・書き終えた章:1~6章<定義や用語の一覧⇒整理1/整理2/整理3> 現在は7章 言葉が伝わるしくみ:1~5 <整理4> 6言語交流のしくみ+言語教育…(1)ここで扱う発達段階 (2)《人対人》の場合:■同一時空間で、【目前の現実】を共有しながらの場合
・言語交流の必須要素=【表現者】+{動機}+{表現者の脳内宇宙}/【受容者】+{受容者の脳内宇宙}/【言葉】 (計6要素)/・言語交流の最小単位= [表現者+動機+脳内作業] ⇒ 言葉 ⇒[受容者+脳内作業]
(2)《人対人》の場合
■同一時空間で、【過去の現実】を話題にしている場合
a.【過去の現実】を共有していた場合での言語交流のしくみ
●【状況】・・・女性が、男性と思い出を語っている。
●言語交流の流れ(単純化した例)
・女性(表現者)が、男性と思い出を語ろうと思う(動機)。{【桃を食べた】}ことを思い出し、言う言葉を考え(表現者の脳内宇宙での作業)、「あの桃はおいしかったね」(言葉)と言う。
・男性(受容者)が、{【桃を食べた】}ことを思い出しながら、その言葉を個性的に理解する(受容者の脳内宇宙での作業)。
・男性が返答する。 ~くりかえしながら続く~
前回で述べた場合と同じように、《 [表現者+動機+脳内作業]⇒ 言葉 ⇒[受容者+脳内作業] 》という言語交流の最小単位がくりかえされてつながっていく。
●この場合の特徴
・話題が《体験を共有した【過去の現実(=いっしょに桃を食べたこと)】》についてであること。つまり、実際には、会話が両者それぞれの脳内にある{【過去の現実】の記憶}を想起しながらされること。
したがって、常に「誤解や理解不足」が生じる可能性がある。
※前回の場合は、両者は【目前の現実】について直接に認識・確認できるので、「誤解や理解不足が最小限」になっている(可能性が高いとお互いが推測できる)。
一方、今回の場合は、両者それぞれの{【過去の現実】の記憶}については、どれぐらい違っているかをお互いに直接認識することはできない。
したがって、次のような(極端な?)言語交流になることもあるだろう。
例1:男性はすっかり忘れていた(={記憶}がない)。しかたなく「忘れたよ。」と言って話は終わり。(とんでもないことになるかも!?)
例2:男性はすっかり忘れていた。しかたなく、「そうだったね。」と嘘をつき、以後《作り話》が続く。
例3:男性は{すももを食べた}と記憶していたので…
いずれにしても、順調な会話をつづけたいなら、お互いに、慎重に相手の記憶を探る(=理解しようとする)努力をつづける必要がある。
~次回、b.【過去の現実】について表現者しか知らない場合~
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