北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

オオモンシロチョウ♂の孤独な最後

2020-07-27 21:18:04 | オオモンシロチョウ
オオモンシロチョウ♂の孤独な最後





オオモンシロチョウの越冬蛹。




2020-3-19(木) 晴れ  11℃




2019年度秋に飼育したオオモンシロチョウはおおかた冬の暖かい室内で羽化してしまい、みると1蛹のみ羽化せずにいて越冬蛹になるのかと推定されていた。





その後、すっかりこの蛹のことを忘れていた。





今日、思い出して居間のすみに置いてあった飼育用大型プラケースをみるとやはり羽化してはおらず予想どおり唯一の越冬蛹になっていた。







かみさんにかたづけるようにいわれたので、このプラケースを蛹をつけたまま外の物置の奥に置いた。







2020年度北見市におけるオオモンシロチョウ初見日




2020-6-1(月) 晴れ 31℃



このところ3月とは思われない猛暑。昨日に続き今日も猛暑。





そういえば昨年も今頃フェーン現象からみの猛暑があり我が家の庭は44℃を記録したのは記録に新しい。






数日前から庭を勢いよく飛翔中の大型のシロチョウ、何者なのか確認出来ないでいたが今朝、8:45 チューリップの葉に止まったところを大口径ネットで捕獲。






やはりオオモンシロチョウ春型♀ A1 と確認。 これが私のオオモンシロチョウ2020年度初見になりました。





後翅をみると交尾の痕跡ははっきりしないが、わが家の庭に執着しているので、きっとわが家のコマツナで育った個体でしょうか。



撮影後リリース。ものすごい勢いではるか遠くへ飛んでゆき見えなくなったが、20分後、同一個体かどうかは断定できないがオオモンシロチョウ1匹がわが家の庭を低く飛んでいた。 



今年もオオモンシロチョウ発生の予感。






オオモンシロチョウ♂孤独死。


2020-6-17 (水)  曇り



そういえば...........。



物置に飼育用大型プラケースに入れたままのオオモンシロチョウ越冬蛹1個を放置しているのに気づいた。





すっかり忘れていた。





危惧していたとおり、オオモンシロチョウ♂は羽化して大型プラケースの中でひからびた様相で死んでいました。





まさに誰にも気づかれない孤独死でした。






おちょこになっているところを見ると徐々に衰弱死というより急激な温度上昇で、たちまち死んだような気がします。








おそらく、31℃の猛暑続きの頃だったと推定されます。






すっかり忘れていて、ごめん。







2020年度も我が家の家庭菜園では 例年のように コマツナ、 ハツカダイコン、ミズナ など栽培しますので夏の終わりあたりからオオモンシロチョウの幼虫が見られるようになる予感がします。







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エゾスジグロチョウ夏型♂の大吸水集団、♀の交尾拒否.......と青い鳥。

2020-07-19 21:50:51 | エゾスジグロチョウ
エゾスジグロチョウ夏型♂の大吸水集団、♀の交尾拒否.....と青い鳥。


2017-7-23 (日)  曇り  22度C


いつもの林道分岐の広場には100頭規模のエゾスジグロチョウ夏型♂の大吸水集団がいくつもみられた。





吸水集団を作っているのは全て♂で♀はみられない。




吸水集団と言ったものの本当に水分を求めて集まっているのか、なにかミネラルを求めて集まっているのかはわからない。



というのは、枯れ木などに集団で集まったり獣糞に集まったりすることも多いので必ずしも水分補給という目的ばかりではないのかも知れない。






ミヤマカラスアゲハ吸水集団では、まさに水を吸ってお尻からぴゅっぴゅと水を飛ばすポンピングがみられるがエゾスジグロチョウはじめシロチョウ科の集団ではポンピングは観察されない。





セセリチョウ科の吸水集団などでみられる吸いもどし行動もシロチョウ科ではみられない。




集団を作る目的もチョウの種類によっていろいろなのかも知れない。




エゾスジグロチョウの吸水集団はミヤマカラスアゲハの吸水集団と異なり、さほど敏感な様子はなく十分に接近して撮影することが可能でした。




それにしても今年はかなりの数のエゾスジグロチョウが羽化したようで実に壮観です。





せっせと撮影。 






吸水集団とかなりはなれたところではヨツバヒヨドリの花に吸蜜中のエゾスジグロチョウ♂がみられました。エネルギー補給中といったところでしょうか。




さらに少し離れた木陰の葉の上にひっそりと止まっているエゾスジグロチョウの♀を発見しました。そーっと近づくと♂の接近と勘違いしたのか、ピッと尾端を持ち上げました。




これはシロチョウ科の♀が交尾拒否を表明している、いわば交尾拒否行動といわれているものです。





すなわち、このメスはすでに交尾済みということです。






かって猛烈ネットマンであった頃の私は稀種ばかりを熱心に追い求め、超普通種代表のエゾスジグロチョウ等にはほとんど興味がありませんでした。




しかし、このブログを始めるようになってからは、エゾスジグロチョウは多くの意味で謎だらけ、さらには生きているこのチョウの美しさにも目覚めてしまい、最高のターゲットになってしまいました。




幸いなことにはオホーツクでは本種と紛らわしいスジグロシロチョウはとても少なく、さらに紛らわしいヤマトスジグロチョウは分布しないことになっているので、これらの奥歯に物がはさまったようなやたらとあやふやな基準での肉眼的同定に苦慮する心配はありません。




少なくともオホーツクの山間部で見られるものの殆どはエゾスジグロチョウとみなしてもさしつかえない状況なのもうれしいところです。










私は日本のみならず世界中の辺境(フロンティア)を回ってひたすら珍しいチョウを艱難辛苦のすえ捕獲して標本を作製、それらをたくさん標本箱にならべては大満足、それを誇示したり、文献や書籍にまとめて発表したりして多くのチョウ収集家・愛好家たちの賞賛の声などをこのうえない快感として過ごしていたような気がします。


しかし、私は年をとり猛烈ネットマンは肉体的・精神的に無理となりました。


高度経済成長と引き替えに殆どの身近な自然環境を失ってしまった日本では、これまでのような採集一辺倒のチョウの趣味は成り立ちにくくなり、さらにかっての熱心なチョウ愛好家の多くは長年の不摂生のせいか、比較的早めの鬼籍に入ってしまいました。


世界の人口の爆発的増加で日本のみならず世界各地でも貴重な自然はことごとく消滅、かっての私の舞台であったフロンティアも、その多くは消えてしまいました。




こんな状況下で、青い鳥を求めて世界中を回り続けてみた結果、実は本当の青い鳥はもとから目の前にあった、今はわずかに残された日本の自然そのものなのだとつくづく感じ入る昨今です。








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ミヤマカラスアゲハ吸水集団と美しい手のひら写真

2020-07-12 23:43:40 | ミヤマカラスアゲハ
ミヤマカラスアゲハ吸水集団と美しい手のひら写真


2017-7-23 (日)  曇り 22度C


朝から懸案の庭の草取りをかなりやった。


午前11時。行こうか行くまいか迷ったが、近郊の湧別川水系渓流の源流域に夏のチョウと、絶滅危惧種VUオショロコマを見に出かけた。


この日は蝶が多かった。丁度羽化したばかりの新鮮なミヤマカラス夏型♂の吸水集団があちこちに見られた。

















この時期はミヤマカラスアゲハの吸水集団の中に、とりわけ敏感な見張り番みたいな個体が必ずいて、撮影しようと慎重に接近するのだが、そいつが急に派手派手しく舞い立ち、つられて吸水集団の蝶たちが全部逃げてしまうことが多い。























接近するとシャッターを切る直前に、一斉にチョウたちが舞い上がることの連続で、どうにもうまく撮影できない。













それでは採集してみようと一網打尽にネットをかぶせると10数頭がネット内で大暴れ、ことごとく尾状突起破損などでボロボロになってしまい、やはり1-2頭ずつ採集するしかない。





















羽化したてのミヤマカラスアゲハ♂の 手のひら写真 は、展翅標本と較べると別な感じで美しく、個体によってそれぞれ独特の羽根の輝きがあって 、とても photogenic だ。






次々にミヤマカラスアゲハの吸水集団をさがしながら林道をすすんでゆくと、昨年秋の大水害の影響で林道が流されてそれ以上進めなくなっており、残念ながら引き返した。






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壮大な屏風岩にジョウザンシジミ新産地発見

2020-07-06 19:45:53 | ジョウザンシジミ
壮大な屏風岩にジョウザンシジミ新産地発見



2020-5-16 (土) 晴れ




この日、かみさん、孫長男君と3人で北見市近郊の山へ山菜採りにでかけた折りのこと。


この屏風のようにそびえ立つ高さ数十mの岩ガケが300m ほどにわたって見られる壮観な場所があり、私は何十年も昔からきっとジョウザンシジミがいるぞと確信していた。



しかしほぼ垂直に近い岩ガケで登ることなど不可能、おまけにガケまでのアプローチは灌木・ササがびっしりと密生し、これまで数度チャレンジしたがそのたびに途中で力尽きてあきらめ撤退している。
  



この日、山菜採りの途中、このガケの前で昼食をとることになった。




ガケの手前の灌木帯をみると、いかにも早春の光景で草木の葉が出ていないためかなり見通しが良くなっている。




今日はこれまでと違ってかなり見通しがよいためガケに到達できそうなルートはすぐに判別でき、私はネットを持ってまっすぐガケに向かった。




近寄ってみたら、やはり思っていたほど甘いルートでは無かったが悪戦苦闘の末、はあはあゼイゼイしながらやっとの思いでガケにとりつくことができて、さらに出来るだけ高いところへと登ってみた。






意外なことにエゾキリンソウがとても少なくキジムシロの黄色い花のほうが目立つ。


エゾキリンソウは少ない。




キジムシロ。








これはジョウザンシジミの環境ではないかも.......と思い始めたら、日溜まりにチラチラ飛ぶ小型のシジミチョウが2匹。



ああ。やっぱりいたかと、長年のおもいがかなってとても感慨深い一瞬であったがすぐに蝶を見失ってしまった。




がっかりしたが、しばらく周囲をさがして10分後に日溜まりにもどるとまた2匹がチラチラ飛んでいた。




てばやく1匹をネット、やや汚損したなんの変哲もない小型のジョウザンシジミ♂。






もう1匹は慎重に近づき撮影したが羽根の先端、やや羽化失敗個体♂であった。この♂はやがて視野から消えてしまった。




足場がとても悪いガケで、これ以上追うことはできない。





そのほかに蝶は見られず、結局ここがいかにも壮大なガケであるのだがジョウザンシジミはわずかに棲息しているに過ぎないような印象を受けた。




♀がいれば採卵飼育してみようと思っていたが、ややその気は失せてしまった。





やっとの思いでガケを降りて灌木帯を突破して車にもどったらヘロヘロに疲れてしまった。





来年でも本格的にこのガケを調査して攻めてみようかどうか、ちょっと思案のしどころです。





あんた、なにやってんの、昼ご飯なくなるよ。
  
  







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エゾマイマイカブリの悲惨な最期

2020-07-02 22:12:44 | 蝶・昆虫・自然・同好会など
エゾマイマイカブリの悲惨な最期


   


2017-9-30 (土) 曇り



庭木のヤマボウシが実をつける季節になった。









ヒダカミセバヤの花満開。



ヒダカミセバヤの花にクジャクチョウたちや セイヨウマルハナバチ3匹が吸蜜にきている。



ふとみると足下にエゾマイマイカブリがいてビックリ。




普段はそれなりの自然豊かな山に多い大型甲虫だ。




いくらなんでも、こんな町中の庭に現れる甲虫ではないような気がするのだが。




しかも、何だかおかしい。 けっこう俊敏に動くはずの甲虫だがじっとしている。




背中からつまんでみたら、簡単につまめてしまい、どうも弱っているみたいだ。




そっと地面に置くと、なんと仰向けにひっくりかえってしまい、苦しげにもがく哀れな状態。




起こしてやると、少し歩いてまた仰向けにひっくり返って虚空をつかむような哀れな脚の動きで明らかに異常。




何故、飛ぶことができない甲虫であるエゾマイマイカブリが、住宅街のわが家の庭にいるのかもわからんが、何か農薬かなにかでやられてしまったのだろうか。





もしかするとキュウリの葉がかなりウドンコ病にやられていたので、先日ウドンコ病防除の農薬をかけた。




わが家の庭にはいろんな巻き貝、カタツムリみたいなのがいてウドンコ病対策の農薬のついた野菜の葉を食べたこれらの貝を襲ったエゾマイマイカブリが間接的に農薬にやられたのかもしれない。










そのまま、弱ったエゾマイマイカブリを放置しておいたがどこへいったか鳥にやられたのか夕方には姿が消えていた。




もし、鳥がこのエゾマイマイカブリを食べたとすれば、その鳥の運命も気になるところです。




そういえば タマネギ、 ジャガイモ、 ビートなど 広大な畑の周囲には、蝶はもちろんのこと まったく昆虫の姿をみることがありません。 農薬の威力であることは間違いありません。





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