北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

雨季のアンデスアマゾン山岳地帯の蝶たち

2023-11-29 17:52:41 | 南米の蝶

 

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雨季のアンデスアマゾン山岳地帯の蝶たち

 

5月上旬の南米ペルー、アンデスアマゾンの山岳地帯。シャンキーという山深いインディオ居住区に蝶採集の目的で出かけた。 ガイドのイバン氏は山のふもとでインディオの人に何がしかの心ずけ( 入山料 ? )を払ったようだった。

 

 

同行したペルー人のイバンとロコの両氏は山で会うインディオの人たちにはこまめに挨拶したり、車の荷台に載せたりして気を使い、印象を良くするように努めているようです。

 

 

 

雨季のどろんこ粘土質の林道は難所が多く、はじめはロコ氏が運転していたが難しい難所では腕自慢のイバン氏が運転を替わり突破した。

 

 

この日は 美麗蝶カキカモルフォを期待して行ったのだがトラップをかけてもパトロクルスモルフォが時々飛来する程度でモルフォは少なかった。

 

どんずまりで道は通行不能なまでに荒れてしまい、それ以上は四駆のトヨタ車も進むことは不可能になってしまいました。

 

 

 

大物はいなかったが、たくさんの見慣れぬ小型の蝶たちが吸水しており、せっせと撮影・採集を行った。

 

 

 

気温が下がり、雨が降り出し結局大した獲物はなく引き返すことになった。途中で美しいパリデスを何度も取り逃がした。

 

 

 

ここにお示しした蝶以外にもシャンキーでは実に多数の名も知らない小型の蝶類が見られましたが、全てを採集したり撮影するには時間が足りませんでした。

 

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グアテマラで採集されたシロモルフォ( M.polyphemus )について。

2023-11-28 15:18:55 | 南米の蝶

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グアテマラで採集されたシロモルフォ

( M.polyphemus )について。

 

 

旭川医大寄生虫学教室の稲岡徹先生とは当時懇意にしていただき アニサキスやサナダムシ(日本海裂頭条虫)を共同研究したこともあります。

 

 

彼が中南米のグアテマラへ寄生虫調査にでかけたおり、蝶好きの私のために結構多数の蝶を採集し標本を持ち帰ってくれました。

 

 

 

比較的地味な蝶が多かったなかで、ひときわ目立ったのが、シロモルフォでした。

 

 

 

とてもありがたく感謝しましたが、当時やたらと多忙で、おまけにグアテマラが中南米のどこにある国かもわからず、貴重な標本類はシロモルフォとアゲハチョウ科の蝶を数匹展翅したのみで、しまい込まれてしまった次第。

 

 

 

 

今回、なんとなく手にした標本箱にシロモルフォを発見、当時を思い出しあらためてシロモルフォやグアテマラについて少し調べてみました。

 

 

グアテマラ概要。

 

メキシコに接する中南米の小国グアテマラは、かってはスペインの植民地だった。

 

 

 

 

多民族国家で人口1790万人、公用語はスペイン語。

 

 

バカヤ火山をはじめ活火山が多く、それらが貴重な観光資源になっているが、しばしば爆発して火山灰で飛行機が飛べなくなったりして話題になるようだ。

 

 

 

戦乱と火山爆発・地震など自然災害も多いグアテマラの歴史はとても複雑で、読んでいるうちにイヤになって途中で止めた。

 

 

中南米の グアテマラ Guatemala は西はメキシコ、東はベリース、ホンジェラス、エルサルバドル と 国境を接しています。一応、大西洋にも太平洋にも接しているようです。

 

 

 

 

 

長らく続いた国内内乱は1966年の停戦で治まったようだが、貧困率が高く、メキシコからの麻薬組織の流入やギャング団が現存し、各種犯罪や誘拐事件が日常的に発生し、今でも治安はかなりよくないらしい。

 

 

 

コーヒー、バナナ、砂糖、コーヒーが主要輸出品。国境地帯にはいまだ熱帯雨林が残り多彩な生態系が特徴で生物多様性のホットスポットとされる。

 

 

 

 

 

Morpho polyphemus  Doubleday and  Hewitson, 1847.   シロモルフォ。

 

 

 

ダブレラの図鑑などによればメキシコ? から中南米に分布するとされ Costarica  が南限とされる。

 

 

♂♀はよく似ており♀はやや大きいと述べられている。

 

 

シロモルフォメス表面

 

 

シロモルフォメス裏面

 

しかしそれ意外は記載が無く、ネットレベルで調べた限りでは、このモルフォの全体像はあまりよく知られてはいないようだ。

 

 

シロモルフォ オス表面

 

 

 

シロモルフォ オス裏面

 

 

 

 

低標高から1200mくらいまでの山地に棲息し、飛翔はやたらと速く不規則( extremely rapid and irregular ) とされ、稲岡さんは採集にかなり苦労されたのではなかろうか。

 

 

比較的稀なモルフォとされています。我が国ではシロモルフォと呼ばれています。ネットでの写真をみると、案外交配や累代飼育もされているようです。

 

 

 

 

ついでに

 

Eurytides thymbraeus ssp . ♂  ヘリボシジャコウタイマイ

 

メキシコでは稀でないらしい。メキシコ産は2亜種が記載されているがグアテマラ産についてはどうなのだろうか。

 

 

 

 

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2023年度北海道昆虫同好会総会のオークション。

2023-11-22 13:55:09 | 北海道昆虫同好会

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2023年度北海道昆虫同好会総会のオークション。

 

 

 

2023-11-11( 土 ) 札幌は晴れ + 4.3 ℃  寒い。

 

宴も一息ついた頃、恒例のオークションが始まりました。今回は出品がとても多く、時間的に全てをオークションにかけることが難しく、後半は各自の自由販売みたいな格好になりました。

 

音頭取りは恒例の、竹中昭彦、杠 隆史(ゆずりはたかし)両氏が中心に行いましたが、特殊なものは出品者自らが出品したものを解説しオークションに持ち込むパターンとなりました。

 

今回も以下にオークションの写真を紹介しますが、実はオークション現場は、とても動的な環境で、せっせと撮影したものの、ピンボケばかりで まともに写っていた写真は意外に少なく、全体像を的確に紹介するのは難しかったことをご容赦ください。

 

 

モルフォ類は南米の蝶に強い竹中昭彦氏の音頭取りで盛り上がります。

南米はキラキラ系が多い。

 

スルコウスキーモルフォのオスメスセット。

 

ヘレナモルフォのオスメスセットに思い切り手をあげる島谷氏でした。

 

モルフォセット、ゲットして嬉しそうです。

 

 

これだけ集めるのには当初、数十万円はかかったと思いますがデカトリバネたちは昨今、意外と人気がないのです。竹中氏も苦戦。

 

 

私はモンゴルの蝶以外には興味がないのだ。

 

 

 

 

 

 

今回は、なぜかこの綺麗系ゴクラクトリバネの出品が多かった。

このキレイ系な女性は美麗な蝶に目がキラキラしているが自分の手は上げない。

 

 

落札したのをせっせと撮影させてもらっています。最近は物そのものよりも写真の方に価値がある時代かも。

 

 

 

 

 

これはヒメウスバシロチョウですが、ただのヒメウスバではありませんよ。じゃんジャン。

 

 

 

 

 

 

最近は、箱ごと出品のパターンが増えてきました。これだけ集めるのにはいかに苦労したかが

しのばれます。

 

これは、採集鬼と賞賛される一方、蝶たちには極度に恐れられているM氏が発見した北限のリンゴシジミ。ラベルに価値あり。

 

 

 

今、オオゴマシジミが熱い。

 

 

 

 

 

 

 

とうとうクロオオイチが出てくるようになりました。近年、層雲峡大雪ダム界隈のクロオオイチブームは収束したかに見えます。

 

 

 

憧れのオオイチモンジのメス、6匹も。

 

 

 

 

 

アオタテハモドキの蛹 20個。これは私がなぜか執着し、競り勝ってゲット。写真なし。

 

 

 

 

 

ルーミスシジミ、挙手しようとする私の手を止める人がいて、あのね、今年大発生しましたよだと。ルーミス、欲しかったのに。

 

 

 

 

 

これは凄い。ヒサマツミドリシジミおす の野外採集品。

 

 

 

今年は結構採れたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

延々とオークションが続き、最後は音頭取りもバイヤーたちも完全に疲れ果て、かなりだれてきてしまいました。

 

 

 

とうとう投げ売りまで始まり、こっちは結構人気でした。

 

 

 

普段、ひよーほん にはあまり興味がない渡辺康之氏まで昆虫少年にもどって甲虫の箱をのぞいています。

 

 

これらの綺麗どころ標本はかなりかたずいた模様です。

 

 

 

 

アルコールもかなり回ってみなさん結構出来上がったところで2023年度総会懇親会オークションは盛会のうちに終わりました。

 

 

まだ元気のある方々はススキノに繰り出した模様。

 

 

飲み足りないし、話し足りなかった6人が明け方3時までやっている近くの居酒屋、飲み放題で気勢をあげました。最後はアルコールがまわって同じことを何回も話すようになった人が出たところでお開きになりました。

       おしまいです。

 

 

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2023年度北海道昆虫同好会総会・懇親会

2023-11-18 21:09:41 | 北海道昆虫同好会

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2023年度北海道昆虫同好会総会・懇親会

 

 

新型コロナイィルス蔓延のため、毎年中止されてきた北海道昆虫同好会総会および懇親会、オークションがいつもの札幌ホテルニューオータニで4年ぶりに再開となりました。

 

2023-11-11( 土 )午後3時から評議員会。

会計など会の財政その他には特に問題なく、めだったのは会の中心的存在であった古参会員が、三年ほどの短期間でなんと15名もが鬼籍にはいられていたことです。限りない喪失感におそわれてしまうと同時に人ごととは思われない方々も多いのではないでしょうか。 全国的にもその傾向は顕著で主としてチョウの愛好家を中心に多くの昆虫愛好家・研究家が亡くなられています。

 

 

幸い、若い新入会員も多く一安心ですが、このさい会の運営には若い会員にも積極的に参加してもらう方向ずけがなされました。

 

長年、評議員会が一息ついたらでてくるのは毎度このケーキ。

 

 

 

総会・懇親会。

 

 

菱川会長のあいさつ。

 

 

 

 

いつも本格的な会計報告。ご苦労様です。

 

 

 

 

今回の北海道昆虫同好会大賞は ラインを駆使するなど オオゴマシジミの探索に多方面から尽力された高木秀了(たかぎひでのり)氏が選ばれました。

 

 

 

 

同トロピカル大賞は、エゾエンシス、ウスバキ の編集担当で会に大貢献されてきた坂田潤一氏のその他 奇行の数々? が高く評価され選ばれました。

 

高木氏も坂田氏も大きいね。

 

 

 

期待の多数の新入会員のみなさんのご挨拶。今後の会の命運はこれらの方々に大きく依存してゆきます。

 

 

 

 

 

 

 

みなさん、この数年間に、たまりにたまった思いを吐き出すかのように、飲むのも忘れてよく話すこと、よくしゃべること。たいそう盛り上がっています。

 

 

 

 

私、ヒゲのばしてみました。

 

 

ボクのヒゲはスタジオジブリのおじさんのと似てるとおもいませんか?

 

 

 

 

 

この女性たちは蛾や甲虫が好き。会長はいつもチョウ好き。

私、先日、北海道利尻島に行ってきました。 リシリヒトリ採りに。  蛾女さんでした。

 

 

 

 

 

 

モンゴルのウスバキです。

 

 

 

 

アポイ岳のヒメチャマダラセセリの保護活動では苦戦しています。

 

 

 

恒例のくじ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロナ下で国内ヒコーキが飛ばないモンゴルへ出かけ、悪路の自動車事故で大けがをしましたが、今は元気です。

 

 

 

キタアカシジミ   サハリンのチョウ   ジョウザンシジミ  について話し出したら止まりません。

 

 

 

 

 

このあと、恒例のオークションに移ります。

 

 

 

    この項、続く。

 

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札幌時計台に入ったら北大の大先輩たちと対面した。

2023-11-16 15:58:30 | 北海道昆虫同好会

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札幌時計台に入ったら北大の大先輩たちと対面した。

 

 

 

札幌に住んでいたのは、もう半世紀も前のことで、当時は時計台はそれほどの観光資源的なものでもなく、私もとくに意識することもなく時計台のあたりを歩いていたのだと思います。

 

 

 

当時、札幌の観光客の間では北大農場の見事ななポプラ並木の方に人気があったように思います。

 

 

 

時計台の鐘が鳴る といった曲や、私たちは時計台の鐘が鳴るサッポロの市民です といったフレーズが流行ったりしていたような時期がありましたが、私自身は大して興味はありませんでした。

 

 

そういったわけで、今日も単なる時間つぶし的な感覚で、お安い入場料200円を払って、初めて時計台の中に入りました。

 

 

 

一階に色々と、一見地味な時計台関連のものが展示されています。

 

 

 

私にとってはさほど面白そうなものもなくそれらを横目で見ながら二階へ上がるとそこは広い演舞場、時計の機械装置なども展示してあり、意外と沢山入館している観光客の皆さん、せっせとスマホ撮影に余念がありません。館内撮影は自由。

 

 

 

 

 

 

私も少し撮影して、やっぱりつまらなかったなあと思いながら階段を降り出口へ向かいました。

 

 

 

 

 

 

出ようと思ったら、見落としていたコーナーがあり、そこには札幌農学校(  現北海道大学 )出身の有名人たちの写真と業績がずらりと展示してあったのです。

 

 

 

 

 

おお、わが母校北海道大学の大先輩たちだ。

 

 

 

 

 

食い入るようにそのコーナーを見はじめたのでした。やがて、野心に満ちていた学生時代を思い出し、熱くこみ上げてくるものがありました。

 

 

 

 

 

我が大大先輩、松村松年博士は、昆虫学者としておびただしい数の種・亜種を記載しています。例えば、北海道に産するオオイチモンジは白斑の発達が良いとして 亜種 Limenitis populi jezoensis Matsumura, 1919.  を記載、後翅裏面白帯が幅広い北海道産  ウラジャノメを  Lopinga achine jezoensis Matsumura,1919  として記載する など枚挙にいとまがなくその数 数千~数万とも言われます。 ちなみに 小型かつ眼状紋が小さいウラジャノメ利尻島亜種  Lopinga achine oniwakiensis Y.Yazaki et Hiramoto,1981.は私が記載しています。

 

 

 

 

宮部金吾博士は北海道然別湖に棲む大型湖沼型オショロコマを研究され、Salvelinus malma miyabei Oshima, 1938 として大島正満博士により亜種記載がなされており、今日、広くミヤベイワナの和名で呼ばれている事はあまりにも有名です。

 

 

 

これら多数の先人偉人・大先輩たちの写真を前にして、思わず 30分ほど立ちつくし、何度も解説を読んだりして感慨にふけってしまったのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

急に時計台に興味が湧き始め、もう一回最初から見ると、展示品は案外興味深いものばかり。

 

少年よ。大志をいだけ。のクラーク博士。

 

 

 

太平洋戦争の前は日本とアメリカは意外と仲が良くて特に民間では仲良し交流が盛んだったようです。

 

 

 

 

 

 

時計台は何度も修繕、改築、塗装がおこなわれてきて、最近やっと現在の形や色彩になったようです。

 

 

 

とある晩餐会のメニュー。

 

 

当時、エゾシカはよく食べられていたようです。

 

 

しかし、白鳥を食べていたのはびっくり。白鳥は美味しいのでしょうか。

 

 

 

 

Etc  , etc………….。

 

 

 

北海道昆虫同好会の会合評議員会が 15:00 からで そろそろ時間が迫っており、もう一度最初から時計台内の見学ルートを回ってから外に出ました。

 

 

 

生きた化石などと言われるメタセコイヤの大木がありました。私も昔メタセコイヤの化石探しに夢中になったことを思い出しました。

 

 

 

少し歩いて 本日の北海道昆虫同好会総会の会場のホテルニューオータニに到着、チェックインしました。

 

 

 

 

         この項、続く。

 

 

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