パンダとそらまめ

ヴァイオリン弾きのパンダと環境系法律屋さんのそらまめによる不思議なコラボブログです。
(「初めに」をご一読ください)

WestlawとLexis

2007-06-05 23:13:10 | ロースクール
 両方とも言わずと知れた必須のこちらの法律データベースですが、原稿書きの過程でさらりとチェックするかと思ってアクセスしたら、両方ともほとんどの機能が使えなくなっていた 卒業したら早速ですかー、こういうところはキッチリしてるのね(棒読み)。
 個人的にはPrimary Source(条文とか判例とか)はWestlawが、Secondary Source(Law Reviewとか)はLexisが好みでした。グラフィカル・Key Citeは見やすいし、大部の判決文を画面で読むのは辛いのでプリントアウトしようというときに実際の判例集のスキャン画像をDLできるWestlawは便利だし、逆にLaw Reviewとか検索するのはLexisの方が絞込みが簡単なような気がする。まぁ激しく個人の好みが分かれるところでしょうけど。

卒業式

2007-05-20 23:55:40 | ロースクール
 というわけでExam Periodも終わって無事今日卒業式を迎えることができました。パンダさんも連夜の演奏でヘトヘトなのに出席してくれました。昨日は雨が結構ザーザー降ってましたが、今朝は気持ちよく晴れ 式前にガウンを来たままレポートのお供に借りてた本5冊返しに行ったら満面の微笑みで受付してくれました(ちゃっかり延滞料3ドル取られた)。
 せっかく晴れ渡ったperfect weatherでしたが、昨日の雨で椅子が濡れてて雨天用のテントで。マジソン・スクエア・ガーデンでやった去年と大違いのアットホームさ。実際人数も少ないですしね。ゲストのJudgeが「結局は人と人とのつながりのお仕事、一緒に仕事をしたいと思ってくれることが大事」「あなたが幸せでなければ誰も一緒に仕事をしたいと思わないでしょう、やりたいことをやりなさい、豪邸を買うために夢を捨てないでください」とか演説したり、SBA(学生団体)がBest Professor of the Year Awardを教授に手渡して盛り上がったりとか、paperに追われてこれっぽっちも感傷的になってなかった割には結構面白かった。
 んで定番!?のフードセレモニー。
    

 この後在学中にイラク戦争でお亡くなりになった学生のご家族へ在学中及びその後の栄誉を称えるAward的なものの授与があってかなりグッとくるものがあった。ご冥福をお祈りします。

 レセプションもありましたがお世話になってた教授を見つけることができなかったり。。。帰ってきて2人でランチにでも行こうかな、と思って、そうえいばケーキを買って美味しかったCiprianiのcafeがグランド・セントラルのテラスにあるけど行ってないってことでそこで。
   
正直値段相応のクオリティとは思えないのですが(美味しいのは美味しいのだがお得感がない)、これだけ毎日使ったGCT、こうして眺めることはあんまりありませんからね。たまにヴィレッジにいくと元気が出るのと同じおうに、この場所も懐かしく思ったりするのかなー。

Exam&Paper終了

2007-05-19 23:51:16 | ロースクール
 一昨日US Foreign Relation LawのTake Home Examをさらさらと終えて、多分締切りは昨日までだったような気がするのですが今日Energy LawのPaperを書き終えて、無事Exam Periodは終了になりました。ほんとに無事かどうか分かるのは一ヶ月先ですけどね ペーパーは先週のやや突飛なペーパーで疲れてしまって電力自由化・事業再編の日米比較という超アリキタリなテーマでもう手抜きですよ、手抜き。ただNew JerseyやTexasの電力再編法やFERCの今週施行されたばかりのOrderはさらさらと見たら結構面白かったのでその気になれば紹介しようかな(ならない気がするけど。っていうか追々と言って書いてないネタ多すぎ)。結局5日ほどで27ページぐらい?書いて、気づけばcitationが140近くになったのでそれでもやや疲れたかな。
 一つ厄介なのは例のとある途上国の国連代表部で働いてたお仕事に、実は授業パートもくっついていたのですがこの先生が本当に困ったさんでどこまでがRequirementなのかはっきりしてなくて、というより何もかもハッキリしてなくて、大体いつどこで授業があるのかも3日前にならないとハッキリしないメチャクチャさで、Yaleの環境スクールと共同授業でしたが彼らもちょっとウンザリな様子。コロンビア・ローでも全く同じスタイルの授業をやってるそうだが受講生はお気の毒の一言ですね。まぁ読書感想文チックなレポートが5枚*2つという半日でサクッとできそうなものなのでサラッとやろうかなー。プロジェクト企画書書いてねみたいな話もあってGEF地獄にはまりながらも一応終わったハズだと思ってたらバッタリ会ったときに最新版ちょうだいねみたいなdemandingな話を世間話的にされてかなりムカついたんだがそっちは華麗にスルーしようかなぁ。Externshipの部分は確かに貴重過ぎる経験で楽しかったんだけど。

Paper終了~Comparative Environmental Law

2007-05-12 23:41:44 | ロースクール
 とりあえず一つ片付けたというだけなんですが、それでもようやくというか。あと一週間でもう1つとtake home examをやって一応終わりです。一応というのは困ったさんの授業(追々書きます)の義務なのか何なのかよく分からん課題が残っていて、やった方がいいに決まってるんだろうが元気がでないというか。
 あっ、終わったペーパーはこの間プレゼン終了のときにも触れたやつで、南アフリカと日本の大気汚染法・政策をenvironmental justiceの観点から診るという非常におかしなテーマでまぁなんとかペーパーの体裁にはなったかという程度か、もうちょっと考察に時間をかけたいところだが背に腹は変えられないというか。Comparative Lawの性質上仕方ないけど20枚ちょっとでcitationは140越えちゃいましたよ、あー疲れた
 それにしてもこの授業は素晴らしかった。何となく欧米と東アジア+東南アジアで世界が終わってしまいそうな奇妙な世界観が日本に漂ってる気がするのですが、パシフィックとか南アジアとかアフリカとか中東とか南米とかにも見るべきものは勿論いっぱいあって、去年の授業でもそういう意味では十分刺激的でしたが環境法の点でもこの手のスキルの土地勘ができたのは良かったなぁと。例えばセネガルがNOx・PM法のマネをしてると聞いたら驚きませんか(・ ・?) でも英語圏以外は正直お手上げなのが悲しいところ 大学の第二外国語はサボるべきではありませんでしたね、今にして思うと。。。アレ、もっと早く気づくべきでしたか

クラス終了

2007-05-08 23:58:16 | ロースクール
 今日でクラスは全部終了になってしまいました。まだやってたの!?という気もしますが、イースターブレークが一週間あって元々他校に比べて遅いのと、あと実は正規のクラス・ピリオドは先週に終わっていたのですが、昨日は親切なレビューセッション、今日は毎週のお仕事の日でちょっと前にも触れましたが大きな会議中ってことだったので余計にやってみたというか。去年のラスト・クラスはぐっとくるものがありましたが、今年はそんなこともなく。
 ただなんというか、日本で裁判所や国会議事堂や官庁街を徘徊しても全く何とも思わなくなったのと同様、国連本部で会議に出ても何の感慨もなくなってましたが、今日の素晴らしい快晴に映えるその姿は確かに美しいものでした(晴れ渡ってイーストリバーの汚さが目に付いたのは省略)。中でやってることはまぁ相変わらずの、Red Sky at the Morning風にいうと"little talk shop"で、合意してないテキストをブラケットにいれて(こんなのイメージ [ Invite US / Recommend G77 ] *今日の議論ではありません)一言一句交渉してると聞こえはいいかもしれませんが、プラクティカルな点まで考えるのが実務家だという発想からするとどーしてもシニカルにならざるを得ないというか、もう(とうの昔に)その場にいるだけで心沸き立つほどウブでもなくなってますし、何か対立があるとギラギラするほど戦闘型でもありませんし、だからと言って直接タッチするかどうかはさておきスルーするわけにはいかない現実があるわけで、留学期間の終わりが近づいていて現実に舞い戻ることの暗示としては相応しかったのかもしれません。。。

 いつも以上にわけがわからないと思うのですが、今後2週間がテスト期間でそれまでこんな調子の乗らないエントリになるような気が。あー頑張らなきゃ

プレゼン終了~Comparative Environmental Law

2007-04-30 23:53:47 | ロースクール
 今日はもうPerfect Weatherで先週外で授業した教授はよっぽど気に入ったのかまた外で授業でした んで昨日パンダさんに励ましてもらいましたが今日は夕方のComparative Environmental Lawの授業でプレゼン。各自書いてるペーパーをプレゼンする一環。
 どうせリサーチするなら知らないこと&日本では勉強しにくいことと思ってEnvironmental Justiceをテーマにしてしまって、しかも選んだ地域がサッパリ土地勘のない南アフリカで、さすがに比較対象は楽をしたいと思って日本にしてますが、おかげで南アと日本のEnvironmental Justiceの比較(ネタは大気汚染)というおかしなトピックになってて、よく分からないことだらけというか。あっ、Environmental Justiceというのは例えば有害廃棄物処分場が黒人居住地域ばかりにあるとかに反対するムーブメントで、起源は勿論というかアメリカですが、まぁ非常にパワフルな政治運動になってクリントン政権時にはExecutive Orderまで出ています。当然日本人的にはなじみが薄い分野ですが、人種に限らず環境ベネフィットの分配イシューと広く捉え直せば参考になるべきところは地域的、全国的、地球的規模の問題それぞれであるんじゃなかろうかと思ったんですよね。直感的ですが日本の事例からすると、分配に必ずしもフォーカスせずとも、全体的な環境改善を図ることでヒドイ事例を解消するってアプローチは有効で(パレート最適を目指すとみんなのべネフィットになるって話と同じノリ)、どういう場合に有効じゃないのか考えた方がいいのかなぁという気がしてます、今のところ(すぐ思いつくのはSO2のETで議論されたHot Spot、NIMBYネタはどうかな(・ ・?))。ちなみに南アの憲法・判例・条文とか読んでみましたが、キョーレツにprogressiveです。もっとも紙と実際が違う場合も多いので・・・まだやることがいっぱいありますね

 プレゼン自体はあー疲れたの一言で、うまくいった気は全くしないがまぁこんなものでしょうというか、諦めましたというか 考えがまとまらないので結局スクリプトを用意して(Citationを気にせず乱打するとこんなに早いのかとある意味ビックリ)、スクリプトを読んだり飛ばしたりしながらお世辞にもコンパクトにまとまったスッキリしたものになったとは言い難い。まぁリサーチ自体終わってないんだからしょうがないか(開き直り)。よく考えるとプレゼンする機会は実は今日で最後っぽくて、結局原稿を用意しないでスラスラしゃべるという段階に至らなかった(いや先学期挑戦してイマイチだったわけですが)のは残念ですね 日本語みたいに冗談挟んだりとかまでは無理と諦めもつくんですけど・・・。

Outside Class

2007-04-26 23:47:51 | ロースクール
 先週一気に夏かと思うぐらいに暖かくなって、ちょっとだけ春に戻って、とにかくいい感じのお天気が続いています そのせいか、今日は何と外で授業になってしまいました。いや若い教授で「いい天気だねぇ、いいねぇ、外ぉ」と言ったら皆が食いついて本当にそうなってしまったというか。まぁこんなに美しいんだからしょうがない。
  
芝生の匂いを感じながら「この法律はjurisdictionだけでcause of actionを創出するものではないっていう解釈」「violation of laws of nationsに新しい国際慣習法違反は含まれるのか、それって禁止されたgeneral federal common lawじゃないのか」云々の議論をするのは非常に奇妙でしたけど。ちなみにちょうど残り時間が少なくなってきたときにleaf blowerでのお掃除が始まって終了。いやはやのどかな一時

 (一部例外あるけど)クラスもあと一週間になってしまいました。テストやペーパーの期限も迫ってあんまり余裕もなくなってますが、シャトル・バスがない時にテクテク歩いた住宅街↓を歩くこともあと数えるほどかと思うと急に寂しくなってきました。
   

国連条約 - A Threat to U.S. Sovereignty?

2007-04-12 23:58:08 | ロースクール
 昨日の話ですが、United Nations Association of USAという怪しさ満点の団体などの主催で"U.N. Treaties – A Threat to U.S. Sovereignty?"と題する講演会を大学でやったので聞いてみました。コロンビア・ローのアルバレス教授(American Society of International Lawのプレジデントでもあるらしい)がメイン・スピーカー。
 感想はぁ・・・(期待)ハズレ。この手のって違う意見の人が混じってないと話しが盛り上がらないというか何と言うか、他はモデレータ-しかいなくて、「講演」とモデレーター含めた質疑応答セッションで終わっちゃうのは話しの面白さを割り引いても正直物足りない。こっちでよく見るフツーのパネル・ディスカッション形式(モデレーターがいて、パネラーが3人ぐらいいて、順にプレゼンして、その後ディスカス)で対立する意見とのコントラストが見たかったなぁ。

講演自体は冗談交じりで面白かったんですが、内容はこんな感じ↓
○条約、特にUN条約はBounded Rationality(というよりIrrationality)に基づく批判にさらされてる
 ・条約はCommunist, Third World (& Hollywood) Conspiracyだ
 ・条約はGlobal Bureaucratsの主権侵害
 しかし、そんなことはない、条約形成過程でアメリカが影響力がないことはない、彼らが批判しているのはむしろ自国の外交官達。
○例えば190カ国*が締結しているConvention of Rights of Childrenは、締結によって「親の権利を破壊する」とか、「親を訴追され、子が外国Enforceチームに取り上げられる」とか、ひどいのは「母の死を喜ぶことになる」という批判まである。 (注:国連加盟国は192国。未締結はアメリカとソマリア)
 しかし、基礎中の基礎だが、自動執行力のある条約でしか「訴える」ことはできない。反対者が批判しているのは条約ではなく自国の政治家。
○国際法のベネフィット(時間、郵便、車etc)は数え上げればきりがないのに、過小評価/無視されている。互恵的な観点からも理論的整合性からも米国は信頼性を失っている。
○「主権」は、何者にも支配されないという伝統的意義は現代社会では通用しない。国連を通じてしか国際法のベネフィットを得ることは困難なのであって、国際法は米国の主権の脅威ではなく、逆にどーしても必要なもの。

 細かい具体例は満載で面白かったけど理論的な部分は見てのとおりNothing Newだったのがちょっと不満だったのかな。本当に知りたいのはどーしてIrrationalityが発言力を持つかだったり、今や皆打ち揃って賛成するらしい(ネオコンのボルトン前国連大使まで)国連海洋法条約がなぜ上院でストップするのかとか、率直に言って米憲法のデザイン・デフェクトなのでは?とかなんですけどね。例えば環境ネタだと、まぁ実際に義務が生じるバーゼル条約や京都議定書はさておき、基本的にありがたーいテキストが続くだけの生物多様性条約を締結しないというセンスは理解できないわけで(これも未締結はアメリカとソマリアだけ)、ジェノサイド条約締結に40年かかったみたいな話もあったのですが、個々の政治局面のせい、例えばブッシュ大統領のユニラテラリズムのせいにできるレベルじゃないのではなかろうか? 
 質疑で米憲法のデザイン・デフェクトの話しにもなって、興味深いのはNAFTAやWTOは通常の上院2/3ではなくて、Congressional Executive Agreement(行政協定+両院それぞれ過半数の賛成)により(ギリギリで)締結されてるってこと。そう、皮肉なことに一番強力で、主権を侵害しているのはNAFTAやWTOなんですよね。「主権侵害」というのが丁度いいプロパガンダになってるいい証拠じゃないかという気もしますし、逆の見方をすると連邦憲法の正しさ!?が証明されてると言えなくもないような。

ミニ・ディベート ~ US Foreign Relation

2007-04-09 23:52:59 | ロースクール
 今日はUS Foreign Relationというマニアックな授業でミニ・ディベートがありました。実はイースターブレーク前先々週木曜にやる予定だったので、せっせと準備したのに、その日は前のディベートが長引いて結局空振りになってたんです(>_<) まぁその前のネタはICCの合憲性だったのでそりゃぁしょうがないかって感じだけど。

 我々のテーマはICJのAvena事件(Mexico v. U.S.、米国敗訴)の判決が米国内(の裁判所)で執行可能かどうか?というまぁマニアックなことです。連邦最高裁のMedellin v. Dretke 125 S. Ct. 2088 (2005)の事案。テキサス州裁判所に戻って、また多分連邦最高裁に戻ってくるだろうからopen questionですね。
 この授業をとるまでよく知らなかったのですが、米国の条約ー法律の関係はLast-in-Time Rule(同位で後法優先)というのがWell Establishedになってます。まぁそれはそれで一つのやり方。で、本件でトリッキーなのが、
 1963 ウィーン領事関係条約
 1996 反テロリズム及び実効的死刑法 (AEDPA)
 2004 ICJ判決 (米はウィーン条約に違反)
とあって、96年のAEDPAがウィーン条約(に助けになる部分があったとしても)に優先するっていう判決はあるんですけど(Breard Case)、そのICJの判決(ウィーン条約を履行しろ)はどうなるのかとか。

 なんでこんなこと勉強しているかというと、こういう諸々の制限が対外行動的に影響しているに違いなかろうってことなんですが、実際この判決の後、大雑把に言うと、大統領がやったのは、
 ○ウィーン領事関係条約下の紛争についてのICJ管轄権について同意する選択議定書から脱退
 ○同判決の義務は、州裁判所に履行させる決定
ってことで。もっとも後者にどんな意義があるんだとかいうのも議論になってるそう。ついでに知って驚いたのですが、85年までアメリカはICJのgeneral jurisdictionに同意していたんですね(ニカラグア紛争後脱退)。
  
 夜のComparative Environmental Lawのトピックが丁度EUだったのでその差が目に付くというか、EU Directiveのノリで無邪気にPolicy & Measuresの調和とか言われても(実際そう言ったんだが)、アメリカの立場からするとええ加減にせぇと言いたくなるのはCrystal Clearなんですけどね。縷々国内的な縛りがExecutive Branchにあるからなのですが、単純化して「対外約束です!」って説明する度に「何でお前がそんなこと決めれるんだ」と言われると思うだけでも面倒くさい。
 
 話は変わりますが、なぜか高松で講演を聞いたことがある環境法のパイオニアの一人、アレクサンドル・キス教授が10日ほど前にお亡くなりになったそうです(と今日知った)。ご冥福をお祈りします。

条文のコピペ~テロリズム関連条約

2007-03-20 23:54:42 | ロースクール
 ちょっと「お仕事」の一環でテロリズム関連条約をさらーっとさらう機会があって、強烈なDéjà vuがしたので。条約間で条文コピー&ペーストし過ぎ!と思ったのです。

 日本の国内法もよく見れば(いやよく見なくても)同じようなパターンというかスキームが金太郎飴のように繰り返されています。環境ネタ(だけじゃないけど)の典型的なのは一般的な禁止&基準→許可→違反時の行政命令and/or罰則だし、動産登録に規制が絡むものだと登録義務→基準→検査(&型式指定)→登録→違反時の行政命令and/or罰則だし、行政指導の法定化は指針→勧告か、判断基準→勧告・公表・命令→罰則だし、支援法ネタは計画→認定→優遇税制・低利融資・利子補給だし、土地利用は・・・っとそろそろしつこいので止めますが、最近横断的なネタで官邸に○○本部を設置とかが多いみたいで、なんでこうなるかというと極端な話スキームごとコピペして対象だけ変えて+αの微調整を加えているわけですね、早い話。っとまぁそれだけでも入れ替える対象がどうかとか、その既存のスキームにフィットするのかとか、微調整はこれだけでいいんですかとか、いろいろ議論はあるわけですが、こういうのと違うinnovativeなことをやると途端に大変になる(ただ、一般論ですがスキーム自体の有効性を問わずにコピペするのはいかがなものか)。

 んでテロリズム関連条約なのですが、スキームが似すぎています。もうええ加減にせぇというか何と言うか。大体こんな感じ。
  ○特定の行為を定義、犯罪化
  ○締約国の管轄権を定式化
  ○締約国に違反者の訴追or引渡しを義務付け
ってまぁ骨はコレダケ。あとは「特定の行為」が航空機ハイジャック、船、人質、大陸棚プラットフォーム、核テロ等々と違うだけで、その他レポート義務とか物質取り扱い義務とか+αはありますけど、まぁ骨は一緒。別に効いているならコピペ自体がダメという気はしないけど、スキームの有効性をレビューをした形跡もないし・・・。こんなので毎度長々と交渉してるんですか、核テロ防止条約なんて交渉開始から採択まで8年半もかかったのですかと思うと腹が立つ本当にご苦労様です。いや実はそれなりに理由があるというか、というのも包括的対な国際テロリズム対処条約を作ろうという話が同時並行であったのでそっちが暗礁に乗り上げてるのでなかなか大変なんだろうなと。ちなみにもめているのは「国際テロリズム」の定義だそうです。ピンポイントでいうとイスラエル占領地域が入るのか入らないのかという話。そりゃもめますよね

 別にテロだけじゃなくってあらゆる条約全般にコピペの世界ですけどぉ、ボイラプレートというかハンコ押しの連発はいかがなものか、いやコピペだからダメという気はさらさらないのですが、かと言ってコピペだからOKというものではないでしょうよという気が国内法だけでなく条約に対してもしたのでした、改めて。