最近、仕事からの帰宅途中に時間があると、ついついホームセンターに寄ってしまいます。お目当てはこれです。
今、ホームセンターの野菜苗の売り場には、夏野菜の苗が本当にたくさん並んでいます。キュウリ、トマト、カボチャ、ナス、ピーマン、シシトウ、ゴーヤ、スイカ、メロン、まだまだたくさんあります。そして、そのそれぞれの野菜の中にも何種類もの特徴のある野菜苗があるので、見ていて目移りし楽しくなってしまいます。
ボクが作っているわが家の家庭菜園はわずか5畝しかないので、もう野菜の苗を植えるスペースは残りわずかで、そこには「枝豆を時間差で収穫できるように植える」って決めているのに、苗を見ていると「あぁこれもいいな」「これも作ってみたいな」と思っちゃうんですよ。
ボクなんかは子どもの頃も大人になってからも、「植物を育てる」とか「野菜を育てる」なんてまったく興味がなかったのに、なんでこんな風になっちゃったんでしょう?しかも、ボクだけじゃないんですよ。ボクの同世代の仲間の中には、還暦を超えてから「農業や野菜づくりに燃えているヤツ」が何人もいるんですよね。中にはわざわざ地代を払って畑を借りたり、本格的にトラクターまで購入したヤツもいるんですよ。
ボクが思うに、「人間(日本人)って歳をとると農業をやりたくなる(畑仕事をしたくなる)」っていうプログラムが、遺伝子に組み込まれているんじゃないですかね?弥生時代に日本で米作りが始まってから、長い時間をかけてボクらのDNAに刷り込まれているんですよ、きっと。
ボクらの祖先も縄文時代には槍や弓をもって野生の動物を狩猟していたわけだけど、歳をとってから「狩猟に目覚めた」ってヤツはあまり聞きません。なんかみんな「野菜づくりが楽しい」派なんですよね。弥生時代以降の奈良・平安の貴族の時代、鎌倉・室町・江戸の武士の時代、そして明治以降の近代も、われわれ庶民の先祖たちが長い間農耕生活に従事していた証なんじゃないかな、これは。
まぁそんなことで、「コメリ」や「ムサシ」や「ひらせい」などのホームセンターの野菜苗売り場は大繁盛のわけです。だいたいわが家からすぐ近くのところに、今の3軒の似たようなホームセンターが存在するところにも、この業界のニーズの高さがうかがえます。
だけど間違いないのは、「家庭菜園って絶対に元はとれない」ってことです。野菜の苗を買って、肥料を買って、マルチシートや支柱を買って、農薬を買って、家庭菜園って結構お金がかかるんですよね。なのにトマトやキュウリが家庭菜園でたくさん採れる頃には、スーパーには驚くほど安い値段でそれらの野菜が売られます。スーパに並ぶ野菜の方が、間違いなく「器量よし」ですしね。
それでも多くの人たちが「家庭菜園での野菜づくり」に取り組んでいるのは、やっぱり歳をとると「土いじりをしたい」「植物(農作物)を育てたい」という欲望が高まるように、ボクらのDNAにプログラミングされているんでしょうね。間違いない。ボクは確信いたしました。