柚月裕子の「合理的にあり得ない〜上水流涼子(かみづるりょうこ)の解明〜」を読了しました。
柚月裕子は、ボクが特に好きな3人の女流作家の中の1人です。ちなみに3人の女流作家の中の他の2人は、”辻堂ゆめ”と”瀬尾まいこ”です。新聞や雑誌の書評で紹介されている本の中で面白そうなものをを図書館に予約する…ていうのがボクの読書スタイルなのですが、「予約した本の順番が回って来るまで少し期間が空いた」って時は、この3人の女流作家の昔の作品を借りて読むパターンが多いんです。
で、先日のこと。図書館のWebサイトで「柚月裕子」で検索をかけて彼女の作品をいろいろ調べていたら、この「合理的にあり得ない」がヒットしました。「え〜?あのドラマの原作って柚月裕子だったの?」ってビックリしました。去年かな?一昨年かな?テレビで数回見たことの記憶があるドラマが、思い浮かびました。
天海祐希と松下洸平がコンビを組んだ、テンポよく小気味いいドラマでした。で、早速「原作を借りて読もう」ってことになったわけです。
主人公の上水流涼子(かみづるりょうこ)は弁護士資格を剥奪された後、頭脳明晰な貴山を助手に探偵エージェンシーを運営している。金遣いが荒くなった妻に疑念を抱く夫、賭け将棋で必勝を期すヤクザ、野球賭博絡みのトラブルetc.。欲に塗れた人物たちの難題を、涼子と貴山のコンビは知略と美貌を武器に解決していく。
こんな感じで著者の魅力が全開する、極上痛快エンターテイメントです。まぁ読み進めるほどに、天海祐希と松下洸平というドラマのキャストが原作とピッタリのイメージであることに感心してしまいました。
「確率的にあり得ない」「合理的にあり得ない」「戦術的にあり得ない」「心情的にあり得ない」「心理的にあり得ない」っていう短編で構成されているのですが、この各章のネーミングもいいですね。すごく読みたくなります。そして、サクサクっと手軽に読めて、スッキリした後味のよさを感じる短編ばかり。あぁ面白かった。確か「2」もあるみたいなので、またぜひ読みたいな…と思いました。さすが。柚月裕子にハズレなし!