パンダとそらまめ

ヴァイオリン弾きのパンダと環境系法律屋さんのそらまめによる不思議なコラボブログです。
(「初めに」をご一読ください)

Step It UP! 2007 National Day of Climate Actionなど

2007-04-14 23:51:06 | 環境ネタ
 今日はスカッと晴れて絶好のアクション日和!? ってなんのことかというと、今日全米中で温暖化イベントが企画されていたのでした-Step It Up 2007あらゆる団体が徒党を組んで、 "Step It Up Congress: Cut Carbon 80% by 2050."(いくぜ、議会: 減らそうCO2 2050年までに80%)というのがメッセージだそうで、主催者曰く"the largest the largest day of citizen action focusing on global warming in our nation’s history."(温暖化にフォーカスした、米国史上最大の中の最大の、市民活動)だそうです。そりゃそうでしょうねぇ~、だって集まったイベントの数1400以上ですよ

 New Yorkでもいろいろあったハズですが、バッテリーパークのイベントが面白そうだったので、丁度パンダさんが音楽理論でスタテン島に行くのでついでに2人で覗きに行ってみました。
 何が面白いって、「ゼヒ青い服を着てきてね、んで海面が10フィート(3m)上がった時の海岸線を青服軍団でラリーします」っていうお馬鹿な企画。もちろんいい意味でというか、そんなに上がるの2百年後ですよとかいうツッコミは野暮というか、何でも楽しもうとする発想はホント頭が下がりますよ。だって行ったら謎のお魚着ぐるみ&狼チックな北極グマ着ぐるみがお出迎えですよ。
    
お腹は鯨っぽいけど背びれがあるし(・ ・?) っとまぁ皆思い思いに集まってきてたらステージで熱っぽいトーク開始。主催者に続いて下院議員Anthony Weiner(NY9区、D、写真左)や、今回のイベント全体のメイン・キャラで近著のDeep Economyも好調っぽいBill Mckibben(写真右)らが登壇。さすがというか特に議員の方演説うまい。
 
間に挟まってたゴスペル説法風はイマイチだったけど。この後パールストリート辺りまでラリーする予定だったけど、パンダさんのフェリーの時間ってことで我々はこの辺で。それでも集まった人達2000人以上のパワーを感じるには十分過ぎましたけどね。
 
 んで、実はフェリー乗り場にも行ってみたかったんです。パンダさんにも聞いていたのですが、スタテン島フェリー乗り場で大々的にリサイクルというより分別収集を始めたってことで。今始めたんかい、グランド・セントラルではやってるし、もっと言うと日本では駅のゴミ箱が分別になってないなんて今や考えられないし、別にどうってことはなーいと思ったあなた! というより私ですが、行ってビックリしたのは設置それ自体というよりはディスプレーの仕方。
      
まずデカイ。んで色が目立つ。何よりもEvery Single Postというか柱という柱に設置してある。こりゃぁースゴイ。集中的にディスプレーして印象に残すってかなりクラシックな手法なハズですが、実際こうしてやってみると「ン、ナンだこりゃ」と思わないハズがない。何でもやるときは徹底的というか、思いきりアメリカンな一面だし、こんな単純なことでも工夫次第で面白くなるのかと思った次第で。

 んで、もうすぐアース・デイ(22日)なので、イベントが目白押し。今日からはグランド・セントラル駅がアース・デイのイベント会場に。まずメイン・コンコースがクリスマス時みたいなスライド・ショー会場に。
    
ちなみにネイチャー系ヒーリング音楽がかかってます んで、お隣のよくマーケットやってるところでEarth Fair 2007とかでいろーんなブースが出てるんです。UNDPやEPAからオーガニックショップまで、いろいろ。すごい活気。
   

っとまぁ短時間でいっぱい環境ネタに触れたわけでした。アメリカがこうなっていくことを望んでいたわけで(いやまだ十分じゃないですけど)喜ばしい限りなのですが、ちょっと複雑というか、何だかんだ言ってやっぱりアメリカはスゴイパワーだな、こりゃというか、いろいろ思う所はあったわけですが、長くなるのでまぁこの辺で。

国連条約 - A Threat to U.S. Sovereignty?

2007-04-12 23:58:08 | ロースクール
 昨日の話ですが、United Nations Association of USAという怪しさ満点の団体などの主催で"U.N. Treaties – A Threat to U.S. Sovereignty?"と題する講演会を大学でやったので聞いてみました。コロンビア・ローのアルバレス教授(American Society of International Lawのプレジデントでもあるらしい)がメイン・スピーカー。
 感想はぁ・・・(期待)ハズレ。この手のって違う意見の人が混じってないと話しが盛り上がらないというか何と言うか、他はモデレータ-しかいなくて、「講演」とモデレーター含めた質疑応答セッションで終わっちゃうのは話しの面白さを割り引いても正直物足りない。こっちでよく見るフツーのパネル・ディスカッション形式(モデレーターがいて、パネラーが3人ぐらいいて、順にプレゼンして、その後ディスカス)で対立する意見とのコントラストが見たかったなぁ。

講演自体は冗談交じりで面白かったんですが、内容はこんな感じ↓
○条約、特にUN条約はBounded Rationality(というよりIrrationality)に基づく批判にさらされてる
 ・条約はCommunist, Third World (& Hollywood) Conspiracyだ
 ・条約はGlobal Bureaucratsの主権侵害
 しかし、そんなことはない、条約形成過程でアメリカが影響力がないことはない、彼らが批判しているのはむしろ自国の外交官達。
○例えば190カ国*が締結しているConvention of Rights of Childrenは、締結によって「親の権利を破壊する」とか、「親を訴追され、子が外国Enforceチームに取り上げられる」とか、ひどいのは「母の死を喜ぶことになる」という批判まである。 (注:国連加盟国は192国。未締結はアメリカとソマリア)
 しかし、基礎中の基礎だが、自動執行力のある条約でしか「訴える」ことはできない。反対者が批判しているのは条約ではなく自国の政治家。
○国際法のベネフィット(時間、郵便、車etc)は数え上げればきりがないのに、過小評価/無視されている。互恵的な観点からも理論的整合性からも米国は信頼性を失っている。
○「主権」は、何者にも支配されないという伝統的意義は現代社会では通用しない。国連を通じてしか国際法のベネフィットを得ることは困難なのであって、国際法は米国の主権の脅威ではなく、逆にどーしても必要なもの。

 細かい具体例は満載で面白かったけど理論的な部分は見てのとおりNothing Newだったのがちょっと不満だったのかな。本当に知りたいのはどーしてIrrationalityが発言力を持つかだったり、今や皆打ち揃って賛成するらしい(ネオコンのボルトン前国連大使まで)国連海洋法条約がなぜ上院でストップするのかとか、率直に言って米憲法のデザイン・デフェクトなのでは?とかなんですけどね。例えば環境ネタだと、まぁ実際に義務が生じるバーゼル条約や京都議定書はさておき、基本的にありがたーいテキストが続くだけの生物多様性条約を締結しないというセンスは理解できないわけで(これも未締結はアメリカとソマリアだけ)、ジェノサイド条約締結に40年かかったみたいな話もあったのですが、個々の政治局面のせい、例えばブッシュ大統領のユニラテラリズムのせいにできるレベルじゃないのではなかろうか? 
 質疑で米憲法のデザイン・デフェクトの話しにもなって、興味深いのはNAFTAやWTOは通常の上院2/3ではなくて、Congressional Executive Agreement(行政協定+両院それぞれ過半数の賛成)により(ギリギリで)締結されてるってこと。そう、皮肉なことに一番強力で、主権を侵害しているのはNAFTAやWTOなんですよね。「主権侵害」というのが丁度いいプロパガンダになってるいい証拠じゃないかという気もしますし、逆の見方をすると連邦憲法の正しさ!?が証明されてると言えなくもないような。

素朴な疑問~新聞の国内版と英語版は違うんですかね?

2007-04-10 23:57:19 | Weblog
 ちょっとしたコネタというか素朴な疑問なのですが、日本在住の米国人AMPONTANさんのエントリ(4/10)経由で、朝日新聞英語版の記事が目に留まりました。 Foreign firms feel the heat from Chinese backlash(4/5) (外国会社が中国の反動に手を焼いている)
 But the honeymoon with foreign companies may be over. Local governments are now finding ways to "bash" them for doing business in China. Famous brand names in particular, such as Louis Vuitton, Burberry and Starbucks, are finding themselves the target of this sudden backlash.
 Last December, the industry and commerce bureau of the government of Zhejiang province in the coastal areas put to the torch a huge pile of foreign-made shoes, such as Louis Vuitton and Trussardi, at a garbage dump in the provincial capital Hangzhou.
 "The quality of this imported shoe is inferior," read a notice tacked to the pricey European footwear.
(が、外国企業とのハネムーンは終わったようだ。地方政府は中国で事業展開する外国企業に打撃をくらわす方法を探している。特に有名ブランド、例えばルイ・ヴィトン、バーバリーやスターバックスが、突然攻撃対象になっている。
 昨年12月、沿岸部の浙江省商工局は、省都の杭州のゴミ処分場で、ルイヴィトンやトラサルディなどの外国製靴の巨大な山を燃やしてしまった。
 「低品質品」 高価なヨーロッパ製靴への注意書きだ。)
へぇ~、そういやぁSKIIとかもやられてたよなぁ、相変わらずヒドイことをしているのねぇ~、中国の地方の腐敗ぶりは全くどうしようもないなぁ~、中国にはいくつもの中国があると言ってた去年の同級生(地方も北京も知ってた)の言うとおりだよぉ~、と思いながら折角なので日本語版もクリッピングするかと思って探してみたのですが・・・

 見つからないんですよ

探し方が悪いのかなぁ(・ ・?)  アジア記事を見ても中国特集に行っても「中国」と検索して該当日付を見てみても(コレコレ)、記者名で検索しても出てこない。IHTと共同クレジットの記事だから朝日新聞は国内版に掲載できないのかと一瞬思って署名を見てみたら「BY KEIKO YOSHIOKA, THE ASAHI SHIMBUN」なんだけど。
 
[ なーんか釈然としない。この記事の内容が特にそうだからなのですが、何となく理屈がどうこうより「中国だから」という論調が目に付くからいろいろ邪推しちゃうというか。こっちのリベラルな、例えばNew York Times(一人キョーレツに変な記者がいますけど)はこの手のCorruptionだったり人権特にチベットだったり環境汚染だったりで中国バッシングは当然ように強烈なわけです(そりゃそうだ、非民主主義なんだから)。朝日の上記の記事もそういう感覚では自然だし、やればできるんじゃんと一瞬思ったんですが、国内版にないって、そもそも新聞の国内版と英語版は違うものなんですかね(・ ・?) 国内向けと対外向けの二枚舌だとしたら言葉もないというか、というか国内版でこういう記事を書けない社内検閲事情でもあるのかよく分かりませんが、折角のこの分野には珍しくいい記事が日本向けには日の目をみないのは何とも残念でなりません。]

※追記 やっぱり!?探し方が悪いだけでした(コメント欄参照) 直前の[ ]で囲ったパラグラフ全体がナンセンスな邪推になったわけですが、偏見が誤った結論を導くネタとしておいて置きます。

ミニ・ディベート ~ US Foreign Relation

2007-04-09 23:52:59 | ロースクール
 今日はUS Foreign Relationというマニアックな授業でミニ・ディベートがありました。実はイースターブレーク前先々週木曜にやる予定だったので、せっせと準備したのに、その日は前のディベートが長引いて結局空振りになってたんです(>_<) まぁその前のネタはICCの合憲性だったのでそりゃぁしょうがないかって感じだけど。

 我々のテーマはICJのAvena事件(Mexico v. U.S.、米国敗訴)の判決が米国内(の裁判所)で執行可能かどうか?というまぁマニアックなことです。連邦最高裁のMedellin v. Dretke 125 S. Ct. 2088 (2005)の事案。テキサス州裁判所に戻って、また多分連邦最高裁に戻ってくるだろうからopen questionですね。
 この授業をとるまでよく知らなかったのですが、米国の条約ー法律の関係はLast-in-Time Rule(同位で後法優先)というのがWell Establishedになってます。まぁそれはそれで一つのやり方。で、本件でトリッキーなのが、
 1963 ウィーン領事関係条約
 1996 反テロリズム及び実効的死刑法 (AEDPA)
 2004 ICJ判決 (米はウィーン条約に違反)
とあって、96年のAEDPAがウィーン条約(に助けになる部分があったとしても)に優先するっていう判決はあるんですけど(Breard Case)、そのICJの判決(ウィーン条約を履行しろ)はどうなるのかとか。

 なんでこんなこと勉強しているかというと、こういう諸々の制限が対外行動的に影響しているに違いなかろうってことなんですが、実際この判決の後、大雑把に言うと、大統領がやったのは、
 ○ウィーン領事関係条約下の紛争についてのICJ管轄権について同意する選択議定書から脱退
 ○同判決の義務は、州裁判所に履行させる決定
ってことで。もっとも後者にどんな意義があるんだとかいうのも議論になってるそう。ついでに知って驚いたのですが、85年までアメリカはICJのgeneral jurisdictionに同意していたんですね(ニカラグア紛争後脱退)。
  
 夜のComparative Environmental Lawのトピックが丁度EUだったのでその差が目に付くというか、EU Directiveのノリで無邪気にPolicy & Measuresの調和とか言われても(実際そう言ったんだが)、アメリカの立場からするとええ加減にせぇと言いたくなるのはCrystal Clearなんですけどね。縷々国内的な縛りがExecutive Branchにあるからなのですが、単純化して「対外約束です!」って説明する度に「何でお前がそんなこと決めれるんだ」と言われると思うだけでも面倒くさい。
 
 話は変わりますが、なぜか高松で講演を聞いたことがある環境法のパイオニアの一人、アレクサンドル・キス教授が10日ほど前にお亡くなりになったそうです(と今日知った)。ご冥福をお祈りします。

IPCC AR4 WGII

2007-04-08 21:10:00 | 環境ネタ
 なんかWGI(Physical Science編)よりも騒ぎが大きくないような気もしないでもないのですが、読んでみました、金曜公開の影響編Summary for Policymakers。んでそれも納得というか、unequivocalだとかvery high confidenceだとかを連発されてクラクラされたWGIに比べてちょっとボヤケタ印象。なんか表現を弱めるように政治的にゴジャゴジャ揉めてたみたいですね。いやこんなマーク→***で確からしさをあらわしてはいますけど。

んで勝手に面白いと思った点をいくつか。
○現在進行形で影響が出ています ←って点、改めて
○氷河や雪の水源機能が低下し、世界の1/6の人口が影響を受ける

○生態系の炭素吸収力は(80%以上の確率で)今世紀前半にピークを迎え、その後減少し、現状が続けば逆に排出に転じる。
 いわゆるティッピング・ポイントor Point of No Return(自然のバランスで吸収<排出になってしまって、温暖化傾向に歯止めがかからなくなる)の話しだと思うんですが(違うかな(・ ・?)※)、NYに来た時「Long IslandがShort Islandになる」というびみょーなネタを披露したNASAのハンセンは後10年ってよく言ってましたけどね。まぁ話半分だと思ってたのですが、10年後じゃなくてもその後30年ぐらいしかないんですかと
※追記違いました 「生態系」ではなく「陸上生態系」だけで、海があるのでこのパラだけでは話が終わらないってことです(コメント欄参照)。

○(50%以上の確率で)低緯度地域で食糧生産が減少する。世界的には、温度上昇が1-3℃までは上昇し、以降減少する。
○(80%以上の確率で)継続的な温暖化で魚の分布が変化し、漁業に悪影響をもたらす。
 うーん これって太平洋やカリブの島国にとっては踏んだり蹴ったりではないかというか、「(90%以上の確率で)特に脆弱」とか同情!?してくれるんなら金をくれと言いたくなるでしょうね。食糧の需給事情の逼迫は当然日本も他人事ではないですけど。お魚のそれはダイレクトだしぃ。

○Very Likely(90%以上の確率)で過小評価としつつ、温暖化のネットコストの予測の2005年の現在価値
 ・平均 US$ 43 /tC (=US$ 12 /tCO2) 
 ・幅 US$ 10 /tC (=US$ 3 /tCO2) ~ US$ 350/tC (=US$ 130 /tCO2)
ですって。まぁそんなものかという気がしますけど、オーバーアロケーションで価格が暴落しているEU-ETsの第一期の価格破壊振りが改めて露わになってる気が。だって現在 0.83 EUR / tCO2(4/5)ですよ(第2期は15EURぐらい)。今度はちゃんとやりましょうね。

○北大西洋の海流の深層循環が大規模に阻害されることは21世紀中には90%以上の確率で起こらない。ただ循環が遅くはなる。
 まぁ半分ネタというか、映画のDay After Tomorrowの元ネタtheoryは今からする必要はないってことです(残りの10%が気になるけど)。グリーンランドの氷が融けて真水が大量供給されるって話がその根拠ですが、関連で数百年かけて海面上昇が5-7m云々というのが前のパラに書いてあるので、ファンタジーと切って捨てて忘却のかなたってわけにはいかなさそうです。

舞台の友人達

2007-04-05 23:44:10 | 音楽
 またまた肌寒い日々が戻ってきてしまいましたもう春突入だぁ~と思っていたのに・・・やっぱり春のお天気は不安定ですね。でもパンダの大好きな春、は~やく来い

 さて先週ずっと続いていた「Magic Flute」のshowも終わりました。整っていない設備での演奏会で、いろいろとハプニングはあったものの、みんな頑張りました。お客さんもそれなりに入り、喜んでくれていたようですしそして何よりこの大好きなオペラを演奏できたことはいい経験になりましたね。またまたもっとモーツァルトが好きになったパンダであります

 そして今週はというと・・・
火、水曜日と友人のライブ&演奏会に行ってきました
ライブはとても魅力的な歌声&曲に友人Sちゃんが弾くヴァイオリンを含め、ヴィオラにチェロにピアノ。これがなんともいえないな感じで、ワイン片手にとてもリラックスして楽しめたのでありましたまたぜひこういうライブに行きたいな。

 そして昨夜は同じ門下であるAちゃんのリサイタル。これまた魅力的なAちゃんだから、とても楽しみにしていたのですドビュッシー、プロコフィエフ、そしてシュトラウスのヴァイオリンソナタという、とても充実したプログラム。いろいろな表情の音色を奏でる彼女の演奏は、素敵で、特に彼女が歌い奏でるslow movementはとても魅力的で、勝手に「心優しい人だなぁ」って思っちゃったパンダでありました。
 有名な会場で行われるコンサートももちろん最高ですが、自分の友人が舞台で演奏する姿はいいですねより楽しめちゃいますよ。

 さてさて、今週はそらまめさんの学校は春休み。でもそらまめさんったら、の日々えらいよなぁすぐに現実逃避をするパンダとは大違いです
 とはいえせっかくの休みなので、滅多に行くことができない平日ランチに「酒蔵」というところに行ってみました(日本酒とお蕎麦がウリみたいです)。 から近く、しかも地下にあるのに天井が高く、とてもいい感じのレストランでした。ランチの種類も充実していて、パンダは“焼き魚御膳”、そらまめさんは“今日のランチ(そば&チラシ寿司)”を食べました
    
味も京風かなと思う感じの薄味で、とってもパンダ好みで、かなり満足したわけです。ただ二人ともコシがあるで有名な讃岐うどんの国出身なので、もう少し蕎麦にコシが欲しかったですが またぜひ行きたいなと思うかなりお勧めなところでした。そらまめさんはいかがでしたか

 うんうん、美味しかった。なんかフツーのビルの地下で、ビルの外に看板もないのにお客さんいっぱいなのもよく分かる。濃い目の味のヴィレッジの蕎麦屋と違ってどの料理も品があるお味で、こっちの方が好みですねぇ。スイーツまで付いてきたし、また行きましょうね


Massachusetts v. EPA連邦最高裁判決~ファーストインプレッション

2007-04-03 23:53:49 | 環境ネタ
 昨日判決が出たMassachusetts v. EPAですが(判決文、今朝のNYT一面トップ記事Justices Rule Against Bush Administration on Emissions)、真面目な反応をするには内容も分量も全くブログ向きじゃないのでファーストインプレッションというか感覚論を。
 一応さらっと中身を説明すると、Clean Air Actに基づく新車温室効果ガス規制をしない、としたEPAの2003年の決定に12州がその撤回を求めて提訴して、D.C. Circuitでは負けたけど、昨日の最高裁判決でそれがひっくり返ってEPAが再考を迫られることになったのでした。
っとこれで終わってもいいのですが(笑)、一応争点にさらりと触れると、
 ①原告が裁判所で争える立場(原告適格)を有しているか
 ②EPAがClean Air Act上温室効果ガス(とりわけ二酸化炭素)を規制する権限を有しているか
 ③権限不行使はEPAの裁量の範囲内か
といったことで、最高裁判決は
 ①原告適格あり
 ②規制権限あり
 ③EPAの理由づけは違法、やり直せ
ってことになったのでした。5-4の判決で、①についてロバート主席判事の、②③についてスカリア判事の反対意見がついています。多数意見・反対意見とも本案(②③)についてはChevron Deferenceキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!という感じ(原審判決の結論がChevronに基づかない異様な判決だったんですよぉ)。率直にいうと、両反対意見の方が法律論として洗練されているのではないかとの印象を受ける人も多いだろう(含む私、深い論点まで達していますからね)というか、サスガChief Justiceというエクセレントな意見とTextualistの面目躍如といったスカリア判事の緻密な文理解釈は読んでいて面白い。とは言ってもそんな反対意見にも突っ込みどころは満載であって、脚注なんかでお茶を濁さずに多数意見のうち誰か(ブライヤーあたり)補足意見を書いておけばよかったのに、という気がします。
 
 実は同級生の中には今回の裁判は(州側が)負けた方がいいんだ、という話があって、なぜかというと、州側が勝ってEPAが敗訴すると、再考の義務は行政府=ブッシュ政権だけど、EPAが勝訴すると、法解釈はそこで確定するので、残された手立ては法改正すなわち立法府の仕事になるっていう発想なんですね。民主党が両院とも多数派になっているということもありますが、こと環境政策に関して言うと、ブッシュ政権のそれ、特に温暖化政策は民主党だけでなく共和党のかなりの部分からも支持されていないので、立法府に委ねられたほうがいいというのも一理あるかとその話を聞いたときは思いました。が、昨日の判決でここまで原告側が完勝すると(実際大方の環境派の予想を超えたものだったんじゃないか。例えばコレ、CAAで温暖化規制を実施できるという状態がデフォルトの状態になったわけで、CAAの直接規制を食らうぐらいならもうちょっと柔軟な制度、もっというと今議会で議論されてる排出量取引の方がいい、という事業者側の動きも想像に難くなく、要するにEPA敗訴ではありましたけど、立法府の活動も活発になるんじゃなかろうか、という印象を持ちました。段々反応が出揃ってくるとどういう動きになるか分かってくると思いますが、政治の動きは非直線的なので、突然ドドドドドっと動き出してもおかしくない状況に近づいたことは間違いないと思います。
 あと全然別の点ですが、環境法におけるランドマーク・ケースというだけでなく、特に原告適格(standing)の部分でLaidlaw以来の重要判決になるわけで、standingを勉強しないJD生はいませんから、恐らく今後あらゆるロースクール生がこの判決を読むことになります。これって結構なことだというか、非常に間接的ですがこういう将来のlawyer達への教育効果が5年10年と経つと結構効いてくるかも。
 本当言うと想像される影響というのは思いつくだけでも他にもじゃんじゃかあるのですが、まぁファーストインプレッションってことでこの辺で

追記:報道振り、NGOの反応等R氏さんが丁寧にまとめていますので、そちらもご参考に。

エイプリル・フールであってほしかった「東京ミッドタウン」

2007-04-01 23:51:30 | Weblog
 先週末六本木の防衛庁跡地に再開発ビルがオープンと聞いてへぇと思ったのですが、その名前を見てしらばらくパンダさんと話し込んでしまいました。だって「東京ミッドタウン」という名前ですよ。パンダさんは「どうしてこういうNew Yorkのマネみたいな名前にするんだろう、日本は日本のいい所がいっぱいあるのにという反応で、私は「えぇ~、単純に東京の真ん中だからじゃないのぉ~」とかノンキに思ってたのです。(※マンハッタンは大きく言って南からダウンタウン、ミッドタウン、アップタウン。私達の今の住まいはミッドタウン・イースト)
 が、サイトに行ってみて驚いた。施設の地図を見つけたのですが、メインの高層ビルがミッドタウン・タワーとかいうまぁヘンテコな名前で失笑しながらその隣のビル2つにたまげてしまった。
   
そう、ミッドタウン・イーストとミッドタウン・ウェストっていうビルがあるんです というわけでこの時点でパンダさんのNew Yorkのマネ説に軍配が上がったのですが、それにしてもよりによってビルしかないこんな地名をマネるバカがあるかよ、と思いながらさらにサイトをふらふらしてたら、NIRVANA New Yorkとか、挙句の果てにはUnion Square Cafeの東京店Union Square Tokyoとかもうヤメテぇ~という感じ。お世辞にも六本木や東京や日本の良さを活かそうという発想が現れているとは言い難いというか、その土地ならではの良さ・New Yorkと違った良さを活かさずに、New Yorkのそれも大して良くもない部分をペタっと持ってきて一丁上がりみたいな安直さを感じちゃうんですけど、ネーミングやお店のラインアップに。こんな発想を感じさせてしまう辺り、三井不動産は森ビルに逆立ちしてもかなわないんじゃないんでしょうかねぇ。早速話題になってて「Union SquareにあるからUnion Square Cafeなんだよ!」って言ってた人も。ユニオン・スクエアのローカルな良さの象徴がローカル性無視・安直輸入プロジェクトの目玉テナントで入居するというシュールさ。
 
 最大限に好意的に解釈してもエイプリル・フールのネタでちょっとNew Yorkみたいな名前にしてからかってみました、ってことにしか思えないのですが、Developerがクールだと本気で思ってるんだとしたら、ちょっと言葉を失いますね 東京ピカデリー・サーカスとか、東京モンマルトルとか、東京スタテン・アイランドとかができたらどうしよう?と4/1思考の頭で考えたのですが、「東京ミッドタウン」という名前の施設ができてしまったのはやっぱりネタじゃないみたいです。