北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

モンゴルのクリソセーメモンキチョウ。

2023-03-30 11:20:06 | 採集記・旅行・写真

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モンゴルのクリソセーメモンキチョウ。

 

モンゴルのクリソセーメモンキチョウ (   Colias chrysotheme  ) はウランバートル近郊や北部のフブスグル湖周辺などで記録が多いがおそらくモンゴル全土に広く分布するものと推定されるが調査は不十分である。

 

オスは乾燥気味の広い草原を猛烈なスピードで低く飛ぶ。飛翔中はかなり遠くからもよく目立ち、あたかも縄張りを見張るように巡回するかのごとく飛んでいる。飛翔速度はとても速くあまりに俊敏なので採集の好機はそう多くない。運よく採集できても多くは多少の破損があり完全品は意外と得難い。

 

 

 

 

 

 

 

メスは林間の草地などで発見されるがオスのように乾燥した広い草地は好まない。いずれの産地でも多産はしない。

 

 

年ニ化。モンゴル以外の地域ではソラマメ属、ゲンゲ属の植物が食草として報告されているがモンゴルでの幼生期の知見は未知。

 

 

 

 

オスは亜外縁の黒い縁取りに多少の個体変異が見られるがおおむね翅形斑紋は均一である。よく似たColias viluiensisのオスと比べると黒帯の幅が広く支脈が白く見えるので区別可能である。

 

 

 

 

メスは変異があり美しい個体が多い。未だ多数個体を検する機会はなく、モンゴル産がどのような亜種になるのかは不明。

 

 

 

 

簡易式遊牧民の住居ゲルをたたんで、ヤクに引かせて移動中。

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北海道昆虫同行会会誌 jezoensis 49 (2023)  発行。

2023-03-26 16:54:34 | 北海道昆虫同好会

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北海道昆虫同行会会誌 jezoensis 49 (2023)  発行。

 

コロナ下で以前とは状況が大きく異なり関係各位の方々は原稿収集や編集・発行に大変なご努力があったようですが、かってない力作や新知見満載の 北海道昆虫同行会会誌 jezoensis 49  Ⅰ-Ⅱ号が発行の運びとなりました。 

 

今回は原稿量が多く2冊の分冊形式で発行しています。

 

発行日は 2023-2-28 ですが皆さんの手元には多少遅れて届いたかもしれません。

 

全国的にご高齢の昆虫愛好家の方々の訃報が多くみられた2022年ですが、本会でも10名もの方々が亡くなられています。

 

本当に残念なことです。

 

一方、新入会員も9名あり、2022-10-31の会員数は318名でした。

 

jezoennsis はこれらの会員に配布されますが、貴重な報告、論文、調査報告など、会員諸氏のみならず、さらに多くの方々の目にとまるように、ほんのさわりだけですが例年、このブログで広く公開しています。

 

もし 全文に興味がある方がおられましたら ぜひ  事務局にメールなどいただいて jezoensis を購入していただければ幸いです。

 

北海道昆虫同行会会誌 jezoensis 49  Ⅰ

このウスバシロチョウの股ぐらが真っ白なのがおわかりでしょうか。

 

 

アポロウスバシロチョウとアクチウスウスバシロチョウとの自然雑交個体。

 

アポロウスバシロチョウ雌雄型。

 

 

ベニシロチョウ雌雄型および色彩異常。

ルマンゾビアアゲハ(アカネアゲハ雌雄型)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北海道昆虫同行会会誌 jezoensis 49  Ⅱ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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モンゴルのミドリヒョウモンの謎と北海道におけるミドリヒョウモンの減少。

2023-03-01 16:49:29 | 採集記・旅行・写真

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モンゴルのミドリヒョウモンの謎と北海道におけるミドリヒョウモンの減少。

 

当初は、モンゴルは草原と砂漠の国といった呪縛のような固定概念があったため、森林性のチョウの代表ともいうべきミドリヒョウモンはモンゴルにはいないだろうと考えていましたが、それは大きな誤りでした。

 

 

 

1994-7-20 にウランバートル北西の避暑地ボルガンのボルガン山の森でモンゴルで初めてのミドリヒョウモン1オス1メスを採集して感激しましたが、それら以外は見られなかった。

 

 

その後もミドリヒョウモンを見ることはなく、毎年のモンゴル各地での採集が続きました。この間、やはりミドリヒョウモンは全く見かけることがなく、本種はモンゴルではとても珍しいチョウとの認識のままでした。

 

 

 

 

ところが 2000-7-2 に久しぶりにボルガン山を訪れた時、林道の道沿いの草地に、おびただしい数のミドリヒョウモンが発生しており我が目を疑ってしまいました。これは一体どうしたことだろう。

 

 

日本のミドリヒョウモンの生態を思い出すと、その謎はすぐに解けました。ヒョウモンチョウ属のチョウにしばしば見られる夏眠です。

 

 

 

 

初夏、一斉に羽化した多数のミドリヒョウモンたちは夏の高温環境を感じると、涼しい高山帯へ移動したり、あるいは夏眠状態に入って動かなくなり、夏の終わりから初秋にかけて涼しくなると夏眠から覚めて活動を再開します。

 

 

 

 

 

おそらく最初に1オス1メスを採集した 1994-7-20 には多くの個体がすでに夏眠に入っていたのだと思います。 2000-7-2 に見られたおびただしい数のミドリヒョウモンは夏眠に入る前の個体たちだったのではないでしょうか。

 

 

 

本種は温帯域の森林地帯を中心に世界各地に分布しています。 我が国では特に珍しいチョウではないと考えられてきましたが最近ではどうでしょうか。

 

 

 

 

 

温暖化のせいか、近年、南方系のチョウが北上する傾向が見られます。北海道オホーツクでは、かってはほとんど見られなかったメスグロヒョウモンが急速に勢力を拡大して、今ではごく普通にみられるチョウになってしまいました。

 

 

 

 

一方、本来オホーツクでは全くの普通種であったミドリヒョウモンは、いつの間にか明らかに減少していると感じています。

 

 

 

 

 

 

ミドリヒョウモンのオス裏面は、とても美しく、うっとりしてしまいます。 メスは明るい翅表と、暗い色調の翅表2型がありますが モンゴルでも同様で、外見は北海道産個体群と比べてあまり違いはないように思われます。

 

 

 

 

 

表示したミドリヒョウモンは全て、モンゴル産です。 ミドリヒョウモンメスの生態写真はウランバートル近郊の山地で吉田嘉男氏が撮影しました。

 

 

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