北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

エゾシロチョウ交尾拒否 パターン3  産卵中♀の再交尾拒否行動

2015-06-30 23:31:52 | エゾシロチョウ 
にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村

にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村



エゾシロチョウ交尾拒否 パターン3  産卵中♀の再交尾拒否行動

意外なことに♂がもっともはげしく♀に交尾行動をしかけるのは♀が産卵中の時である。




産卵中の♀にしつこく交尾を迫る♂の行動は、一体どのような意味があるのだろうか。




しっかり産卵する葉を決めた♀は最初は慎重に時間をかけて一卵ずつ産みはじめ、少しずつピッチをあげながら1-2時間かけて膨大な数の卵を1層のシート状にロボットみたいな正確さで規則正しく整然と産み付ける。





ブータンシボリアゲハのようにてんこもりの卵塊状に産むことは無い。

この間、♂は絶え間なく交尾を迫って産卵中の♀に接近し、その都度やたらと派手派手しく羽根をばたつかせる。














あまりの派手派手しさに、とうとう♀は産卵を中断しいつもの交尾拒否行動をとる。

やっと♂があきらめて飛び去ると、♀はまたおもむろに同じ位置で産卵を開始する。



と思うまもなくまた別の♂がやってくる。




見ていて、とてもイライラする。

なんとひどい♂たちだろうか。

やっとの思いで産卵にまでこぎつけたのに♂のじゃまに閉口する♀がかわいそう。いい加減にしろ。

♀はこんな馬鹿な♂たちの激しい妨害にくじけずがんばって産卵を完結させてほしい。

といった思いが強かった。

  この項、続く。






常呂町にて。エゾノコリンゴで産卵中の♀に複数の♂がしつこくせまっていた。





にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村

にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村

エゾシロ交尾拒否パターン2.  交尾後産卵前再交尾拒否行動

2015-06-29 20:18:32 | エゾシロチョウ 
にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村

にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村エゾシロ交尾拒否パターン2. 
交尾後、体力をつけようと体を休めたり吸蜜中の♀にせまる♂に対する交尾後産卵前再交尾拒否行動。


♀は羽根を大きく開いて、まれに、モンシロチョウのように尾端をぴっと短時間上に上げることがあるがモンシロチョウのように思い切りしっかりと挙上することは少ない。

よくみると前翅を大きく開くと同時に後翅を腹部にしっかりとかぶせて♂の尾端が♀尾端に接触するのを防いでいる。

この際♀は、♂の前足で、前翅付け根あたりをはげしくひっかれ羽根の鱗粉が落ちてスケスケの羽根になりながらも、そんなことは気にもせずしばしば吸蜜を継続する。

この余裕はなんだろう。









  赤ボケのとなりにあるヨドガワツツジに吸蜜中の♀に求愛行動をする♂。














♂もストローを伸ばしていることにご注目。必ずしも必死に交尾をもとめているとは思われない行動だ。







赤ボケの近くに植えてあるネギの葱坊主に吸蜜中の♀にせまる♂。 ♂にしつこくせまられながら、よく見ると♀はゆうゆうとストローをのばして吸蜜を続けている。興味ふかいことには、この間、盛んに♀にせまりながらも♂も時々一緒に吸蜜する。


今回多数の例を観察していてとりわけ興味深かったこととしては、♂はこんな行動をとりながら♀と一緒にストローを伸ばし吸蜜することだ。

本気で交尾しようとしているにしては、ちょっと不真面目、不謹慎にも見える。 さてこの際、♂は、本気で交尾しようとしているのだろうか。ふと、疑念が湧いてくるのを禁じ得ない。


交尾後の♀は発生樹からあまり離れず、♂のしつような接触にさらされ続けながらも体力をつけ、1-2日以内にいよいよ産卵行動に移る。

    この項 続く。






にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村

にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村

エゾシロ交尾拒否パターン1.  交尾中の♀交尾拒否

2015-06-28 21:48:59 | エゾシロチョウ 
にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村

にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村

エゾシロチョウ交尾拒否パターン1.  交尾中の♀交尾拒否

♀が羽化しようと蛹から出たとたんに♂がせまり交尾が成立する。しかし、そこへ別の♂がしつこくせまる。


♂をぶら下げた状態で自分自身のまだ柔らかい羽根を展開しながら、その後も絶え間なくせまってくる他の♂の交尾を求める行動を拒否する状態。


この時はすでに交尾状態なのでいくら他の♂がせまっても当然ながら交尾は困難である。

♀は、しばしば羽根を少し広げたりするだけで、♂があきらめて飛んでいってくれるまでじっと我慢しているしかない。


せまっていた♂があきらめて飛んでいったあとは、すぐにまた別の♂がせまり同じように執拗で、はではでしいちょっかい掛けを繰り返す。

何故、♂たちは交尾中のカップルに対してこのような不毛の行動を続けるのだろう。






  この項 続く。




にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村

にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村

北見市近郊のアカマダラ、サカハチチョウ、ミヤマカラスアゲハの春型

2015-06-26 20:49:36 | アカマダラ
にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へ
にほんブログ村

にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へ
にほんブログ村



北見市近郊のアカマダラ、サカハチチョウ、ミヤマカラスアゲハの春型

2015-5-29 (金) 晴れ 暑いが強風 

北見市近郊の限界集落。そのはずれの山裾に私のお気に入りの蝶の多い一角がある。

ここの開拓に活躍した名誉町民の方が住んでいた廃屋のまわりは特に蝶が多い。


かっては 一日100頭以上のウラジャノメが容易に採集できた私だけの秘密ポイントだったが、私がうっかり他人にそれを漏らしたばっかりに全国から採集者が殺到。

最近ではウラジャノメはほとんど見かけなくなってしまった。



それでも私はここが好きでよく訪れる。今日はアカマダラがほぼ終わりかけで サカハチチョウがやや多くなってきた。

私は時にアカマダラとサカハチチョウの区別がつかなくなることがある。あれ、こいつはドッチだったかな。えーと、といったぐあい。


アカマダラ春型♀裏。


サカハチチョウ春型♀裏。

ときどき両者ならべて確認したりする。

アカマダラ春型♂表。


アカマダラ春型♀。



アカマダラ春型♀表。





アカマダラ春型♀表。




サカハチチョウ春型♂表。

サカハチチョウ春型♀表。

北海道特産種アカマダラ春型生態写真を撮影したかったのだが、よく晴れたうえ気温が高く風強く、空気が乾燥気味のせいか、やたら敏感でなかなかモデルになってくれない。

手乗りまでしてくれる個体がいる反面、多くはこれ以上は無理というほど、慎重にゆっくりと接近しても、さあシャッターという瞬間に飛び立ってしまう。

まったく撮影にならない。 

こんな時は仕方なく手のひら写真を撮る。

実は、ばっちりきまった手のひら写真は普通の生態写真よりも撮るのがはるかに難しいことをご存知でしょうか。けっこう工夫が必要なのです。 

ミヤマカラスアゲハ春型♂が元気いっぱい飛んでいる。長年しみついた蝶屋の習性で、ついネットインしてしまった。










私はカメラマンであると同時にいまだネットマンでもあります。

    

   さて、エゾシロチョウの不思議な生態につき、おもいもよらなかったことがわかってきました。 
   写真が整理できたので ぼちぼちご紹介させていただきます。





にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へ
にほんブログ村

にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へ
にほんブログ村

トラフシジミが羽根を斜めに倒して陽光を直角に受ける行動

2015-06-22 21:14:51 | トラフシジミ

にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村

にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村


トラフシジミが羽根を斜めに倒して陽光を直角に受ける行動。

2015-5-30(土) 曇り 一時晴れ 強風

午前11時。北見市の自宅を出発。我が家から車で20分ほどの私のお気に入りの蝶のポイントへでかけた。

強風で曇り空で寒い天気だが、さきほどから時々青空がのぞいて、日が一瞬さすときぐんと気温が上がるのを感じたからだ。このような時は蝶の撮影のチャンスだ。

すぐ現地につき川沿いの林道へ入った。入ってしばらくゆくと 小川が橋の無い林道を横切る良ポイントが2箇所あり、そのあたりは種々の広葉樹も適度に生育して蝶には なかなか良い場所だ。
 
そのあたりに着く頃には雲が切れ急に青空が広がって強烈な日差しが照りつけはじめた。まずミヤマカラスアゲハ2♂♂がやってきて吸水開始。

やがて、どこからともなく蝶たちが現れて花に吸蜜、ないし地面で吸水、吸汁を開始していた。

蝶たちも久しぶりの陽光で、まだ体温の上昇もさほどではない。そのせいで、あまり敏感な状態ではないため撮影しようと超接近しても大丈夫。撮影には最適な一瞬である。

最近滅多にみかけなくなったトラフシジミ春型♂も5頭ほど確認、地面で吸水中のところをなんとか撮影できた。







うち、1頭の変わった興味深い行動を撮影できた。なんとか早く体温を上げようとしてか、陽光を羽根に直角に受けようと羽根をぐーっと強く傾ける行動を撮影できた。






地面に対して最大45度ほどの角度になるまで思い切り羽根を傾け、そのまま1分ほど吸水を続けてぱっと飛び立っていった。



私はトラフシジミのこんな羽根傾け行動を見たのは初めてであったが、感激のあまりおもわず  おーっすごい と叫んでしまった。

おまけに写真もなんとかそれらしく撮影できていて、大満足の撮影行であった。

このあとしばらくするとまた雲が広がって陽光をさえぎり、急速に気温が下がり始め、蝶たちの乱舞も終わった。 





虫屋サロン(2015年 6月19日)の報告


ブログを楽しみに拝見させていただいております。
エゾシロチョウが庭で観察でき、新知見がタイムリーに掲載されているのは素晴らしと思います。
遅くなりましたが、サロンの報告を書きました。

                    森  一弘

虫屋サロン(2015年 6月19日)の報告
 毎月、第3金曜日に開催されています恒例のサロンの報告をいたします。
今回は、インド料理店「モハンディッシュ」で開かれて、東京在住の高木先生らも含めて14名の参加でした。
話題は、ヒメギフチョウ、チャ マダラセセリの発生は早く個体数も多かったものの                 
その後は、ミヤマカラスアゲハ、リンゴシジミ等、各種の個体数が少ない事でした。
又、ミスジチョウ、オオイチモンジの北海道での初見記録が更新されました。

     
           2015-4-26 北海道 北見市にて   
  


7月の虫屋サロンご案内

会員以外の方でも歓迎いたします。皆様の参加をお待ちしております。

 日時:7月17日(金) 19~21時頃
 場所:満とり
   札幌市中央区大通西8丁目
   電話:011-231-3054

申込は、前日までに下記にお願いいたします。
     〒060-0808
    札幌市北区北8条西5丁目
    北海道昆虫同好会 事務局  高木秀了
    電話 011-716-7537 FAX 011-716-5562     





にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村

にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村