アンデスアマゾン山岳地帯、雲霧林の妖精、Morpho sulkowskyi スルコウスキーモルフォ を採集。その弐
カラバサのスルコウスキーモルフォは陽光がないと飛ばない。
急峻な山の斜面を覆い尽くす樹林のなかから 1 頭がぽっと現れふわふわと木々の梢をかすめるように飛びながらこちらへ降りてくる。
じっと目で追うが、なかなかネットの射程距離には入らない。
別の 1 頭が、突然、後方から飛来、私の頭をかすめて目の前に現れた。
動転して反射的に振ったネットは空を切る。
さらに次々と数頭のスルコウスキーモルフォが私の前をふわふわ飛んで行く。
ますます動転して全部空振りして最後はバランスを失い、地面にもろに倒れて頬を石に強打した。
こんなひどい転び方をしたのは生まれて初めてだ。
恐らくこのふわふわした、とらえどころのない飛び方は日本や東南アジアの蝶の飛翔パターンとは明らかに異質のもので、最初は不慣れのためネットがついてゆかない。
空振りを繰り返すうちにやっと最初の 1 頭を捕らえた。生きているスルコウスキーモルフォの美しさは言葉では表現出来ない。
上品な真珠のような構造色は、陽光の加減や見る角度で千変万化する。
飛翔中は陽光が弱い時は透明感のある黄色味を帯びた乳白色。
陽光が強いと青みを帯びた銀白色にふわふわきらきら輝き美しい。
羽根はかなりもろくて衝撃に弱いので採集時にも破損しやすい。
このモルフォはトラップにはこないので蝶道をみつけて待ちかまえてネットで採集するしかない。
ここでは晴れ間が少ない雨期の高山帯の雲霧林に発生するために一般的にはスルコウスキーモルフォ採集の好機は稀であるといえよう。
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