映画「郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946年公開・原題THE POSTMAN ALWAYS RINGS TWICE)」を観た。
【解説】 J・M・ケインの傑作ハードボイルド小説のハリウッドでの最初の映画化で、原作の激しい性と暴力の表現はやはり当時の製作コード上抑えた形で描写されたが、むしろ、その抑圧的なムードがヒロインのターナーの頽廃美を伴って、得も言われぬノワールな趣をかもしている。が、そんな魅惑的な彼女もガーフィールドのいきがった小悪党の流れ者の前では影が薄い。不貞の妻の彼女にそそのかされて、その旦那のレストラン店主殺害の共犯となる彼のモノローグで、この暗い物語は展開していくのだが、その頃、若き演技派としてめきめき頭角を顕していた彼の語り、芝居には自然であることに加え、後のM・ブランドに通ずる新しい輝きが鈍く光っており、その後に赤狩りの犠牲となり失意のうちに急死したことが全く悔やまれる。古式ゆかしいタッチとリアルな新味が混然となった作品。
実に4度もリメイクされている作品で、私はジャック・ニコルソン主演の1981年バージョンだと思って予約したのだが、再生したら1946年バージョンの方だった。
コーラ役のラナ・ターナーの登場シーンから、すっかり私も主人公同様コーラに魅了される。ただ悪い奴は最終的にはちゃんと罰を受けるという教科書のような内容であった。
タイトルの理由が非常に気になったが、最後の説明シーンにはう~んって感じだった。ちょっと無理があるかな?