北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

テネデウスウスバの亜種たち  subspecies of Parnassius tenedius

2022-12-31 16:23:10 | 採集記・旅行・写真

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テネデウスウスバの亜種たち  subspecies of Parnassius tenedius

 

 

 

一般的な早春のモンゴルの蝶の採集スタイル。

 

 

 

 

成虫標本の変異など: テネデウスウスバシロチョウは各産地とも、個体変異の幅がとても大きい。

 

 

いくつかの亜種区分がなされてはいるものの、私が見る範囲では外見的には本質的な大きな違いはなさそうである。但し、私は Parnassius の専門家ではありません。

 

 

ssp. vulcanus.

 

 

1.    P. tenedius vulcanus    1993 May 29    ex ovo   Aktash village  1500m,  Altai Mts , Kurai  Range. Russia.  表面.

 

  同上裏面。

 

 

2.   P. tenedius vulcanus    1991 May 30  Aktash  2200m ,  Kuraisky M.R .  Altai Mts.  Russia. 表面.

 

 

 

3. P. tenedius vulcanus ♀    1993  June  2    ex ovo    Aktash village  1500m,  Altai Mts , Kurai  Range. Russia.  表面.

 

 

    同上裏面.

 

 

4.  P. tenedius vulcanus    1991 May 30  Aktash  2200m ,  Kuraisky M.R .  Altai Mts.  Russia. 表面.

 

 

 

 

ssp. britae.

5.  P. tenedius  britae      1991  June  12     Yakutien   Far East   Siberia     Russia.  表面 .

 

 

 

原名亜種

6.  P. tenedius tenedius.    1992  June  6     Mondy  Sajan Mts.    S- Siberia   Russia    表面

 

 

 

 

モンゴルで採集された個体群は外見的にアルタイ山脈産、ヤクーツク産、サヤン山脈産と比べても区別は難しい。とりあえずモンゴル産は原名亜種に含めようと思います。

 

 

 

しばしば、赤色斑紋のまったく消失した個体( f.nigroocellata )がみられ、前述のようにモンゴル産にも認められる。

 

 

 

 

モンゴルは世界有数の恐竜化石産出国で テラノサウルス も稀ではありません。この恐竜に腰掛けたらズボンのお尻が緑になってしまいました。ペンキ塗りたての看板はありませんでしたが...........。

 

 

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モンゴルのテネデウスウスバシロチョウ Parnassius tenedius   

2022-12-27 16:14:37 | 採集記・旅行・写真

 

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モンゴルのテネデウスウスバシロチョウ Parnassius tenedius   

 

 

 モンゴルのテネデウスウスバシロチョウ Parnassius tenedius  はウランバートル近郊のTerelji 、北部のフブスグル湖周辺、アルハンガイの山地などで少ない記録がある。

 

 

調査は極めて不十分でモンゴルにおける分布の実体像は不明。

 

Terelji産♂裏面

 

早春の蝶で個体数も少ないためか、採集例、観察記録ともに少ない。

Terelji産♂表面

 

Tereljiでは1995年5月14日1♂ 伊藤亮氏採集(新鮮) ,1995年7月2日1♀ 浜田史郎氏採集(やや汚損した未交尾個体)、

 

 

1996年5月20-21日4♂♂(新鮮ーほぼ新鮮)、および他に3個体目撃の記録がある(矢崎康幸・矢崎和子)。

 

 

 

また50Km East of Ulan Bator にて1992年6月1-2日2♂♂ 細谷宏氏採集(多少汚損)の記録もある。

 

 

2002年6月21 ~22日、矢崎康幸、菱川法之氏はフブスグル湖西岸波打ち際を低く飛翔している6♂♂を確認しているが汚損個体が多かった。

 

 

 

アルハンガイのソバガラハイルハン山山麓(約2000m)のガレ場では2002-6-24~25 に大井伸一、佐藤國男、樋口輔三郎氏らの調査隊が 8♂♂2♀♀を採集しているが他に汚損個体も見られたという。

 

 

 

これらの数少ない確実な資料より推定するとモンゴルヘンティ山地、アルハンガイの山地、フブスグル湖周辺での発生は5月中旬より始まり、

恐らく5月下旬~6月上旬が盛期、汚損した♀は7月上旬にも見られるということになろうか。

 

Terelji産♂裏面

 

 

Tereljiの5月中旬は、沢筋や湿地の日陰では厚い氷がはっており、気温が下がれば雪が降るので、しばしば防寒コートが必要となる。

 

Terelji産♂表面

 

 

草原は見渡す限り殺風景な枯れ野原のようで、山の南向き斜面には黄色のオキナグサの花、キジムシロの黄色い花、岩場にはエゾムラサキツツジの濃いピンクの花がわずかに見られる。

 

モンゴルの早春に枯れ草の中から黄色いオキナグサ。

 

 

Terelji産♂裏面

 

テネデウスウスバの飛翔は緩やかであると述べられることが多いようだが必ずしもそうではない。

 

 

 

標高1800m前後の山頂付近の広大なガレ場をさっそうと飛翔する姿は印象的である。

 

 

 

早春の松の若葉を背景にふわりふわりと飛ぶ様は、天女の舞いを思わせる。

 

Terelji産♂表面

 

 

 

 

 

赤色斑紋のまったく消失した個体( f.nigroocellata ).   Terelji の広大なガレ場を飛翔していた個体。

表面

 

裏面。

 

 

どこかを目指し、一直線に飛ぶ個体もある。

 

 

 

伊東氏の採集した1♂は赤いネットに一直線に飛んできたという。浜田氏の採集した1♀は、白いネットに一直線に向かってきたという。

 

 

 

筆者も遠くからガレ場に置いてある白いネットにまっすぐ向かってきた個体を目撃している。

 

 

 

 

モンゴルにおける食草や幼生期、成虫の吸蜜植物などは良く調べられていない。アルタイ山脈などでは 食草として Corydalis capnoides 、成虫の吸蜜植物として Iris humilis が知られている。

幼虫は夏までに蛹化し、蛹越冬で翌年春に羽化するという。

 

 

 

               To be continued.

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ジンジンと蝶の筋肉の震え

2022-12-23 16:17:23 | 南米の蝶

 

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ジンジンと蝶の筋肉の震え

 

メアンデールプレポナ ( Archaeoprepona  meander    male  ) 。南米、ペルー、アンデスアマゾンのジャングルの小径に時々ぽっこりと開けた陽だまりのやや手前、ちょっと薄暗い所に、大抵この大型のプレポナ ♂が1匹地面に止まっている。

 

このような場所にいるメアンデールプレポナはなぜかプレポナ特有の俊敏さがなく、いとも容易にネットできる。

 

 

 

手に乗せると蝶にしては、ずっしり重さがあり、ジンジンと筋肉の震え、muscle vibration が伝わってくる。

 

 

 

これはアグリアス の採集でも感じることがある。

 

 

 

それにしても生きているプレポナの吸い込まれるような青はなんて美しいのだろう。

 

 

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対馬のタイワンモンシロチョウ絶滅の理由

2022-12-19 13:33:41 | 寄生蜂など

 

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対馬のタイワンモンシロチョウ絶滅の理由。

 

2000-6-10~11  の短期間であったが対馬に滞在し、ツシマウラボシシジミの撮影などを行なった。

 

 

ツシマウラボシシジミは島内各所を探索して唯一比田勝で多数の個体を確認した。

 

 

 

この間、各所でタイワンモンシロチョウ ( Pieris canidia juba Fruhstorfer )を確認したがどこでも個体数はとても多く、この時の感じでは山間部や林縁を中心に、まさにどこにでもいる全くの普通種と考えられました。

 

 

我が国のタイワンモンシロチョウは、1990年頃から南方の与那国島に飛来したと思われる原名亜種 ( Pieris canidia  canidia Sparrman )と 対島固有の亜種 ssp.juba が知られるが、この際と思い、多少の採集も行なっています。

 

 

対島で採集したタイワンモンシロチョウ ssp.  juba

 

オス表面

 

 

 

メス表面

 

 

メス裏面

 

 

 

 

 

タイワンモンシロチョウがとても多い反面、日本産Pieris 代表とも言うべきモンシロチョウ、およびスジグロシロチョウは驚くほど少なくてそれぞれ 1オス、および1メスを採集できたに過ぎなかった。

 

対島産モンシロチョウオス表面。

 

 

 

 

 

 

対島産スジグロシロチョウメス表面。

 

 

 

 

 

このほか多数見られたテングチョウが印象的であった。イシガケチョウ、キチョウも少数採集できた。そのほかの蝶類を全く見かけなかったことも今にして思えば異常な気がします。

 

 

 

対島産テングチョウ。

 

 

対島産キチョウ。

 

対島産イシガケチョウ

 

 

 

ところで、2000年度、このように対島ではごく普通に見られたタイワンモンシロチョウがその数年後には急速に個体数を減じ始め、短期間のうちにたちまち消えてしまい現在では絶滅状態と考えられています。

 

 

 

理由は種々検討されていますがはっきりとは解明されていません。 

 

 

 

最も考えやすいのは大繁殖した鹿による本種の食草アブラナ科食物の食害、越冬蛹が早春羽化体制に入ったところでの急激な寒波襲来、大陸からの汚染物質飛来、その他といったところでしょうか。

 

 

 

 

一方、我が家の庭に毎年発生するエゾシロチョウ、オオモンシロチョウ、モンシロチョウにとりわけ興味を持ってを長年観察してきた私の経験からは、鹿による食草食害で激減した状況に、寄生蜂によるオーバーコントロールが効いてしまったという図式を最も考えたいところです。

 

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絶滅寸前のツシマウラボシシジミの撮影記録。

2022-12-14 11:58:16 | 採集記・旅行・写真

 

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絶滅寸前のツシマウラボシシジミの撮影記録。

 

 

現在では絶滅したのではないかとされているツシマウラボシシジミ ( Pithecops fulgens  Doherty , 1889 ) に会うために、今は昔の2000-6-10 ~11日 に、ただ一回だけですが長崎県対馬市を訪れたことがあります。

 

 

 

福岡から小型プロペラ機で行きましたが、着陸態勢に入ると目の前に急峻な山肌がぐんぐん迫ってきて、恐怖を覚えた途端に滑走路が見えてあっという間に着陸したような記憶があります。まるで航空母艦に着艦する時みたいな感じ。

 

 

なんでも強引に山を削って作ったいわゆる山岳空港で、その後実際 2003-9-16 この山肌にプロペラ機が突っ込んだ墜落事故があります。

 

 

空港で軽自動車を借りて、とりあえずこの蝶の産地として知られていた佐護、佐須奈方面に走りましたが、広大な北海道の大地に慣れ親しんだ私からすると、対馬は狭く、背の低い山々が連なり、山また山、また山、まさに山の島といった感じでした。

 

 

 

ところが、この蝶の産地として知られていた佐護、佐須奈では、ツシマウラボシシジミは全く見かけず、途方にくれてしまいました。

 

 

 

 

こうなってしまったら、自分で発生地を見つけるしかありません。

 

 

 

あちこちカンを頼りに走り回って、運よく比田勝というあたりで杉林の小径沿いにたくさんのツシマウラボシシジミが低くチラチラと飛んでいる場所を発見、せっせと撮影しました。

 

比田勝付近、旧道のトンネル。

 

 

杉林内の小径。

 

 

レンタカーの軽自動車を止めるとあちこちにチラチラ低く飛ぶツシマウラボシシジミが確認できました。

 

 

 

この頃は、2022年現在のような高性能デジタルカメラはなく、36枚撮りカラーフィルムを装填したかっての名機ミノルタアルファ9000にマクロレンズ、リングストロボ といった機材です。

 

 

今にして思えば、こんな器材でなんとか見られる写真が撮れていたのは、私にとっては奇跡的と言わざるを得ません。

 

この頃、対馬特産のこの可憐な蝶は、はや減少の兆しが見られたようで、1969年に佐護、佐須奈など有名産地一帯が ツシマウラボシシジミ繁殖地として 上県町の天然記念物に指定されたり、2005年には対馬市の天然記念物に指定されたりしたものの、この蝶はその後もひたすら減少の一途で現在 2022 では絶滅寸前に追い込まれているようです。

 

 

 

この蝶の幼虫が食べる食草ヌスビトハギは杉林の林床に群落を作りますが、対馬で急速に増えた鹿が完膚無きまでに食害したのが、ツシマウラボシシジミ激減の主な原因とされています。

 

 

 

私がこの蝶を撮影した2000-6-10 比田勝の杉林の小径には多数の個体が飛んでおり、ヌスビトハギは小径沿いに多数見られ、多数産卵された本種の卵も確認しました。このヌスビトハギもその後大繁殖した鹿たちに綺麗さっぱり食べられてしまったのでしょうか。

 

 

杉林の小径沿いのヌスビトハギ群落。

 

 

 

産卵されたツシマウラボシシジミの卵。

 

 

 

孵化したツシマウラボシシジミの1令幼虫。

 

 

 

 

2022年現在の状況

 

実は、私的にはすでに絶滅したのでは、と考えていましたが最新の情報によれば、対馬の地元自治体、住民、環境省、昆虫園、チョウ類保全協会など関係者の努力・・・・シカ柵、ホスト植栽、域外保全…などによって、ギリギリのところで絶滅がかろうじて食い止められている状況らしい。この蝶の飼育はさほど難しいとは思われないので、この際、対馬だけにこだわらず全国各地の飼育の腕利きの個人、同好会、施設などに卵を拡散、増殖して種苗を確保してゆくのも最後の手段としての方策と思う。それにしても狭い対馬に大繁殖して自然破壊の限りを尽くしている鹿に対する方策は何か行なっているのだろうか。また、現在かろうじて生き残っている個体群に対し個人的な欲求を満たすための採集を行い、トドメを刺すようなことは厳に慎むべきと思います。

 

 

対島でよく見かけた植物。

 

ソテツの花。

 

 

ドクダミ。

 

 

トラノオ。

 

 

 

2000-6-10~11日、対馬のあちこちで稀ではなく見られたタイワンモンシロチョウが、ツシマウラボシシジミと同様に激減し、やがて対馬から完全に消えてしまうとは全く思いませんでした。  To be continued.

 

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