務労働災害』(共著,三協法規出版)
労働審判を申し立てられた場合の具体的対処方法』(企業研究会,平成22年9月8日)
『もし,自分が気仙沼で教師をしていたら,子供達に何を伝えたいか?』(気仙沼ロータリークラブ創立50周年記念式典,平成22年6月13日)
『文書提出等をめぐる判例の分析と展開』(共著,経済法令研究会)
『明日から使える労働法実務講座』(共同講演,第一東京弁護士会若手会員スキルアップ研修,平成21年11月20日)
『採用時の法律知識』(第373回証券懇話会月例会,平成21年10月27日)
『他人事ではないマクドナルド判決 経営者が知っておくべき労務,雇用の急所』(横浜南法人会経営研修会,平成21年2月24日)
『今,気をつけたい 中小企業の法律問題』(東京商工会議所練馬支部,平成21年3月13日)
『労働法基礎講座』(ニッキン)
『管理職のための労働契約法労働基準法の実務』(共著,第一東京弁護士会労働法制委員会編,清文社)

四谷麹町法律事務所 サービス内容

2012-01-20 | 日記
サービス内容

1 労働問題の予防解決,労働問題の相談 四谷麹町法律事務所所長弁護士藤田進太郎は,健全な労使関係の構築を望んでいる会社経営者のお手伝いをしたいという強い思いを持っており,経営者側専門弁護士の立場から,
① 解雇に関する紛争の予防・解決
② 残業代に関する紛争の予防・解決
③ 問題社員の対応④ 労働審判・労働訴訟の対応
⑤ 団体交渉・労働組合の対応⑥ 長時間労働,うつ病,セクハラ,パワハラ,石綿吸引,じん肺等に関する損害賠償請求の対応
等の労働問題の予防解決や労働問題の相談に特に力を入れています。
労働問題の予防解決労働問題の相談を中心業務としている経営者側専門弁護士をお探しでしたら,弁護士藤田進太郎にご相談下さい。

2 企業法務・訴訟対応 顧問先企業の法務全般・訴訟対応を行っています。

3 企業再建・倒産処理 顧問先企業の再建を支援しています。
 また,倒産処理,破産管財業務等にも従事しています。

4 その他
 経営者・人事労務担当者向けに,労働問題に関するセミナー,執筆などを行っています。
 顧問先企業関係者からの様々な相談に応じています。 

弁護士 藤田 進太郎