劇団夢桟敷 ☆2018.6〜山南ノート5

熊本アングラ万華鏡〜演劇とプライベートの徒然

熊日連載12「わたしを語る」(21)ルート旅公演

2020-05-09 20:44:17 | 2020-2022 日記

今年の正月はインフルエンザにかかった。
それで殆ど寝正月になり、おせち料理も進まなかった。
イシャに聴くと、「歳をとると誰でも免疫力が落ちる」と指摘された。
私は風邪をひかないものだと過信していたが、予防は大事だと思うようになった。
人に移してはならないと外出を控えた。
今、熊本では新コロ緊急事態が緩和されている。
条件を満たせば店の営業も良しということで、街では人通りが戻りつつあるという。
もう暫く様子を見よう。油断禁物。熊本は大都市に遅れてやってくることもある。
免疫力弱者である。…粋がっても高齢者。若くはない。バスに乗ると席を譲ってくれるようになった。

熊日連載「わたしを語る」(21)はルート(大阪-名古屋-福岡)旅公演のことををあっさりと流して語る。
集団での旅周りではトラブルはつきもの。学校の修学旅行や旅行会社の観光ツアーのように予定通りにはいかない。作業の遅れや会場によっては進行の変更を余儀なくされる。
目的地(劇場)に着くと缶詰で舞台仕込みで閉じこもる。その地の観光などの余裕はない。
観光を楽しみにしていたスタッフから愚痴を言われることもあった。
現地でサポートしてくれる方々に助けられながら、一緒に呑んだり食べたりするのが楽しみになる。
ご来場のお客さんたちとも一期一会の出会いだ。終演の打ち上げではお客さんが残って宴となり、そして別れの淋しさを味わう。…旅の景色は人間中心で記憶に残る。
ワビサビのある旅公演はフツーでは味わえない。
これが演劇の醍醐味か。旅はいいものだ。

自粛という閉じこもり(熊本では「籠城」という)から抜け出したいものだ。
あの人この人を思い浮かべながら完全な3密解禁を待つ。…旅に出よう!


熊日連載11「わたしを語る」(20)

2020-05-09 01:01:29 | 2020-2022 日記

本を読んで影響を受ける。
映画を見て影響を受ける。
テレビを見て影響を受ける。
新聞や雑誌を読んで影響を受ける。
それは憧れの人が登場しているからだった。
わからないことを知識として受けることではなかった。
その人とはTERAYAMA。私の限られた演劇の入り口だった。
寺山修司。
お会いしてお話したのは10分足らずしかない。
短か過ぎる時間だったが、人から影響を受けるのは時間の長短だけではないことを体験したのだった。
演劇実験室「天井桟敷」は寺山修司さんの集合体としてあったと思う。
固有名詞が分裂したり増殖したり、俳優が、音楽が、美術が自立しながらも共通して在るものを感じる。
望遠鏡で覗くマクロで遠い世界から、顕微鏡で覗かないと見えないミクロまで感じさせられる。
挑発された。社会的な事件であったと同時に私にとっても事件だった。
物神化?…疎外された人間たちに質問を投げかける演劇に出会ったのだ。
アングラ演劇の真髄を見たのか?宗教でも哲学でもない。何処にもなかった演劇。
抽象的だが、このモヤモヤの中を漂い続けることから抜けれれない。それが快感にもなった。
やめられない止まらない。

熊日連載「わたしを語る」5/8(金)で20回となった。後、10回続きます。