映画「犬神家の一族(1976年公開)」を観に行った。
1960年9月20日に開業した映画館「丸の内TOEI」の7月27日閉館に伴う特別上映スケジュールから映画「お葬式」と迷った結果、日程的なこともあり本作品に決めた。東映最後の直営映画館となった本館へは幼い頃に東映まんが祭りに連れて行ってもらったもので2022年に閉館した岩波ホールと同じ懐かしさを抱えながら来場。館内はリニューアルを繰り返しているので面影はないのだが、40年以上前に連れて来てもらったんだな~と高い天井を見上げながら上映開始を待った。
犬神家の一族は2021年12月以来であるが、ロケ地である信州上田へも足を運んだし、すでに数えきれないほど鑑賞して来たものの、オープニングからあの独特の出演者テロップ文字や音楽だけで高揚感が高まる。改めて犬神佐兵衛と信州那須神社神官野々宮大弐との関係はこの時代としてはなかなか斬新である。珠代役の島田陽子の美しさと旅館従業員役の坂口良子の天真爛漫さはとても素敵であるが二人を始め、鑑識課員役の三谷昇や登場人物の多くがすでに他界されている。また島田陽子が「あらわになるシーン」が思っていた以上に短く見えにくく感じたのは様々な配慮からの編集なのだろうか?そして映画「砂の器」同様に「終」の文字と同時にエンドロールもなくずばっと終わるのは長~いエンドロール慣れしているとこれまた斬新であったが、改めて何回観ても実に面白い146分であった。現在主流となっているシネマコンプレックスとはまたひと味もふた味も違う映画館の閉館は寂しいが、こればかりは仕方ない。
【劇場入口でスタッフさんが助清に扮してお出迎えして頂いた】
ちなみに犬神家の一族ファンが私の周りに多いことに驚いた。