パンダとそらまめ

ヴァイオリン弾きのパンダと環境系法律屋さんのそらまめによる不思議なコラボブログです。
(「初めに」をご一読ください)

省エネ基準裁判~DOEとNY、NRDCらが和解

2006-11-13 23:55:10 | 環境ネタ
 ブッシュ政権と連邦議会(中間選挙でこうなる前です、勿論)の動向に業を煮やして州政府が(環境NGOとともに)束になって連邦政府を訴える、というのが環境ネタで頻発していたのですが、そのうちの一つの省エネ基準裁判(NY v. DOE, NRDC v. DOE)が今日和解したそうです。NY州はじめ15州、NY市、NRDC+テキサスの消費者団体が、エネルギー政策法(EPCA)上の省エネ基準※が、法定策定期限を超過してもなお策定されないことを不服としてエネルギー省(DOE)を訴えたもの(05年9月提訴)。 ※42 USC §6295 (2006)
 NY州プレスリリース FEDERAL ENERGY DEPT. TO IMPROVE APPLIANCE EFFICIENCY ※※
 NRDCプレスリリース ENERGY DEPARTMENT AGREES TO ACCELERATE INTRODUCTION OF NEW, IMPROVED ENERGY SAVINGS STANDARDS

 この手の明白な法定期限違反というのは連邦Agencyは百戦百敗のハズ(少なくともEPAものは)で、仕掛ける側からするとスラムダンク・ケースと言ってもいいぐらい!? んで訴える側もさっさと基準を作ってほしい、というわけで和解に至った模様。80年代前半にClean Water Actの排出基準が法定期限までに作れなくて、裁判上の和解(NRDC v. EPA)で期限を定めてエイヤーで頑張って一気に作ったことを思い起こさせるような内容(数あるCWA上の裁判で最も影響力があった説もあるぐらい)。というわけでこんな感じで↓、製品の省エネ新基準をそれぞれ期限までに作る必要がある。
・Room air conditioners  June 2011
・Central air conditioners and heat pumps  June 2011
・Water heaters  March 2010
・Pool heaters  March 2010
・Direct heating equipment March 2010
・Furnaces and boilers  September 2007
・Dishwashers  March 2009
・Clothes dryers  June 2011
・Fluorescent lamp ballasts  June 2011
・Ranges and ovens  March 2009
・Additional lamps  June 2009
・Incandescent reflector lamps  June 2009
・Fluorescent lamps  June 2009
・Packaged air conditioners and heat pumps  September 2008
・Packaged boilers  February 2007
・Instantaneous water heaters  February 2007
・Medium-sized motors  June 2011
・High intensity discharge lamps  June 2010
・Electric distribution transformers  September 2007
・Small motors  February 2010
さぁ、省エネに一日の長があるメーカーの皆さん、ネゴの時間ですよぉ~。まぁ基準を満たさないと製造・販売禁止、という厳しい規制ではなく、ラベリング規制(42 USC §6294 (2006))の指標として機能する基準のようですが(斜め読みで自信なし)、日本の省エネ法と一緒でソフトながらも効果を上げることを期待。

※※NY州の現在の司法長官(Attorney General)は次期NY州知事のE. Spitzerです。