北沢峠7:17~甲斐駒ケ岳9:30-9:45~摩利支天頂上10:00~仙水峠11:17~栗沢山12:07~早川尾根小屋13:50~高嶺15:35~薬師岳17:03~夜叉神峠駐車場19:57(合計12時間40分)
************
南アルプスで以下の条件で楽しめるトレイルランニングコースを探してみました。
1.可能な限りワンウェイであること
2.出発地点にスムーズに戻って来られること(自家用車利用なので)
3.ある程度の距離が楽しめること(25km以上が理想)
4.日帰り可能なこと
これらの条件をもって南アルプスの地図を眺めた結果、夜叉神峠下の駐車場に車を置いて、そこからバスを乗り継いで北沢峠まで行き、甲斐駒ケ岳~早川尾根~鳳凰三山~夜叉神峠と尾根伝いに戻ってくるコースが実行可能と判断しました。
昭文社のエアリアマップ上では総タイム20時間です。北沢峠の出発は一番のバスに乗っても7時過ぎになります。行動時間20時間の6割として12時間。終盤はナイトランも考慮しての出発です。ライトは2つ(予備電池も)、ビバークも可能な装備としました。
2011年8月14日(日)午前2時に夜叉神峠駐車場に到着、10台以上の空きがありました。すぐに就寝。朝5時起床。夜叉神峠6:00出発のバスに乗車。
広河原からは北岳に向かう人が多いです。
マイクロバスで北沢峠到着(7:15)
長野の伊那方面から来た人たちもいるみたいで、賑やかです。
ここはすでに標高2036Mあります。
双児山に向かってスタート(7:17)
朝日が射してきました。急な斜面にジグザグに道がついています。
大きめのハイマツ帯となり、甲斐駒ケ岳の頂が見えてきました。
後ろには北岳
双児山山頂(8:16)
これから進むトレイルがくっきり見えます。まだまだ甲斐駒は遠く。
一旦下ります。
雷が来ないといいなあ。
駒津峰到着8:42
結構人がいる。朝、小屋発ちの人たちかな?
駒が岳の絶景ポイントです。
これも駒津峰から
ここにはあとで再び戻ってきます。ここから甲斐駒までは往復です。
この岩肌直登できるの?ってちょっとビビります。
直登ルートと巻き道の分岐点。
上りは直登を選択。
前半は大きな岩を乗り越えていきますが、後半は、うまく迂回できたりして、あまり危なくありません。子供も普通に登っていました。
甲斐駒ケ岳山頂到着9:30
歩いてきた道を振り返ったところ
ここは3回目。いつも明るく、ゆったりした空気がながれている印象です。展望は360度。人気の山であることがよくわかります。
いつまでも、のんびりしていたい気分になります。
摩利支天方面に向かいます。
まっすぐ摩利支天には向かえません。ちょっと西に下ってから鋭角に曲がり、東に進みます。
信仰グッズ以外とりたてて何もありません。
雲が大分出てきました。
駒津峰に帰還。
ここから南下して夜叉神峠を目指します。
急な下りです。ここは登りには使いたくないなあ、って思ってしまいました(登ってくるかた、ごめんなさい)。
仙水峠(11:17)
腰下ろすのに良さそうな石がいっぱい。
雲が出てなければ甲斐駒の眺望も良さそうです。
栗沢山の山頂(12:07)。
仙水峠との標高差は450Mです。
これから進む早川尾根。前方に見えるのがアサヨ峰かな。
アサヨ峰(12:48)。前方の尾根に進みたくなりますが、本当のルートは左折方向です。
こっちがルートです。まだまだ先は長そう(アサヨ峰より)。
アサヨ峰からは北沢峠に向かう林道が直下に見えます。
やっとフラットで走れるトレイルが出てきました。
早川尾根小屋(13:50)。外観からは質素で静かそうな山小屋です。テントも2張りのみ。ここから星を眺めたらきれいだろうなあ。年取って走れなくなったら、テント持参でここに来てみたいと思いました。
早川尾根小屋の水場。このほかにしっかりした流し台もあります。
冷たくておいしいかった!
このロングコースにおいて貴重な給水ポイントです。
広河原峠までは心地よい穏やかなトレイルです。
広河原峠(14:12)
白鳳峠(14:50)
この先はもう広河原方面へのエスケイプルートはなくなります。
雲は多いものの、雷鳴は聞こえないので、このまま夜叉神峠を目指します。
この尾根は、ハイマツ帯と樹林帯を繰り返します。晴れていたら大パノラマのコースなのでしょうね。
高嶺までは結構急登です。
岩場もあります。
高嶺2779M(15:35)
雲がなければ展望はよさそう。
やっと地蔵岳のオベリスクが見えました。
アカヌケ沢ノ頭(16:03)
時間がないので地蔵岳はここから眺めるだけにします。
5年前に行った際には、オベリスクは大分上まで登れました。しかし、上部はザイルが垂れていて危なそうなため断念した記憶があります。
しばらくは燕岳と同じような花崗岩が続きます。
このあと観音岳までは結構登りました。もうほとんどフラットなつもりでいたのでつらく感じました。やはり心の準備って大切なのですね。
観音岳山頂(2840M)(16:45)
実はアカヌケ沢ノ頭より90Mも高いのでした。しかも途中に鞍部もあったし。良く地図を読まないといけませんね。
観音岳から歩いてきたコースを振り返ったところ。
西の方向。北岳方面。
雲が切れて一部空が見えてきました。気持ちも明るくなります。
これから向かう薬師岳
白砂の道だったり、岩の間を赤ペンキにしたがって進んだり、時に樹林帯に入ったり、変化に富んでいて楽しいトレイルです。
本日最後のピーク、薬師岳もあとちょっと。京都の枯山水の庭園みたい。
薬師岳山頂(17:03)
右端に富士山が入ってました!
こんな時間なので、私以外にだれもいませんでした。
あれ、もうひとつピークがあった。地図で見ると砂払岳となっています。薬師岳小屋に泊まると思われる人の姿も見えてきました。
薬師岳小屋。風を避けるように林の中にあります。ゆったりした空気が流れています。その空気を乱すように通過する私の登山はやっぱり異端なのかもしれません。
砂払岳付近
これから進む方向です。前方の山はたぶん辻山。この山は巻いていきます(多少は登りありました)。
あとはぐんぐん(と云っても疲れもありゆっくり)下ります。西日も射して、気持ちも晴れやか。
南御室小屋到着(17:47)
ここは展望は利きません。テントも10張りくらい。みんな夕食も終わり、歯磨きタイムに入っています。
場違いな私は、夜間走行に備えて、ヘッドライト装着。リュック内も整頓し食料を出しやすくします。樹林帯なので、クマ鈴も腰につけます。
水もペットボトル3本に補給(でもこの先、夜叉神峠まで1本分も消費しませんでした)。
南御室小屋の水場。流し台の水場もあります。
トイレはチップ制です。
これが辻山の巻き道です。走れるくらいの登りです。
苺平(18:20)
道幅は広いものの、大きめの石がごろごろしていてあまりスピードはだせません。
気がつくと西の空には夕焼け。
夕刻ランのご褒美かな。
杖立峠(19:03)
もうライトないと行動できません。
夜叉神峠到着(19:33)
闇の中、かすかに稜線の山小屋の明かりが見えます。
夜叉神峠には小屋もあります。
宿泊もできるのかな?
明かりはついているけれど人の気配はありません。
小屋から少し行ったところのこの分岐を左に折れて駐車場に向かいます。ちなみに夜叉神トンネルの西口に降りる道は崩落で通行禁止となっていました。
夜叉神峠駐車場到着!(19:57)
峠からは広めの下りで走れました。
長時間コース、しかも最後はナイトランの緊張感もあり、ゴール時の達成感はひとしおでした。
この達成感のためにあえてつらい時間ぎりぎりのコースを選んでいる気がします。
売店もあります。
自販機でジュース買って一人乾杯!
日曜日の夜なので、駐車場は空き空きでした。東の空には満月。
今回のコース、天候に恵まれれば、大パノラマが続きます。一方、白鳳峠以降、夜叉神峠に戻れるエスケエプルートがないの注意してください。