選挙ブログ

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04参院選~徳島 

2004-07-11 | 徳島・高知
 徳島は、民主・仙谷由人の地盤である。
 04参院選において仙谷は政調会長、年金選挙とあっては負けることのできない選挙戦となった。
 98参院選において、民主は推薦で高橋紀世子を当選させていた。

高橋紀世子 16万5千<無・新>
松浦 孝治 13万2千<自・前>
藤田 均  04万3千<共・新>
矢野 和友 01万6千<諸・新>
奈良 武  00万5千<諸・新>
 
 高橋紀世子は、三木武夫元首相の長女であり、政策的には仙谷らと近いうにもかかわらず、保守層からの得票も見込める民主にとってこの上ない候補であった。
 しかし、高橋は父の代から続く自民党の泥仕合になるのを嫌い、立候補はしないと表明した。
 民主は候補選びが難航し、ようやく東條を擁立することにしたものの、完全に出遅れてしまった。
 
 対する、自民の候補者は小池正勝に決まった。
 徳島市長を10年以上勤め、実績・知名度は申し分ない。
 徳島自民で考えられる限り最高の候補者と思われた。
 徳島市を中心とする1区は仙谷の指定席になりつつあり、03衆院選は2区で民主候補の復活当選を許していた。
 徳島自民に三木・後藤田という大物を輩出した面影はなくなりつつあった。
 民主に向きつつある無党派層の取り込みには、最適な人材として青木自らが率先して音頭を取って、小池の擁立を決めた。
 徳島自民は、03知事選、04徳島市長選と推薦候補が勝ち、04参院選を「保守復権の通過点」ととらえた。

小池 正勝<自・新> 16万6千(47)
東条 恭子<民・新> 15万3千(43)
久保 孝之<共・新> 03万4千(10)
   
 小池は自民支持層を固め、公明支持層の大半の支持を得、無党派層にも5浸透、職業や年代を問わず、幅広い支持を集めた。

 東条は民主支持層の8割を固めた。
 ただ無党派層の支持で小池に後れをとり、女性への浸透もいまひとつで、追い風を掴んで当選することはできなかった。

 小池が最強の自民候補であった要因は、無党派層の取り込みにある。
 民主、とりわけ仙谷は、この無党派を掴んで連続当選しているのだ。
 小池が無党派を取り込むことのできる要因が「可動堰」問題である。
 小池が市長時代に、可動堰の是非を問う住民投票の結果を受け、その意思を尊重し、この計画の反対を表明した。
 これが普段は自民党に投票しない層への抜群のアピールになった。
 01市長選においては、徳島民主も小池を推薦した。 

 しかし、この小池の姿勢には、味方である自民の側からの反発があった。
 小池は吉野川可動堰計画に対し推進派だったが、9割が計画反対だった00年の徳島市の住民投票を受けて反対派に転じた。
 04参院選でも、当初「反対」とした公約を同党県連の反発で撤回した。
 そんな姿勢は、吉野川流域の自治体の一部首長らに「変節」と映っている。
 自民支持層の間で西川政善・小松島市長の擁立を目指す動きが出た。
 結局、西川市長は断念したが、それ以降も自民党関係者の間で対立候補擁立の話がしきりに流れ続けた。
 年金問題で追い風だった風向きが逆風に代わると同時に、「味方」の自民党からも対立候補擁立の圧力がかかる。
 小池にとって、まさに、「内憂外患」の選挙であった。
 結局、当初予想されたような圧勝からは程遠い内容となった。 

 東条は「立候補表明が2週間前」、「徳島市以外での知名度ゼロ」「菅・小沢の失脚」「小泉首相の再訪朝」、当初、勝てる見込みのある戦いではなかった。
 しかし、強行採決を境に、突然、年金問題の風向きが変わる。 

 政策責任者の仙谷由人、年金法案の取りまとめを行った枝野幸男の新旧両政調会長が連日のように応援演説に駆けつけた。
 民主を代表する政策通の2人が年金法案を批判すると、東条に対する有権者の反応が変わってきた。
 大きくリードを許していた小池を猛追し、接戦まで持ち込むことができた。
 しかしながら、勝利には至らなかった。

【比例】

自民132(41)民主108(33)公明52(16)共産24(7)社民9(3)

【徳島】
   
 徳島市中心とする1区は、民主の四国で唯一の議席である。
 民主・仙谷の地盤であると同時に、今回の候補者が前市長の小池とあって、徳島政界を代表する両雄の激突の様相であった。

徳島市… 小池4万8千(46) 東条4万7千(45)

徳島市… 自民33(32)民主34(33)公明16(15)共産9(9)社民3(3)

 両社譲らずの互角の展開である。
 郡部で劣る民主党が徳島で、逆に微差ながらリードを許したのは痛かった。

【鳴門】

鳴門市… 小池1万2千(46) 東条1万1千(45)
鳴門市… 自民9(36)民主9(36)公明4(16)共産0(2)社民1(4)

 板野郡は三木元首相の地盤で、高橋が立候補を取りやめた今回、その票の流れが注目を集めた。

板野郡… 小池1万9千(44) 東条2万1千(47)
板野郡… 自民16(36)民主15(34)公明6(14)共産3(7)社民1(2)

 東条の事実上の「高橋後継」というのに説得力があり、ややリードした。
 それでも、小池はかなり食い込んだ。
 苦手と目された地域を無難にこなしたことが、当選へと道を開いた。

【阿南】

 県内にあって、工場が集中し、最も景況がよいとされる阿南市は、徳島3区の中心である。
 徳島3区は後藤田が連続当選を重ねる選挙区である。

阿南市… 小池1万0千(44) 東条1万0千(44)
阿南市… 自民8(37)民主7(33)公明4(19)共産2(8)社民1(3