西加奈子さんの「夜が明ける」を読了しました。この本を読み終えるのに3週間かかりました。通常は図書館の貸出期間は2週間なのですが、ボクが利用してる中央図書館が工事による閉館で貸出期間が延びてくれたおかげで、この本を「やっと読み終えた」って感じですかね。いやぁ〜重かったです。まずはamazonの【あらすじ】をどうぞ。
15歳の時、 高校で「俺」は身長191センチのアキと出会った。
普通の家 庭で育った「俺」と、 母親にネグレクトされていた吃音のアキは、 共有できる ことなんて何一つないのに、 互いにかけがえのない存在になっていった。 大学卒業後、 「俺」はテレビ制作会社に就職し、 アキは劇団に所属する。 しかし、 焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちていて、 俺たちは少しずつ、 心も身体 も、 壊していった......。
思春期から33歳になるまでの二人の友情と成長を描 きながら、 人間の哀しさや弱さ、 そして生きていくことの奇跡を描く。
本書は著者が初めて、 日本の若者の生きていく上でのしんどさに真正面から取り組んだ作品。
まぁ、こんな感じの内容なんですが、現代の闇を詰め込んだような場面が次々に登場し、読むのがしんどい箇所が多々ありました。高校の同級生だった二人がそれぞれ劇団員、テレビ制作会社ADとして歩み始めてから33歳までのお話。ただ苦しいだけじゃなくて、それぞれの登場人物に希望があるからなんとか長時間かけて読み切れましたが、気力がある時に読んだ方がいい一冊です。ボクは何度も投げ出しそうになりました。
なんか最近、映画でもテレビドラマでも小説でも、「無条件に感動できる」「単純に楽しい」みたいなものをボクの頭は欲していて、「いろいろ考えさせるドロドロしたヤツ」に対するこらえ性がなくなってきていることを、この本を読みながらつくづく感じました。これって、「ボクが確実に老いてきている」ってことなのかな?もしそうだとしたら、老化防止のためにも、こういう本も時には歯を食いしばって(?笑)読まなければいけませんね。