北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

エゾシロチョウ続々と蛹化、アオムシコマユバチ繭塊増加。

2015-06-06 20:35:44 | エゾシロチョウ 
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2015-5-24(日) 晴れ

エゾシロチョウ続々と蛹化、アオムシコマユバチ繭塊増加。

庭の赤ボケではエゾシロ終令幼虫が続々と蛹化し続けています。

黄色く鮮やかなのは♂の蛹、やや白っぽくて大型の蛹は♀。この蝶は蛹で♂♀がよくわかります。


これは♂の蛹です。接するようにアオムシコマユバチの繭塊。


これは♀の蛹。

あちこちでアオムシコマユバチの繭塊が増え始め、寄生蜂幼虫が出てきたエゾシロ幼虫は、その繭塊にせっせと糸をかけて強靱なものにすると同時に、命がつきるまで何も食べずにその繭塊に張り付き、体を張って守り抜きます。




このエゾシロチョウ幼虫ははや力つきそうですが、まだ生きています。









これは繭塊をまもるべき幼虫がみえず、無防備状態? の繭塊。


長距離移動した後に寄生蜂がでた前述の幼虫をみますと、この日、この幼虫が守ってきた繭塊はすでにいくつかの繭からアオムシコマユバチが羽化し始めていました。





やせさらばえたエゾシロ幼虫はこの抜け殻まじりの繭塊を依然として守ってそれにしっかり張り付いていました。

アオムシコマユバチは一斉に羽化するのではなく段階的に羽化してゆくようです。

多数のエゾシロ幼虫の食害で枯れ木みたいになっていた赤ボケの枝にみるみる新しい新芽が吹いてきました。


アオムシコマユバチによる適切な発生量コントロールがあるかぎりエゾシロチョウは食樹そのものを枯死させることはないように思います。もし、アオムシコマユバチによるコントロールが失われれば幼虫大軍団は猛烈な勢いで葉を食べ尽くし、その結果、全幼虫が餓死・全滅する可能性が無いわけではありません。

韓国ではエゾシロチョウがごく最近になってほぼ絶滅しました。北海道でのエゾシロチョウの発生状況をみるかぎり、エゾシロチョウが消えてしまうなど想像できないことです。

韓国でのエゾシロ壊滅の原因には興味があるところですが寄生蜂などによる発生量コントロールが効かなくなった可能性はないでしょうか。

  この項、続く。 もうしばらくエゾシロチョウのドラマが続きます。


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