やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【中学歴史教科書8社を比べる】642 29 日米関係 -206- 《戦後》 Ⅺ 占領期(1945-52)-40- ■まとめと考察 ⑶極東国際軍事裁判 3/3:考察と評価 ※異様な記述!

2018年12月19日 | 中学歴史教科書8社を比べる(h28-令和2年度使用)

29 日米関係 -206- 《戦後》Ⅺ 占領期(1945-52)-40-

■まとめと考察 ⑶ 極東国際軍事裁判(東京裁判)  3/3 ~考察と評価




 

1 「本文の主語」の選び方

●わが国の教科書として、主語を、日本人である「軍人や政治家」としている。 → 〇 育鵬社、自由社、清水書院。

●主語を、GHQ(など)としている。 → △ 東京書籍、教育出版、日本文教、学び舎 /帝国書院。

 ※1 一般的な歴史書ならば、どちらでもかまわないと思うが、義務教育の教科書の最重要の目的は〝わが国を支える国民” を育成するためのもの。「旧敵」の視点で描くのは不適切。

 ※2 帝国書院は、主語を略しているが、述語が「…裁きました」となっているので、論理的には「裁判所」ということになる。 

 

2 「裁判の死刑判決」の描き方

死刑になった日本人がいた史実を、きちんと描いている。 → 〇 育鵬社。

●A・B・C級戦犯の死刑について、まったく描いていない。 →  6社:東京書籍、帝国書院、教育出版、日本文教、清水書院、学び舎。

●B・C級戦犯の死刑について、まったく描いていない。 → ✖ 自由社。

 ※同じ有罪でも、死刑と懲役刑は〝似て非なる物”・・・同列に扱うことはできない。死刑は、全人的否定・抹殺である。《大東亜戦争(太平洋戦争)終戦後における「戦犯」の死刑の史実は、国民に周知すべきことだろう。

 

3 「法廷の状況」および「裁判の問題点」の描き方

●被告および弁護団の主張も描いている。 → 〇 育鵬社、自由社。

●被告および弁護団の主張を、まったく描いていない。 →  6社:東京書籍、帝国書院、教育出版、日本文教、清水書院、学び舎。

 ※上記6社の記述は、〝一般的な裁判の描き方”としてもありえない、異常(不公平)な記述。まして、〝日本の戦後世界を規定してしまった最重要裁判”における日本側の主張や、世界的な批判をまったく無視していることは、きわめて異常なこと。この件だけでも、日本の義務教育教科書としては、完全な失格と断定できる。

 

~次回から、⑷国連・冷戦

全リンク⇒1へ ⑵占領政策:⑤教育637638639・⑶東京裁判640641642・⑷国連・冷戦643644645・⑸中国・朝鮮646647・⑹植民地648

者:松永正紀  教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》

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