業者さんが物件案内の為、当社に鍵を取りに行くと連絡があった。車で行くので15分くらいとのこと。
ちょうど15分経過した頃、業者さんから連絡が入った。「カーナビも目的地周辺で案内を終了してしまい、車を降りて探しているのですが・・・」。当社の周辺は一方通行が多く、よくこのような連絡が入る。
「周りに何がありますか?」と訊ねる。
「○○があります」と女性の業者さんが答える。
「ならばその先の△△を右に曲がって、□□m進みますと左手が当社ですよ」と説明し、受話器を置こうとすると、「△△ですか?あ~ありました!それを右ですね。その先に■■ってお店があります。」と全く電話を切る気配が無い。受話器の向こうからコツコツとヒールの足音が聞こえる。「お洒落な建物があります。賃貸マンションですかね?」と沈黙をかき消すかのように目に付く物すべて中継してくれる。足音が次第に早くなり息切れの話し声。こうなればもう最後まで付き合おう!当社まではあと数mだ!頑張れ!
「そのまま真っ直ぐ行くと私が見えますよ」と受話器を持ちながら彼女が来るであろう道を見つめる。コツコツとさらに早歩きになった足音と共に彼女が見えた。お互い手を振り、笑顔で迎えた初対面だった。
あ~面白かった有限会社やな瀬不動産