北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

北海道南部松前町にヤマトシジミ発生。定着か。

2019-11-27 23:55:53 | ヤマトシジミ
にほんブログ村 その他ペットブログ 昆虫へにほんブログ村




にほんブログ村 その他ペットブログ 蝶(チョウ)へにほんブログ村




北海道南部松前町にヤマトシジミ発生。定着か。



2019年11月13日の北海道新聞夕刊によれば北海道南部の松前町にヤマトシジミが発生しているようだ。













ヤマトシジミは2016年に青森県青森市で発見されて温暖化にともなう分布域の北上が推定されていた。





北海道では1975年に上川管内朝日町(現・士別市)でヤマトシジミ1匹が採集されているがこれは何らかの理由による偶産蝶とみなされていた。




そして、その42年後になる2017年10月には、北海道南部の檜山管内上ノ国町でヤマトシジミ成虫1匹が発見された。





その翌年、2018年9月1日には上ノ国町に隣接する松前町の菜園で山下寿春氏がヤマトシジミ8匹を採集した。





その後、道南虫の会の対馬誠氏(北海道昆虫同好会会員でもある)などが同菜園を中心に現地調査を継続し、2019-10-28までにヤマトシジミ雌雄合計140匹を採集し、♀から採卵して飼育も行われ蛹も得られた。





松前町の菜園など野外で蛹化したヤマトシジミが越冬に成功し来年も発生するのかどうか興味深い。





ヤマトシジミがもともと松前町付近に生息していたのか、近年何らかの理由でどこからか侵入してきたのかは今のところ不明。





松前町のヤマトシジミは成虫標本、蛹が2019年11月9日、札幌市での北海道昆虫同好会総会・懇親会のおりオークションにも登場しています。


















日本各地のヤマトシジミもオークションにでましたが、さすがに人気はいまいちでした。







温暖化にともなうヤマトシジミの分布域北上ということになれば北海道産蝶類の種類が1種類増えることになりますが、これを単純に喜ぶべきかどうかは微妙なところです。









にほんブログ村 その他ペットブログ 昆虫へにほんブログ村




にほんブログ村 その他ペットブログ 蝶(チョウ)へにほんブログ村

本州最西端、下関のヤマトシジミを撮影

2019-11-20 03:32:40 | ヤマトシジミ
にほんブログ村 その他ペットブログ 昆虫へにほんブログ村




にほんブログ村 その他ペットブログ 蝶(チョウ)へにほんブログ村





本州最西端、下関のヤマトシジミを撮影







2019-9-12(木) 晴れ


この日、下関での学術集会に出席するため前夜から下関ドーミーインに宿泊している。



今回はビデオワークショップと一般演題の二題を発表するため、はるばる北海道からやってきた。



フグ(現地ではふくと呼ぶ)料理で有名な下関は明治維新のきっかけとなる種々の出来事があった。



歴史マニアにはたまらない魅力的な地らしい。



本州最西端の地でもある。



朝 6:00 起床。  



屋上の温泉に入って 6:30からバイキング朝食。




ふく雑炊がおいしく おかわり2杯。



そのあと散歩がてらホテルの近くを歩いてみた。



焼き肉店と、ふく料理店が多い。




公園があり高杉晋作の像があったが 女性みたいな顔立ちの像であった。









このあと奇兵隊発祥の地でみた高杉晋作像は一変して精悍な若者の姿であった。



下関の街路樹にピンクの花満開のサルスベリがあった。






白花のサルスベリもあった。
 


高い階段の大歳(おおとし)神社があり石段を登ると115段あったが 毎日病院5階まで階段を登っているので苦もなく登れた。







この女性はきつい階段を上るのをためらい、下から神社を見上げて参拝していた。




 

公園の日陰になっている草地に ヤマトシジミ が5-6匹チラチラ低く飛んでいて、まだ早朝のせいかよく止まってくれたのでせっせと撮影した。





この蝶は本州以南では最普通種の、それこそどこにでもいるらしいシジミチョウのようだが北海道には生息しないとされてきた。












それで、北海道人の私には、本州の蝶愛好家がシロオビヒメヒカゲを見たときみたいに、とても嬉しい蝶である。











♀翅表は真っ黒け。






以前富山県富山市で 同じく9月に撮影した明るい色調の個体と較べると斑紋が大きく 黒っぽく見えて明らかに異なる気がするのだが。



この♀はカタバミの葉表面に産卵している。


  


亜種かなと思ったが 種ヤマトシジミは屋久島以北のものはすべて Zizeeria maha argia Menetries とされていて同一亜種。



奄美以南のものが Z. maha okinawana Matsumura とされていて外見的にとても異なる。




すなわち九州、四国、本州のものはすべて同一亜種扱いのようだ。




昭和56年発行の図鑑 日本の蝶 藤岡知夫著によれば岩手県野田村が本州の分布北限とされている。






その後、最近の温暖化にともない近年、この蝶の分布北上はどうなっているのだろうか。






にほんブログ村 その他ペットブログ 昆虫へにほんブログ村




にほんブログ村 その他ペットブログ 蝶(チョウ)へにほんブログ村

2019年秋、絶滅危惧種の蝶イシダシジミの生息地で草刈り

2019-11-14 00:29:07 | イシダシジミ
にほんブログ村 その他ペットブログ 昆虫へにほんブログ村




にほんブログ村 その他ペットブログ 蝶(チョウ)へにほんブログ村




2019年秋、絶滅危惧種の蝶イシダシジミの生息地で草刈り




2019-11-12(火)の北海道新聞朝刊16Pのオホーツク版に絶滅危惧種とされ種の指定種として厳重に保護されることになったイシダシジミ( アサマシジミの北海道亜種 Lycaeides subsolana iburiensis Butler)の管内唯一の生息地、陸上自衛隊遠軽駐屯地演習場で草刈りが行われたことが報じられていました。








従来、環境省等は絶滅危惧種や種の指定はするものの、せいぜい採集禁止の看板を立てるくらいの対策しか行われないケースが多いなかで、地域住民などがこの蝶の幼虫が食べる食草ナンテンハギに覆い被さる笹や小灌木、ヨモギ、ワラビ、フキなどを草刈り機で刈り倒すという実効性が期待される対策を開始したのは注目に値する。







2019年10月中旬に草刈りを実行したのはNPO法人丸瀬布昆虫同好会、遠軽町職員など計12名。この産地では過去に自衛隊による草刈りが行われた翌年にイシダシジミが大発生したことがあり、以前からこの発生地での継続的な草刈りが推奨されていた。




今回の草刈りの効果が期待される。ぜひその後の経過も知りたいものです。




この記事は北海道オホーツク地域の北海道新聞購読者などごく一部の人々の目にとまるだけとおもわれ、広く北海道全域ないし全国にも知ってほしいとおもい本ブログでも紹介させていただきました。



かってはオホーツクや道東をはじめ道内各地に普通に産する蝶で、この蝶がこれほど減ってしまうとは誰も考えてはいなかった。



減少の理由は種々考えられているがはっきりしないものの、開発など人間の営みにともなう生息環境の破壊(豊かな草原の消失)や生息地の自然環境の急激な変化によるところが大きいと考えられます。





にほんブログ村 その他ペットブログ 昆虫へにほんブログ村




にほんブログ村 その他ペットブログ 蝶(チョウ)へにほんブログ村