パンダとそらまめ

ヴァイオリン弾きのパンダと環境系法律屋さんのそらまめによる不思議なコラボブログです。
(「初めに」をご一読ください)

PlaNYC 2030; A Greener, Greater New York

2007-04-28 23:52:52 | 環境ネタ
 事前に情報が結構漏れたりしてた上にアースディの正式アナウンスから一週間近くたってしまいましたが、チラッと読んでみました、PlaNYC 2030。ブルームバーグNY市長が任期残り約1000日の間のプライオリティとしてまとめた2030年を見越した"Greener, Greater New York"のための127もの提言を盛り込んだプラン。
   
 感想はぁ~、インプレッシブ(ダースベーダー@Episode V風)。住宅、公園、汚染地(Brownfields)、水質、水系統、交通、エネルギー、大気、温暖化ともー盛りだくさんで一言にできないのであんまり細かく触れませんが(っていうほど読んでもいないし)、写真も豊富でいかにもヤラセ!?なコラムがあったりでとーっても読みやすい。冒頭のこんなくだりも面白いというか。
 Moving to New York has always been an act of optimism. To come here you must have faith in a better future, and courage to seek it out; you must trust the city to give you a chance, and know that you'll take advantage when it does. You must believe in investing in your future with hard work and ingenuity. You must, in short, believe in accepting a challenge.
 This Plan is offered in that spirit.
(ニューヨークに来ることはいつだって前向きなことでした。ここに来るには、より良い未来を信じて、それを求める勇気が必要です。この街がチャンスをくれると信じて、それを掴むと知っていなければいけません。厳しい努力と工夫で将来のために頑張らねばなりません。要するに、自信を持って挑戦する立場に身を置かねばなりません。
 このプランはそんなスピリットで提案されます。)
 なんか格好いい気がする スッカリのせられてしまいましたが、一番人目を引いているのはやっぱり!?ロードプライシング提案ですねぇ。86th以南のマンハッタンに入る車に8ドル(だったっけ(・ ・?))取るという提案で、大規模なのはシンガポールが始めてロンドンがマネしてかなりインパクトがあってとうとうNew Yorkにも来ましたねぇ。環境派の中でも例えばこの間のイベントの時になかなかの演説をしていた下院議員Anthony Weinerは「これ以上7番線が混むことなんて想像できるか」みたいなことを言って反対してたし(確かにちょっと考えたくない)、とあるMLでも対象地域外のハーレムが逆に渋滞になってただでさえ喘息罹患率が高いのに・いやいや渋滞が増えるとは限るまいみたいな議論が起きたりで、まぁ少なくとも提案どおりすんなり実現ってことがあり得ないことだけは間違いなさそう。
 他にも、そういえば先日2nd Ave. Subway工事が30年ぶりに再開しましたが、その手の具体的な話がとっても多くて真面目に作りこんだなという印象。他方で温室効果ガス削減目標みたいなところに政治的意思も感じるのでなんかうまく歯車が回ったんだろうなぁという感じ。来月大都市の自治体を集めて会議やるみたいなので(東京都も呼ばれてる)、お互い刺激を与え合うのかも。

 このプラン上どういう扱いかは見ていないのですが、ブルックリンのgreenpoint近くのイースト・リバー沿いに天然ガス・コジェネ発電所(TransgasEnergy)が提案されてたりして、廃熱はスチームにしてマンハッタンのスチーム・パイプラインに流しますみたいな提案も入っているのですが(よく漏れて水蒸気が出てるヤツ)、こういう古い都市インフラをどう有効利用するのか&作り変えていくかというのは今後他人事じゃなさそうです。